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「順番だから、今年はお願いね」自治会の役員を押し付けられた私。同調圧力に疲弊した日々

  • 2026.6.10

引っ越し当日の来訪者

夫の転勤で社宅に引っ越した日のことだった。段ボールの山に囲まれて荷解きの真っ最中、玄関のチャイムが鳴った。

出るとエプロン姿の50代らしき女性が立っていて、自治会の当番だと名乗った。手には新入居者用と書かれた書類一式が抱えられていた。

「みんな入ってるから」

差し出されたのは加入届の用紙と会費の集金袋。挨拶も早々に、世帯主の名前と入居日をその場で記入するよう促された。

乳児を抱えていた私は、断れる空気を最初からまったく感じなかった。背中では子が泣き始めていて、用紙の細かい字を読む余裕などない。

会費の金額や役員制度の説明はほとんどなく、用紙の最後にサインだけして帰ってもらった。「みんな」という言葉の前では、新参者の質問は無意味だと察しがついた。あとから掲示板で総会の議事録を読んでも、自治会の脱退規定は1行も見当たらなかった。

翌年に回ってきた役員

その年は会費を払うだけで済んだ。だが翌春、また同じ自治会の当番が訪ねてきて、今度は予想以上に重い話を切り出してきた。

「順番だから、今年はお願いね」

引き継ぎ用のファイルを玄関先で渡され、4月から1年間の役員業務を引き受けることになった。

回覧板の管理、共有スペースの清掃当番表、年4回のイベント手伝い、毎月の集金。妊娠中も挨拶程度しかしてこなかった私に、上の世代の役員たちは「順番だから断れないよ」と笑った。育休明けの予定や下の子の月齢を伝えても、年度の名簿表は変えられないと押し切られてしまった。

夫は転勤族で出張も多い。乳児の生活リズムに合わせて動く毎日に、回覧板を1日で次の家へ回すルールや、平日午前の清掃当番が重なってきた。子をベビーカーに乗せたまま掃除した朝が何度もあった。

みんな同じを求める空気

役員仲間は社宅古参の40代後半から50代が中心で、専業や子が大きい家庭が多かった。

雑談の主題は配偶者の役職、社宅内の序列、近所の噂話。乳児がぐずると「うちの頃は連れてこなかったよ」とやんわり言われ、欠席の連絡を入れれば「みんな出てるから」と返ってくる。会議の延長で夕食の支度が遅れた夜は、子の食事も入浴も後ろにずれた。

誰も悪意があるわけではないのは、わかっていた。長年「みんな同じ」を守ってきた人たちにとって、その通例が暮らしの安心の核なのだろう。それでも、乳児を抱えた30代の私にとっては、出産直後よりも社宅特有の同調圧力が体力を削っていく1年だった。

助け合いがある反面、足並みを乱す存在に過敏すぎる集まり。任期を終えて引き継ぎノートを次の家に渡した日、玄関を閉めながら長く息を吐いた本音が残った。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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