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医師「見逃さないように」→実は『前立腺がん』のサインかも…“年齢のせい”と放置しがちな「危険な3つの症状」とは?

  • 2026.9.25
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「最近、尿の勢いがなくなった」「夜中に何度もトイレに起きる」……。こうした排尿のトラブルを、「年齢のせいだから」「ただの前立腺肥大症だろう」と軽く考えて放置していませんか?

実は、その陰に「前立腺がん」が隠れているかもしれません。前立腺がんと前立腺肥大症は、初期症状の現れ方に大きな違いがあり、自己判断で放置すると早期発見のチャンスを逃してしまう危険性があります。

今回は、排尿状態の変化と前立腺がんの関係について、泌尿器科医の小内友紀子先生に詳しくお話を伺いました。あなたの尿トラブルの本当の原因は何なのか、今すぐできるセルフチェック方法とともに詳しく解説します。

なぜ初期の前立腺がんは症状が出にくいのか?

---前立腺がんと聞くと、真っ先に排尿のトラブルが思い浮かびます。しかし、初期の段階では症状が出にくいと言われるのはなぜでしょうか?

小内友紀子さん:

「前立腺がんによる排尿状態の変化は、主に『腫瘍がどこにできて、どのように尿の通り道に影響するか』が関係しています。

前立腺がんの多くは前立腺の外側寄りの辺縁領域(peripheral zone)から発生します。ここは尿道からやや離れた場所にあるため、がんが小さいうちは尿道を直接圧迫しにくく、排尿の症状が出にくいという特徴があります。

これは前立腺肥大症(BPH)が尿道を取り囲む移行領域(transition zone)から生じるため、早期から排尿症状が出やすいのと対照的です。」

がんが進行すると現れる、排尿症状のメカニズムと危険なサイン

---がんが進行すると、具体的にどのような排尿症状が現れるのでしょうか。また、前立腺肥大症との進行スピードの違いについても教えてください。

小内友紀子さん:

「排尿症状が実際に出てくるのは、主に次のような機序によります。

腫瘍が増大して尿道や膀胱頸部を直接圧迫・浸潤するようになると、尿の通り道が物理的に狭くなり、尿勢低下、排尿開始までの時間がかかる(遷延性排尿)、残尿感、頻尿(残尿による膀胱容量の実質的な低下)といった、いわゆる下部尿路症状(LUTS)が出現します。これは機序としてはBPHと似ていますが、がんの場合は進行とともに急速に増悪しやすいのが特徴です。

さらに進行して膀胱頸部や膀胱壁そのものに浸潤すると、血尿が出たり、膀胱の刺激により尿意切迫感や頻尿が強くなることがあります。また腫瘍が尿管口の近くまで広がると尿管を圧迫・閉塞し、水腎症をきたし腎機能低下につながるケースもあります。」

自分でできる「尿の勢いと回数」チェックと、受診すべき目安

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

---前立腺肥大症との見分けは難しいとのことですが、自分でできるセルフチェック方法や、病院を受診すべき目安があれば教えてください。

小内友紀子さん:

「前立腺肥大症でも尿の勢いが落ちたり、夜間に何度も起きることはありますが、原因が本当に加齢による前立腺肥大症なのかは自分ではわかりません。原因が前立腺がんだった場合、前述したような機序で症状が進み、早期に発見できるチャンスを見逃してしまう可能性はあります。

尿の回数はまず参考にしてみてもいいでしょう。日中8回、夜1回程度を目安とし、これよりも尿の回数が多いようであれば、頻尿の可能性があります。また、尿の勢いもご自分でわかる目安です。若い頃の尿の勢いを100としたときに、半分以下であれば勢いがかなり悪くなっているかもしれません。

自治体や職場の健康診断で、PSA(前立腺特異抗原)という血液検査がオプションなどで入っている場合、ぜひお受けになってみて、正常値であることは確認されてください。尿の回数、勢い、PSAが正常範囲でない場合は、早めにお近くの泌尿器科を受診されることをおすすめします。なお、PSA値は前立腺肥大症や炎症でも高くなることがあるため、値が高いからといって必ずしもがんとは限りません。まずは専門医による検査を受けましょう。」

「年のせい」と放置せず、早めのチェックと専門医への相談を

前立腺がんは初期症状が出にくく、排尿症状が現れたときにはがんが進行している可能性があるということが分かりました。だからこそ、「ただの加齢による尿のトラブルだろう」と自己判断で片付けるのは禁物です。

明日からでも意識できる「尿の回数(日中8回、夜1回)」や「若い頃と比較した尿の勢い(半分以下になっていないか)」をセルフチェックし、違和感があれば見逃さないようにしましょう。さらに、健康診断のPSA(前立腺特異抗原)検査を活用することも大切です。検査値が正常範囲外であったり、尿の回数や勢いに気になる点があれば、早期に泌尿器科を受診することをおすすめします。


監修者:小内友紀子
公益財団法人ときわ会 常磐病院 泌尿器科 診療副部長、東京女子医科大学病院 泌尿器科 講師、医師、医学博士 女性泌尿器科医師として、普段は女性によくある尿もれから、男性の前立腺癌をはじめとする泌尿器科領域の癌診療まで診療しております。
【資格】医師 / 医学博士 / 泌尿器科専門医・指導医 / 透析医学会専門医・指導医 / 排尿機能学会専門医

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