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「攻撃の芽を摘み取った佐野海舟選手の活躍が光った」“サッカーに詳しすぎる市議会議員”、日本代表のチュニジア代表戦を徹底解説

  • 2026.6.23

サッカーの北中米ワールドカップ(W杯)は、現地時間6月20日(日本時間21日)にチュニジア代表と対戦。前半4分に鎌田大地選手の2戦連発ゴールで幸先よく先制すると、上田綺世選手の2ゴールや、伊東純也選手の得点も決まり、4対0の快勝。勝点4でグループ2位に浮上し、決勝トーナメント進出に大きく前進した。突然の監督交代に揺れるチュニジア代表戦に出場した日本代表選手のパフォーマンスを、ブラジルでプロ選手としてプレーした経験を持ち、『サッカーに詳しすぎる市議会議員』としても知られる桐木優氏に、チュニジア戦に出場した日本代表の戦いぶりを振り返ってもらった。

画像1: (C)Getty Images
(C)Getty Images

日本サッカー界の歴史において、史上初めて、自分たちも、相手選手も、第三者も、試合を見るすべての人が、日本が勝つと思っているような、そんな前評判の中で戦った、過去なかなか勝ちきれないワールドカップ2戦目という難しい試合。勝てない理由を探せばいくらでも見つけることのできるこの試合ですが、日本代表は前評判以上の強さを見せつけ、見事4-0でチュニジア代表に完勝しました。

伊東純也選手の起用で、シャドーの動きに幅が生まれた

画像2: (C)Getty Images
(C)Getty Images

さて、日本代表における、オランダ戦からの主な修正点は2つありました。

まずは、ポストプレーを受ける位置の高さと幅と、その後のワンタッチプレーです。オランダ戦では、あまり足元が得意とは言えないタイプの前田大然選手と開いて受けて自ら仕掛けたい久保建英選手がシャドーとして起用されていたためポストプレーのターゲットとして2シャドーはあまり機能していない上にトラップしがちでワンタッチプレーも少なく、またワントップに入った上田綺世選手もオランダ代表の屈強なディフェンス陣に十分には抗い切れず、中央でポストプレーしようとしてもほとんど潰されてしまっていました。

しかし、チュニジア戦では、けがなどの影響もありましたが、間で受けられる鎌田大地選手と伊東純也選手をシャドーに起用。

これにより、上田選手の一つ下でシャドーの選手たちがくさびを受けるという選択肢を作り出しました。また、ボールキープを第一に考える上田選手のプレーとは異なり、シャドーの二人は縦パスに対して、ワンタッチで展開していきます。このオランダ戦になかったボールの動かし方は、日本代表の強みであるワイドの押し上げを促し、日本代表のワイドを押し下げたいチュニジア代表の目論見をまんまと打ち破りました。

そして、もう1点が伊東純也選手の先発起用です。

試合が行われたモンテレイは、とにかく暑い。連戦が続くスケジュールのなか、暑い日の試合に臨む選手たちは、まず最初に「できるだけ走らずに試合を終えられたらな…」と考えます。

なので事前の予想では、「中盤の潰し合いになるだろうな」と思っていましたし、実際そういう要素も見受けられました。しかし伊東選手は違った。暑いのに、足元のプレーも見せながら、裏に走るんです。

チュニジア代表DF陣は、まともに伊東選手についていったらバテてしまうけど、ついていかなかったら失点してしまう。だから伊東選手についていったものの、そうすると今度は中盤がスカスカになってしまう状況が生まれました。

ここが、ボールが出てから走り出す傾向のある前田選手と、伊東選手のプレースタイルの違いでもありますが、酷暑の中でも「走るサッカー」が選択肢にあった日本代表は、敵になりかねない暑さを味方につけて、この難しい一戦を戦うことができました。

なお、ディフェンスラインも選手を入れ替えましたが、戦術的な意味合いもあったと思いますが、どちらかといえば「全員を試合に出しておきたかった」という起用法だったように思います。佐野海舟選手がハンニバル・メイブリ選手を抑えていましたが、そもそも今の日本代表のDF陣は、実力派が揃っているので、たぶん誰が出ても、それぞれの特徴を生かして、試合に貢献できていたと思います。

チュニジア代表の攻撃を佐野海舟選手が摘み取る

画像3: (C)Getty Images
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チュニジア代表の狙いは、日本の左サイドにありました。

この日のチュニジア代表が採用した「5-4-1」のシステムでは、攻撃時に左にずれてサイドバックが前に上がり、日本代表のキーマンである堂安律選手や伊東選手を押し込むと同時に、自チームのキーマンであるハンニバル・メイブリ選手(バーンリー)をフリーにしようとしていましたし、実際にハンニバル・メイブリ選手が浮いている場面も多く見られました。

また、この試合初のシュートも、冨安健洋選手がピッチの中側にボールを蹴りこんでしまい、攻撃が失敗に終わった流れからのハンニバル・メイブリ選手によるものでした。

ですが、この様子を見て、すかさずチュニジア代表の狙いを理解し、罠を仕掛けたのがボランチの佐野選手でした。ハンニバル・メイブリ選手へのパスを予測して度々攻撃の芽を摘み取り、メイブリ選手がボールを触れないチュニジア代表は全くリズムが作れない状況に。

また日本の攻撃にも修正が入り、ポストプレーで上田綺世選手に当てるときは、一つ外か下の位置でタイミングを合わせるようになり、ボールを奪われて逆襲を受けることがほとんどなくなりました。佐野選手の渋い活躍の甲斐もあって、日本代表がチュニジア代表にペースを与えず、日本代表に優位な展開で試合は進みました。

〈以下に続く〉

画像: チュニジア代表の攻撃を佐野海舟選手が摘み取る

〈桐木優・プロフィール〉

1977年静岡県生まれ。韮山高校を卒業後、単身ブラジルにサッカー修行に渡り、無事にプロ契約を勝ち取るも、試合中に後ろからカニバサミを喰らって、泣く泣く引退に追い込まれる。
日本でのサラリーマン生活を経て、介護会社を起業。その後は現場の声を政治に届けるために一念発起し、2011年の多摩市議会議員選挙に初当選を果たした。

自身のホームページに何気なく掲載した「東京ヴェルディ観戦記」が注目を集め、『サッカーに詳しすぎる市議会議員』として知られるように。近年は幅広く社会保障全般に携わる『肩書きの多すぎる市議会議員』としても存在感を示している。

主な資格・職業は、多摩市議会議員の他に、ケアマネジャー、相談支援専門員、保育士、社労士、行政書士、宅建士、管理業務主任者、公認心理師、はり灸マッサージ師、社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士、サッカーC級コーチ、サッカー3級審判員等

執筆:桐木優
写真:Getty Images、本人提供

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