1. トップ
  2. ファッション
  3. ジュリアン・マッケイさん、世界で日本にだけファンクラブを設立「皆さんはすでに僕の人生の一部です」

ジュリアン・マッケイさん、世界で日本にだけファンクラブを設立「皆さんはすでに僕の人生の一部です」

  • 2026.6.3

“バレエ界の貴公子”と称されるジュリアン・マッケイさんは、高い技術に裏打ちされた繊細かつダイナミックな表現と麗しく端正な容姿、明るくフレンドリーな人柄で、来日のたびにファンを増やし、魅了している米国人ダンサー。バイエルン国立バレエのプリンシパルとして活躍し、世界各地のバレエ団への客演はもとより、ファッション界等からも熱い注目を集めています。今年2月には、写真家の実弟ニコラスさんと作った会社で企画から立ち上げたプロデュース公演、ジュリアン・マッケイ&フレンズ バレエ・ガラ『アート・オブ・ダンス』を東京で初開催し、公式ファンクラブも設立しました。世界を飛び回る人気ダンサーの日本へ寄せる思いをお届けします。

▼あわせて読みたい

――今年2月にジュリアンさんの公式ファンクラブが日本で誕生しました。他の国にもあるのですか?

いえ、日本だけです。日本のファンの皆さんは、いつも本当に熱心に公演を観に来てくださるので。ファンレターもたくさんいただきますし、公演後にはいつも長い列を作って、僕が劇場から出てくるのを待っていらっしゃる。それで僕も、だんだんファンの方のお顔がわかるようになってきて、さらにファンの方同士が仲良くなっていることにも気がついたんです。だったら、このアートと時間を通して生まれた素敵な関係を一つの形にして、もっとコミュニケーションをとっていけたらなと。
僕にとって、もはや日本のファンの皆さんは、たとえば何か嬉しいことがあった時に「あ、知らせなきゃ」と思うような、大切な友達みたいな存在です。振り返ってみると、ファンの皆さんは既に僕の人生の旅の一部であり、歴史の一部になっていると感じます。皆さんは意識していないかもしれませんが、僕の成長を見守ってくださっている。僕も皆さんが時を経て変化していくのを見守っていけたらなと思います。

――ファンの皆さんの出待ちの列の長さには毎回本当に驚かされます。それはもちろん、ジュリアンさんが丁寧に対応されるからだと思いますが、汗が冷えてジュリアンさんが風邪を引くのではと、いつも心配にもなります。

ファンの皆さんも寒いところに一緒にいてくださるので、大丈夫です。僕が子どもの頃に憧れていた、上の世代のダンサーの方たちがそんなふうに接してくださったので、自分としては当然のことだと思ってやっていますし、そういう時間も僕にとっては大切なんです。

――日本の観客と他の国の観客の違いは、どういうところにあると思われますか?

弟のニコラスともいつも、何が違うのかな?と話しているんですが、まず日本の文化そのものが他の国とはだいぶ違うと思いますし、日本の観客の皆さんは、一人一人がダンスという表現を本当に楽しんでくださるアーティストだいう風に考えています。目の前で行われているパフォーマンスの価値を、すごく理解してくださっていると僕は感じていて。だからこそ今回『アート・オブ・ダンス』という新しい公演を東京で初演できたことは、とても意味がある嬉しいことでしたし、自分の新しいソロ作品『アヴァランチ(=雪崩)』を日本で最初に観てもらうことが重要でした。日本のファンの皆さんからのサポート、愛、思いやりは、僕にとって本当に大切なものなので。

――その『アヴァランチ』を観て、トップクラスのバレエダンサーであり続けることの大変さを改めて感じました。日々の鍛錬はもちろん、いろいろな葛藤や痛みがあるのだなと。

そうですね。プリンシパル・ダンサーとしていろいろな舞台に立つプレッシャーは、皆さんが思っている以上かもしれません。毎ステージそれを克服しながら踊る人生は、本当に『アヴァランチ』の歌詞と重なります。“自分が何者であるのか”というところもそうですし、雪崩にただ飲み込まれるのではなく、それを自分で乗りこなして生きていくことも描かれている楽曲なので。

――『アヴァランチ』を創り、初演したことで、ご自身にはどんな変化がありましたか?

バレエダンサーとして、明らかに次の章に入ったと感じています。モスクワのボリショイ・バレエ・アカデミーに入り、そこからキャリアを重ねながら、1章1章を作ってきたわけですが、ここからまた新たな章が始まるんだなと。自分自身をバレエに捧げて、日々ダンスを学び、ダンスに集中することで、人生についても学び、人としても成長できているような気がしています。まだまだ学ばなければいけないことはたくさんありますし、新しい章ではどんなストーリーが待っているのか楽しみです。

――これまでの章=キャリアをまとめた、写真集を出す計画もあったりするのでしょうか?

本当は2月の来日に合わせて出したいと思っていたんですが、『アート・オブ・ダンス』の準備とファンクラブの立ち上げで時間が全くなくて、実現できませんでした。ただニコラスとは、そういうものを出してもいい時期じゃないかなという話はしています。いつも僕のそばにいてくれて、良い時も大変な時も全て撮って記録してきたニコラスの写真が本当にたくさん溜まってきているので、それを何か形にできないかなと思っています。

――バレエを始めてみよう、あるいは、お子さんにバレエを習わせたいと思っている方に向けて、アドバイスをお願いします。

大切なのは、どれだけ献身的に力を注ぐかだと思います。楽しんでやるのもいいと思いますが、1時間とか1.5時間のレッスンであれば、その間はもう本当に集中してバレエに取り組んでください。そうすれば、そのバレエクラスを終えた時に、やり遂げられた喜び、達成感を感じられると思います。
プロを目指す方は、毎日とにかく献身的にレッスンすることです。学校の勉強や試験があると、毎日続けるのは大変かもしれませんが、人間の体は寝ると固まってしまいます。起きたらバレエクラスで体を動かして、勉強して、しっかり寝て、で、起きたらバレエクラスでレッスンして……というふうにやっていく中で、少しずつ進歩していくものなので、続けていけばきっと笑顔になれますよ。

――そういえば、今年2月の来日時には、バレエの公開レッスンも行ったそうですね。

はい。初の試みとして、普段のレッスンを200人ぐらいの方に見てもらいました。僕の初めての先生、ミハイル・シヴァコフ先生に来ていただいたんですが、先生が話されるいろいろなことや、指導されることを、見学の皆さんがものすごく集中して聞いたり、見たりしてくださって。こちらも刺激になりましたし、お互いにいいところを見つけることができて、とてもいい機会になりました。僕がシヴァコフ先生に会ったのは5~6年ぶりぐらいだったんですが、先生からは「すごく真面目になりましたね」と言われました(笑)。

――素敵な試みですね。また日本でジュリアンさんの踊りを観るのを楽しみにしています。

ありがとうございます。できるだけ早く、また来日したいと思っています。ファンクラブでのイベントも企画しようと思っているので、日本の皆さん、待っていてくださいね。

ジュリアン・マッケイさんプロフィール

Julian MacKay/バイエルン国立バレエのプリンシパル・ダンサー。米国モンタナ州出身。11歳でモスクワのボリショイ・バレエ・アカデミーに入学し、米国人として初めて全コースの修了証を取得。17歳で『白鳥の湖』ジークフリートにてプロデビュー。ロイヤル・バレエ、ミハイロフスキー劇場バレエ、サンフランシスコ・バレエ等でキャリアを積む。Kバレエ トウキョウといった外部のバレエ団への客演のほか、弟ニコラスとともにマッケイ・プロダクションズを設立し、映像制作やプロデュース公演も手掛ける。また、カルティエおよびドン・ペリニヨンより「フレンド・オブ・ザ・メゾン」に選出されるなど、芸術、ファッション、メディアの領域を横断して活躍中。
https://www.mackayproductions.com/

●クレジット
取材・文/岡﨑 香 スタイリスト/押見陽子 メーク/石田弥仙 撮影/Nicholas MacKay(MacKay Productions)
協力/ホテルニューオータニ(東京) 山川徳久事務所

おすすめ記事はこちら

元記事で読む
の記事をもっとみる