1. トップ
  2. おでかけ
  3. 【中央区】ロマンスグレーのマスターが丁寧に淹れるコピ・ルアクの贅沢な余韻【ばるびぞん】

【中央区】ロマンスグレーのマスターが丁寧に淹れるコピ・ルアクの贅沢な余韻【ばるびぞん】

  • 2026.7.7

伝説の遺伝子、まさかの外観から漂う

この外観をひと目見てほしい。

昭和の薫りを色濃く残すレンガ調の建物、そして「Barbizon(ばるびぞん)」のロゴ。

この渋すぎる純喫茶のカウンターに立つのは、実に見事なロマンスグレーのマスターである。

実はこのマスター、かつて南青山にあった伝説の名店「大坊珈琲店」の大坊勝次氏の焙煎に心を奪われ、コーヒーの深淵へと足を踏み入れたという筋金入りの浪漫派なのだ。

あのストイックな伝説の遺伝子が、ここ札幌の地で静かに息づいていると思うだけで、コーヒーマニアの胸は熱く高鳴る。

出典:リビング札幌Web

贅沢すぎる「待ち時間」という名のごちそう

今回注文したのは、メニュー表のなかでもひときわ異彩を放つ高級種「コピ・ルアク(2,200円)」である。

野生のジャコウネコから採取された世界最高峰の希少豆だ。

注文を受けると、マスターは年季の入ったbonMacのグラインダーを回し、おもむろにドリップを始める。

ここからがばるびぞんの真骨頂だ。

一滴、また一滴。まるで時の流れを丁寧に編み込んでいくかのように、たっぷりと時間をかけて一杯を淹れてくれる。

効率至上主義の現代において、この「贅沢な静寂」を待つこと自体が、最高の前菜(アミューズ)に他ならない。

他にもゲイシャなどの稀少なコーヒーをいただける
48年現役!
こちらはディスプレイ用で濃い目に焙煎してあるとのこと

文学系チョコレート?五感を揺さぶる複雑なアロマ

運ばれてきた美しいカップから立ち上る香りを、どう表現すべきか。

ひと口含んで脳裏に浮かんだのは、「酸味のあるチョコレートを古本に挟んだような、華やかで複雑な香り」である。

一見するとシュールな表現に聞こえるかもしれないが、これ以上ないほど解像度が高い。

熟した果実のフルーティーな酸味と、奥深いカカオのようなコク、そして時を重ねた空間が織りなすエキゾチックな余韻が、完璧に融合しているのだ。

店内に飾られた初夏の生花、カルミアの可憐な姿も、この文学的な一杯に最高の彩りを添えてくれる。

出典:リビング札幌Web
出典:リビング札幌Web
落ち着いた店内には生花が活けられている

計算か天然か?お茶目すぎる「黄色いアイツ」

そんな究極の美意識とストイックな世界観に浸り、陶酔している目の前へ、マスターが「ひょい」と何かを差し出した。

そこに鎮座していたのは、なんと誰もが知るお馴染みの「UCCコーヒーフレッシュ」である。

「世界最高の希少豆」「大坊珈琲の精神」「10分の儀式」というド級の緊張感のあとに、この親しみやすさ100%のフレッシュを添えてくるギャップ。

このお茶目な緩急のつけ方には、思わず脱帽である。

「難しく考えず、好きに楽しんでね」というマスターの、気取らない懐の深さが透けて見えるようだ。

出典:リビング札幌Web
これがコピ・ルアクの生豆
高価な稀少豆を見せてくださった

温度が下がってから始まる、本当のショータイム

もちろん、今回はマスターのお茶目な誘惑をスルーし、最後までストレートで貫かせていただいた。なぜなら、このコーヒーは「冷めてから」が本番だからである。

温度が少しずつ下がっていくにつれ、熱気の中に隠れていた複雑なアロマが、よりいっそう鮮やかに開き始める。

最後の一滴を飲み干したあとも、素晴らしい余韻がいつまでも口内を支配し、席を立つのが名残惜しくなるほどであった。

ホテルのラウンジなら倍以上の価格がついてもおかしくない至高の体験が、ばるびぞんでは2,200円。これほどお値打ちな「一生モノの一杯」が他にあるだろうか。

次は、前菜プレートが付くというこだわりのフードメニューを狙いつつ、再びあのロマンスグレーのマスターに会いに行くとしよう。

※現金のみ・喫煙可・20歳未満の方は入店不可です

出典:リビング札幌Web
出典:リビング札幌Web
元記事で読む
の記事をもっとみる