1. トップ
  2. 【漫画】愛し合っているのに「結婚できない」…同性カップルが願い続けるたった一つの“未来”に「泣いた」

【漫画】愛し合っているのに「結婚できない」…同性カップルが願い続けるたった一つの“未来”に「泣いた」

  • 2026.7.9
漫画「結婚願望」のカット(花影あるとさん提供)
漫画「結婚願望」のカット(花影あるとさん提供)

漫画家の花影あるとさんの創作漫画「結婚願望」がインスタグラムで1万7000以上の「いいね」を集めて話題となっています。

レズビアンカップルとして、長い歳月をともに歩んできた2人の女性。しかし、現在の日本の法律では同性婚は認められておらず、社会的にさまざまな「壁」を感じることがあります。作中の彼女たちと同じ境遇にある作者が、作品を通じて伝えたい願いとは…。読者からは「私も同じ悩みを抱えています」「泣いてしまった」「日本が早く変わることを願います」などの声が上がっています。

愛する人と「家族」になれる日を願って

花影あるとさんは、インスタグラムで作品を発表しています。花影あるとさんに作品について話を聞きました。

Q.今回、漫画「結婚願望」を描いたきっかけを教えてください。

花影あるとさん「この漫画は、実は数年前に描いたもので、Xやインスタグラムに投稿した日は再掲という形でした。描き始めた当時はコロナの自粛生活が続く中で、『エアコミティア』に参加するために数ページで完結するお話を描こうと思い、ひとまず『2人の女性カップルが会話をする』というネームを描き始めました。初めは何気ない百合漫画のストーリーだったのですが、その当時、政治家の差別的発言があったり、自分も周囲の人から『結婚はいつ?』『いい人いないの?』と聞かれたりすることがありました。自分自身のセクシャリティ(レズビアン)と、パートナーとの未来を考え始めた時期でもあったので、自然と最初に描いていたカップルのトークが、私自身の悩みとリンクしていきました。そして、『この漫画で私は、同性婚についての思いを、結婚願望を描きたいんだな』と整理ができたところで、改めてこのテーマで描きました。SNSに再投稿した日は、『レズビアン可視化の日』でもありました。数年前に描いた漫画ですが、今も変わらない気持ちだと、読み返して改めて思いました」

Q.日常生活や社会生活の中で、同性愛や同性婚について、最も『壁』を感じるのはどのようなときですか。

花影あるとさん「人それぞれ生活環境や境遇が違うので、私の見解と体感でお話ししますが、私としては正直、現在の日本ではあらゆることに『壁』を感じます。それは『生活』や『必ず訪れるもしものとき』に直結し、生きていく中で必ず直面するものですが、その大きな『壁』の象徴が、『同性婚ができないこと』なのではないかと思います。医療や相続、住まい、社会保障、お子さんがいらっしゃるご家庭は親権の問題など…。異性カップルなら手続き1つ、あるいは自動的にできることも、同性カップルは事前に工夫しなければならないケースが多く、その部分でとてもエネルギーをさかなくてはならない状況だと私は感じています。私も実際にパートナーと同居する際に少し苦労しました。不動産会社さんはとても協力的でしたが、オーナーさまからは難しいと判断されることもありましたし、『ルームシェアです』と伝えざるを得ない場面もあって…。カップルなのに堂々と名乗れないことも、何だか喉がつかえるような感覚でした。将来歳を重ねたとき、いや、いつか必ず迎える『もしものとき』を考えると、正直なところまだまだ不安は拭えない状況です。認められていない状況自体が、私の心情的にはとても苦しいと感じ、その苦しさや痛みを抱えながら生きている感覚があります。しかし同時に、いろいろな方々の努力と誠意で、確実にこの『壁』の状況が、変化しつつあるとも実感しています。パートナーシップ制度の導入や、同性婚に向けて活動していらっしゃる団体さん、LGBTQ+の支援をしてくださっている企業や自治体、専門家の方々など、少しでも『壁』を乗り越えていけるように尽力してくださっている方々がいらっしゃいます。大変心強く、本当に感謝しております。私も、その一員になれたらと、本当に微力ではありますが、漫画で届けていきたいと思っています」

Q.逆に、パートナーシップや日々の生活で感じる『かけがえのない喜び』についても教えてください。

花影あるとさん「彼女と一緒にいる、日常のちょっとした時間が、本当に幸せだなと思います。彼女がいれてくれたコーヒーがおいしいとか、洗い立てのシーツが気持ちよくて2人でごろごろしたりだとか、今日あった話をしながら夕飯を一緒に食べて、『あそこに行きたいね、あれがやりたいな』などと話したりだとか…。ここ最近の情勢を見ていて、苦しい思いをする反面、こうした日常の幸せを大事にかみしめていきたいですし、これからも何の変哲のない日常を続けられるようにと祈っています」

Q.今後、日本にはどのような展開を期待しますか。

花影あるとさん「平和で穏やかで、幸せな選択ができる人が増えますように、と願っています。その1つとして、『同性婚』や『選択的夫婦別姓』など、国民が必要とし、豊かになれる制度の導入に尽力してもらいたいです」

「ひとりじゃない」と届けたくて

Q.同じように同性愛・同性婚に悩む読者の皆さんへ、作品を通じて最も伝えたいメッセージをお願いします。

花影あるとさん「この漫画は、『私と同じように悩む方々に寄り添いたい』『当事者でない方へも思いを届けたい』というメッセージを込めました。作中に出てくる『この国であなたと結婚できる日まで諦めません』、これに私の思いの全てが詰まっています。ありきたりな言葉になってしまいますが、つらいときはこの漫画のことを思い出してもらって、『1人ではないんだ』と感じていただけたら、とてもうれしいです。今後も漫画で届け続けていきます」

Q.漫画を描き始めたのは、いつごろからでしょうか。

花影あるとさん「漫画を商業として発表したのは、2020年からです。『性解放 それぞれの愛のカタチ』という、女性同士の恋愛とその葛藤を描いた漫画でデビューしました。現在、日韓GL漫画『オンニって呼んでもいいですか?』を連載中で、SNSでは主にその情報や、百合・GL漫画を描いています。『オンニって呼んでもいいですか?』は、韓国人女性のKPOPアイドルと日本人のKPOPオタク女性の恋愛漫画になっていて、自身がKPOPアイドルが大好きなことから連載が決まった漫画です。4月には自身初の単行本1巻を発売しました。ぜひ皆さんにもチェックしていただけたらうれしいです」

Q.創作活動で今後、取り組んでいきたいことを教えてください。

花影あるとさん「私の読者さんは日本だけでなく海外にもいらっしゃるので、作品の多言語展開に取り組んでいきたいです。そして、いろいろな方々に作品を読んで『面白い』と思っていただけることはもちろんですが、安心して漫画の世界にのめりこめるような作品作りに誠心誠意、取り組んでいきたいです」

Q.漫画「結婚願望」について、どのようなコメントが寄せられていますか。

花影あるとさん「実はこの漫画を投稿した当初は、ネガティブなコメントも寄せられていたんです。しかし時がたち、再び投稿した際に、本当にたくさんの方々から、温かい声援と共感のコメントをいただいて、少しずつ変化を感じられるようになりました。日本からは共感の言葉、海外からは『日本の状況を知ることができた。日本も早く変わることを祈っています』といった優しいコメントもありました。『この漫画を描いてよかった』と改めて思いました。皆さま、本当にありがとうございます」

オトナンサー編集部

元記事で読む
の記事をもっとみる