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年間女王を狙う河本結が実践している軸の整え方 プレーの質向上のポイントは“日常生活”か

  • 2026.7.14
河本結(C)Getty images
SPREAD : 河本結(C)Getty images

1998年生まれの黄金世代である河本結は、今季2勝をあげ、目標としている年間女王のタイトルを視界にとらえている。
先週開催されたミネべアツミレディスでは、優勝争いに加わることはできなかったが、今季7度目のトップ10入りし、ポイントを稼いだ。
現時点(7月13日時点)のメルセデス・ランキングは5位で、1位までは約70ポイント差となっており、1試合で逆転可能な状況となっている。
河本の強みは、得意のパットを生かした、落ち着いた試合運び。自身でもそう自負している。プレーしている様子を見て「堂々とした雰囲気を醸し出している」と感じたゴルフファンは少なくないのではないだろうか。
それは河本が大切にしている“歩き方”によるものかもしれない。猫背にも反り腰にもならず、軸を意識して歩いているようである。
それによって、スイングやストロークが安定するだけでなく、呼吸やメンタルなども整うことが、ここぞという場面でのブレないショットや、タッチが合ったパットにつながっているのだろう。

河本結のスタッツ(2026年7月13日時点)

■24時間ゴルフ漬け

歩き方を意識しているのは、コース場だけではないようだ。普段の生活でも「歩く」「立つ」「座る」という動きに対する意識を高める努力をしているようである。
日常生活すべてをゴルフと関連付けてとらえ、姿勢については、クラブを握っている時間やトレーニングをしている時間だけ意識するのではなく、日常生活でも基本動作を常に意識しているのである。
帯同キャディから「普段の歩き方まで意識できる選手はなかなかいない」と評されている
河本は、JLPGA 選手名鑑2025のインタビューで「30歳までは、24時間ゴルフ漬けの姿勢でいきたい。ロス五輪にも出たいので、最低でもそこまでは24時間365日、ゴルフのために休みなしです」と答えている。

■身体の専門家が重要視

身体の使い方の専門家の多くは「立ち方」「歩き方」を重要視している。
中島大輔著『山本由伸 常識を変える投球術』では、ドジャース山本由伸投手の進化を支えている柔道整復師・矢田修氏の、立つことや歩くことの重要性についての言葉が紹介されている。
「正しく立てない者は、正しく歩くことはできない。正しく歩けない者は、正しく走ることはできない。正しく走れない者は、正しく投げることはできない。正しく立つには、正しい呼吸と集中が大切」。この中の「正しく投げる」を「正しくスイングする」にかえても問題ないだろう。
施術家・廣戸聡一氏が、人それぞれ異なる正しい身体の使い方を4種類に分け、体系化した「4スタンス理論」では、「正しく立つ」ことを重要視している。
「正しく立つ」ことを矢田氏は「自然の原理どおりに立つ」と語り、廣戸氏は「骨で立つ」と表現している。そして2人とも、それが、各競技のパフォーマンスアップにつながると考えている。
このような専門家の見解からも、河本の取り組みは本質にせまったものと言えるだろう。

■スイングの仕方の前に歩き方

河本の昨季2位だった平均ストロークが、今季現時点では7位となっている点が少し気になるところではあるが、パーオンホールの平均パット数と1ラウンドあたりの平均パット数が、それぞれ2位、3位。パットの安定感がツアートップレベルであることを、昨季に続き示している。
パットも軸の安定性が重要。立位から前傾姿勢をとる流れの質が上がるほど、ストロークの安定感が増すが、日常生活から基本動作に目を向けることも、それを実現させている理由のひとつにあげられるだろう。
さらに、この歩き方を意識する取り組みは、河本の弟で、国内ツアートップレベルの飛距離を誇る河本力も意識するようになり、今季2度目のトップ10に入った。
多くのゴルファーにとっても、この河本姉弟の取り組みは参考になるはず。スイングの仕方だけでなく、歩き方について考えてみてはどうだろうか。

著者プロフィール

野洲明●ゴルフ活動家
各種スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。より深くプロゴルフを楽しむためのデータを活用した記事、多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとにした論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。ラジオドラマ脚本執筆歴もあり。

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