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一目惚れした男性に猛アタックし、曖昧な態度を都合よく受け止めて暴走! そんな一方的な愛が招いた悲劇とは?【書評】

  • 2026.6.7

【漫画】本編を読む

『安達さんはワタシのことが好き』(リアコミ:原作、友田よね:漫画/KADOKAWA)は、タイトルから受ける印象を裏切る作品だ。描かれているのは甘い恋愛ではなく、ヒリヒリとした「勘違い」と「独りよがりな愛」の物語だ。

主人公・玲香は、社長令嬢で何不自由なく育った女性。中途入社してきた安達恭介に一目惚れしたことをきっかけに、彼女の世界は一気に彼中心へと傾いていく。安達がバツイチのシングルファーザーだと知った玲香は「彼は大変な思いをしている」「私が幸せにしてあげなきゃ」と強く思い込む。献身的な優しさに見えるが、しかしそれは相手の事情を無視した、一方通行の感情だ。例えば、玲香が好意を伝えた際の安達のやんわりとした拒絶を「受け入れられた証」と受け取るなど、この「都合のいい解釈」が積み重なることで、実情とのズレがどんどん大きくなっていく。

恋人でもないのに「恋人のつもり」で振る舞い、暴走する玲香。安達のプライベートに「良かれと思って」踏み込む姿はほとんどストーカーなのだが、玲香自身には悪気がまったくない。むしろ「愛する人のために尽くす自分」に陶酔しているように見えて不穏さを際立たせる。やがてその歪んだ愛は安達の子どもをも巻き込みながら、引き返せないところまで踏み込んでいく。安達の戸惑いや恐怖に共感しながらも、玲香の止まらない感情の行方から目が離せなくなる。

玲香のように突き抜けた人とは出会いたくないものだが、振り返ってみると、相手の気持ちを自分に都合よく解釈したり、「こうすれば喜ぶはず」と押し付けたりしたことはないだろうか。その好意は本当に相手のためのものなのか。それともただの自己満足なのか。玲香の暴走を見ながら、自分の感情や行動を振り返ってしまう作品だ。

文=ちゃむ

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