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ブルータス時計ブランド学 Vol.87 〈パテック フィリップ〉の「CUBITUS」

  • 2026.8.15
〈パテック フィリップ〉の「CUBITUS」

〈パテック フィリップ〉の「CUBITUS」とは

スクエア型の新ラグジュアリースポーツウォッチ

「私は長い間、コレクションにスクエア型の時計を含めたいと思っていました」──〈パテック フィリップ〉のティエリー・スターンCEOの積年の想いが、2024年に花開いた。「CUBITUS (キュビタス)」は、同メゾンにとって実に25年ぶりとなる新コレクションとしてこの年、華々しくデビューを飾った。

ジュネーブ伝統の徹底した手仕上げの美しさを継承しながら、シリコン製パーツやボールベアリングといった新技術をいち早く取り入れてきた〈パテック フィリップ〉は、美観と機構の両面においてスイス時計界の最高峰と称賛を集めてきた。デザインにおいても、丸型ケースの手本となった「Ref.96」(1932年)やラグジュアリースポーツウォッチの嚆矢の一つ「ノーチラス」(1976年)など多くの名コレクションを有する。

四半世紀ぶりに登場した新コレクション「CUBITUS」は、初見では大ぶりなスクエアケースがかなりマスキュリンに感じられる。またケース両サイドの“耳”、横方向のエンボスストライプのダイヤル、長方形とH型のリンクを組み合わせたブレスレットなどは「ノーチラス」の影響を色濃く残す。

しかし身に着けると印象はガラリと変わる。ベゼル四隅の柔らかなカーブによるカット、ケースサイドとラグをつなぐ滑らかな曲線が、エレガントな雰囲気を醸し出すからだ。また大ぶりなケースサイズとは対照的に「ノーチラス」よりもはるかに薄さを実感できる。その装着感は、まるで腕に吸い付くようで実に心地よい。

現在は3針+デイトを2サイズ・4モデル、大型日付表示のデイデイト+ムーンフェイズ、そして永久カレンダーの計6モデルをラインナップ。デビュー3年で主力コレクションの一つとなった。

CUBITUS 5821/1A-001

SSケース×3針デイトのベーシックモデル

2024年に発表されたデビュー作の一つ。多くのファンが待ち望んだSS製ラグジュアリースポーツウォッチが、ついに〈パテック フィリップ〉に帰ってきた。ラグは極端に短く、スクエアのフォルムとブレスレットの一体感がより際立つ。45mm(4-10時方向)のケースサイズに対し、厚みはわずか8.3mm。この薄さが、エレガントさと卓越した装着感をもたらす大きな要因である。

横ストライプのエンボス加工を施したダイヤルは、オリーブグリーンとミリタリーなカラーリング。しかし中央から放射状に繊細な筋目を入れたソレイユ仕上げを加えることで、光の具合によるニュアンスの変化を創出し、気品ある印象にしているのが〈パテック フィリップ〉らしさだ。

径45mm(4-10時方向)。自動巻き。SSケース。7,410,000円。

Cal.26-330 SCを搭載
搭載するCal.26-330 SCは、3.32mm厚という極薄の自動巻き。21金製ローターには、ダイヤルと同じ横ストライプ柄のデザイン。
ケースサイドの“耳”は裏蓋一体式のケースとベゼルをつなぐ役割を持つ
ケースサイドの“耳”は裏蓋一体式のケースとベゼルをつなぐ役割を持ち、上下からビス留めされている。中央の鏡面状部分の輝きが見事!
ベゼルエッジなどを鏡面状としている
全体をヘアラインで仕上げ、ベゼルエッジなどを鏡面状としているのは「ノーチラス」と同じ。
カラトラバ十字のエンブレムを刻印したバックル
ブレスレットの仕上げも別格。カラトラバ十字のエンブレムを刻印したバックルは、長さ調整機能を備える。

Information

PATEK PHILIPPE / パテック フィリップ

創業:1839年
創業地:スイス・ジュネーブ
HP:https://www.patek.com/

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