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儲かっているはずの会社が資金不足に陥るワケ。決算書に隠れた"時間のズレ"の正体とは

  • 2026.8.13

親しみやすいマンガで決算書を学べる『マンガでカンタン!決算書は7日間でわかります』(Gakken)は、決算書に苦手意識を持つ会社員・ミズタニが、公認会計士の小山先生から7日間で決算書の読み方を学ぶ入門書です。

本書では、決算書を学ぶメリットから、損益計算書(P/L)、貸借対照表(B/S)、キャッシュフロー計算書(C/S)といった財務3表の基礎まで、マンガを交えながらわかりやすく解説しています。

今回は、決算書を理解するうえで欠かせない「時間のズレ」の考え方や、キャッシュフロー計算書で行う調整について紹介します。

【本記事は、『マンガでカンタン!決算書は7日間でわかります』(Gakken)より一部抜粋して掲載しています。】

決算書を理解するカギは「時間のズレ」

小山先生は、決算書を正しく読むためには「時間のズレ」を理解することが重要だと説明します。

実際のビジネスでは、商品を販売した日と代金を受け取る日、商品を仕入れた日と代金を支払う日は一致しないことが少なくありません。

例えば、3月決算の会社で3月にケータリングを提供したものの、代金の入金が4月になるケースがあります。この場合、売上は3月(当期)に計上されますが、現金が入るのは4月(翌期)です。一方、材料を仕入れても支払いが翌月であれば、その時点では現金は減らず、「買掛金」として負債に計上されます。 

このように、取引が発生したタイミングと現金が動くタイミングにはズレがあります。

現在の決算書は「発生主義」という考え方で作られており、現金ではなく取引が発生した時点で売上や費用を記録します。そのため、利益と実際の現金の動きは一致しないことがあるのです。

キャッシュフロー計算書は時間のズレを調整する

発生主義で作られた損益計算書と貸借対照表だけでは、実際に現金がどのように増減したのかは分かりません。

そのため、現金の動きに着目したキャッシュフロー計算書(C/S)が作られました。

本書では、多くの企業で採用されている「間接法」による営業キャッシュフローの考え方を紹介しています。間接法では、損益計算書の税引前当期純利益を出発点とし、現金がまだ動いていない項目を調整することで、営業活動による実際の現金の増減を求めます。

代表的な調整項目として挙げられているのが、「売掛金」「買掛金」「棚卸資産」「減価償却費」「貸倒引当金」です。

例えば、売掛金は売上として計上されていても、まだ現金を受け取っていないため、営業キャッシュフローを求める際には差し引きます。反対に、買掛金はまだ支払っていない費用なので加算します。

このように利益と現金のズレを調整することで、利益だけでは分からない会社の現金の流れが見えてくるのです。

棚卸資産や減価償却も時間のズレから生まれる

「棚卸資産」や「減価償却」も、時間のズレを理解するうえで重要な考え方だと小山先生は説明します。

棚卸資産とは、まだ販売していない商品の在庫です。商品を仕入れた時点では現金は支払われていますが、売れるまでは費用になりません。そのため、営業キャッシュフローを作る際には、棚卸資産の増減を調整する必要があります。

一方、設備や建物などの固定資産は、購入した時点で一括して費用にはなりません。使用できる期間(耐用年数)に応じて少しずつ費用として計上します。この資産の「価値の目減り」を会計上で表したものが「減価償却」です。

減価償却は、設備投資による費用を、その設備が利益を生み出す期間に分けて計上する制度でもあります。減価償却費は損益計算書では費用になりますが、その年に現金が支出されたわけではありません。そのため、営業キャッシュフローでは利益に加算して調整します。

さらに、将来売掛金を回収できなくなる可能性を見込んで計上する「貸倒引当金」も、現金の支出を伴わないため、営業キャッシュフローでは調整項目として足し戻さなければならないのです。

時間のズレが分かると決算書はもっと読みやすくなる

今回は、決算書を理解するために重要な「時間のズレ」の考え方について紹介しました。

損益計算書は発生主義によって利益を計算する一方、キャッシュフロー計算書は実際の現金の動きを記録します。そのため、売掛金や買掛金、棚卸資産、減価償却費、貸倒引当金などを調整し、利益と現金のズレを埋めています。

時間のズレという視点を持つことで、損益計算書・貸借対照表・キャッシュフロー計算書がそれぞれどのような役割を担っているのかが理解しやすくなり、会社の経営状況やお金の流れをより正確に読み取れるようになるでしょう。 


【本記事は、『マンガでカンタン!決算書は7日間でわかります』(Gakken)より一部抜粋して掲載しています。】

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Gakken

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