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数百万円の振り込み依頼をする客「個人的な用事だから早くして」→銀行員が“詐欺被害”を疑ったワケ

  • 2026.6.30
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。くまえり銀行員です。

今日は、窓口で送金手続きをする際によく聞かれる、

「どうしてそんなに細かく聞くんですか?」

というお話をしたいと思います。

送金先の名前、送金する理由、お金の使い道、相手との関係性。

お客様の中には、

「自分のお金なのに、なぜそこまで説明しなければならないの?」

と不快に感じる方もいらっしゃいます。

実際、窓口では

「早く振り込んでほしいだけなんだけど」
「そんなことまで話さなきゃダメ?」

という反応をいただくことも少なくありません。

ですが銀行員は、単なる好奇心で聞いているわけではありません。

むしろ、本当に怪しい取引ではないかを必死に確認しているのです。

「急いでいる」が増えると、実は警戒モードになる

ある日、高額な振込を希望されたお客様がいました。

金額は数百万円

窓口で送金理由を確認すると、「ちょっと個人的な用事だから」とだけ回答されます。

送金先との関係を聞いても、「知人です」

送金目的を聞いても、「大丈夫だから」

と詳細を話そうとされません。

さらに、

「急いでいるので早くしてください」

と何度も促されました。

もちろん、本当に急いでいるお客様もいます。

しかし銀行員の立場からすると、

送金理由を曖昧にする。質問を嫌がる。異常に急ぐ。

こうした要素が重なると、確認を慎重に進める必要が出てきます。

なぜなら近年、特殊詐欺や投資詐欺、ロマンス詐欺などで高額送金を求められるケースが増えているからです。

金融機関には、お客様の大切な資産を守るため、取引内容を確認する責任があります。

「隠しているつもり」でも意外と伝わってくる

窓口対応をしていると、不思議なことがあります。

お客様自身は平静を装っているつもりでも、長年接客していると違和感が伝わってくるのです。

例えば、

質問のたびに回答が変わる。
送金理由を聞くたびに説明が曖昧になる。
スマートフォンを何度も確認する。
誰かから指示を受けているような様子が見える。

もちろん、それだけで詐欺と決めつけることはありません。

しかし実際に後から振り返ると、「あの時の違和感は正しかった」というケースもあります。

特に最近はSNSを通じた投資勧誘や副業勧誘、恋愛感情を利用したロマンス詐欺などが増えています。

「絶対に利益が出る」
「今日中に振り込まないと権利がなくなる」
「手数料を払えば出金できる」

こうした言葉で送金を急がされる被害は後を絶ちません。

だからこそ、銀行員はお客様を疑っているのではなく、お客様自身を守るために確認しているのです。

実は警察に連絡することもある

ここは意外と知られていない銀行窓口の裏側かもしれません。

送金理由を何度確認しても説明いただけない場合や、話の内容が何度も変わる場合、あるいは周囲のお客様にご迷惑がかかるほど怒号が続く場合があります。

そのようなケースでは、銀行だけで判断を進めず、近隣の交番や警察署へ連絡し、警察官に来ていただくことがあります。

「大げさでは?」

と思われるかもしれません。しかし銀行員からすると、

本当に詐欺被害に遭おうとしているのではないか。
誰かに指示されているのではないか。
冷静な判断が難しい状況なのではないか。

そうした可能性を考えています。

実際に金融機関と警察は連携しながら特殊詐欺被害の防止に取り組んでいます。

実は銀行員が少しホッとする瞬間

反対に、確認がスムーズに終わるケースもあります。

「子どもの留学費用です」
「住宅購入の頭金です」
「親族への資金援助です」

こうした説明を具体的にしていただけると、取引内容が把握しやすくなります。

必要に応じて資料を見せてくださる方もいます。

銀行員としては、「ありがとうございます」と心の中で思っています。

確認作業はお客様にとって手間かもしれません。

ですが、その数分のやり取りによって大切な資産を守れることもあります。

実際、送金手続きの途中で詐欺被害に気付き、被害を未然に防げたケースも少なくありません。

銀行からの質問には理由がある

窓口で質問が増えると、「面倒だな」と感じることもあると思います。

ですが銀行員は、お客様を困らせるために聞いているわけではありません。

その送金が本当にお客様自身の意思によるものなのか。
誰かにだまされていないか。
不正な取引に巻き込まれていないか。

そうした確認を行っています。

もし窓口で送金理由を聞かれたら、できるだけ具体的に伝えてみてください。

その一言が、手続きをスムーズに進めるだけでなく、ご自身の大切な資産を守ることにもつながります。

銀行員は送金を止めたいのではありません。

そのお金が安全に、そしてお客様の本当の意思で動くことを確認したいだけなのです。


ライター:くまえり銀行員

金融機関の窓口業務に携わり、日々さまざまなお客様対応を経験。忙しい日常の中で起こりがちな銀行手続きの行き違いやトラブルを、窓口の内側から見た視点で、読者に寄り添いながら伝えています。「知らなかった」が「なるほど」に変わる瞬間を大切に執筆中。


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