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「スマホでメモとかありえない」新入社員に指導したつもりが…→同僚の言葉に“ハッとした”ワケ【キミのため文庫】

  • 2026.7.8
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ショートドラマで本との出会いを届けている「キミのため文庫」の『一度立ち止まって、相手の『靴』を履いてみること』は、スマホでメモをとる後輩を注意した女性社員が、一冊の本との出会いをきっかけに相手の立場について考えていく作品です。

※本記事の内容はフィクションです。

一度立ち止まって、相手の『靴』を履いてみること #ショートドラマ

“スマホにメモ”価値観の違いで意見が対立

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@kiminotame_bunko

「社長が話してるのに、なんでスマホいじってたの?」

社長との会議が終わったあと、新実は新人の小夏にそう問いかけます。

しかし、小夏は一向に気にしていない様子。

「メモを取っていただけですよ?」

それでも新実は続けます。

「いや、新人がスマホでメモとか常識的にありえないから」

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小夏は笑顔で答えます。

「えぇ…今時の子はみんなやってると思いますよ?そもそも手書きじゃ追いつけないですし、まだタイピングも慣れてなくて」

困惑した様子の新実。

「いや、そういう問題じゃない」

すると小夏は、さらに言葉を続けました。

「それに、スマホの方が共有しやすいじゃないですか!」

新実はきっぱりと言い返します。

「便利かどうかは関係ない、私は見栄えの話をしてるの」

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そんな2人のやり取りを、社長が扉の向こうから眺めていました。

「それに百歩譲って、スマホでメモ取るのがいいとして、普通一声かけるとかするでしょ?」

新実はさらに続けます。

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小夏は少しも動じる様子はありません。

「いや〜、小夏にとってはスマホでメモ取ることが普通のことだったんで、そこは気にしてなかったです」

「学生気分は捨てて」指導したつもりがまさかの展開に…

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小夏は、自分の考えを説明します。

「大学の講義中もバイト中も、スマホで普通にメモ取ってましたし」

新実は真剣な表情で言います。

「それは学生のときの話でしょ?」

「はい」

「あのね、学生と社会人じゃ全然違うの。いつまでも学生気分でいたらこの先社会でやっていけないよ?」

新実が少し強い口調で注意しました。

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そのとき社長が部屋に入ってきて、二人のやり取りを止めるように口を開きました。

「新実、その辺にしとけ。小夏、仕事に戻っていいぞ」

そう言われた小夏がデスクへ戻ると、社長は新実に向き直ります。

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「新実、新実が思ってる常識を相手がすんなり受け入れられないことだってあるんだぞ?自分の主張だけを押し付けるな、わかったな?」

新実が納得いかない様子ながらも返事をします。

「はい」

「じゃあ仕事戻って」

社長はそれだけを告げ、その場を後にします。

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(正しいこと言ってる私が、なんで怒られなきゃならないの)

納得できない新実は、その場に立ち尽くしたまま複雑な思いを抱えるのでした。

渡された一冊の本「他者の靴を履く」という考え方

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その日の夜、新実が会社で残業をしていると同僚が声をかけてきました。

「さっき社長にめちゃくちゃ怒られてたね」

突然の言葉に、新実は少しむっとした表情を浮かべます。

「は?別に怒られてたわけじゃ…」

新実が否定するものの、同僚は気にする様子もなく続けました。

「でもさ、新実さんが言いたいこともわかるよ。マナー的には一言かけるべきだったしね」

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「だよね!私はただ社会人の常識を教えようとしただけ」

同僚はうなずきます。

「そう!めっちゃ正論!まごうことなき正論!」

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しかし、そのあと表情を少し引き締めて続けました。

「なんだけどさ、新実さんも小夏さんの『靴』を履いてみるべきだったかもね」

「靴…?」

眉を潜める新実に同僚は小さく頷き、自分のデスクから一冊の本を手に取り新実に差し出します。

その本のタイトルは『他者の靴を履く』。

相手の立場に立って物事を考える「エンパシー(共感)」をテーマに、心理学や哲学などさまざまな視点から、人との向き合い方を紐解いた一冊です。

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「イギリスのことわざで他人の立場に立って、物事を考えること」

そう説明され、新実は自分に向けられた本に視線を落とすのでした。

相手の「靴」を履いてみることの大切さ

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「小夏さんには小夏さんのスマホを使う『正しい理由』があったのかもよ。一回この本を読んで相手の靴を履いてみなって」

新実は、静かに本を受け取ります。

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「意見が食い違っても、イライラしなくなるからさ」

同僚はさらに優しく言うと、席を立って帰っていきました。一人になってからも新実は、本の表紙を眺めるのでした。

そして後日ーー。

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「今日の会議、小夏さんに議事録お願いしてもいい?」

新実が声をかけると、小夏はスマホの画面を新実に見せて答えます。

「もちろんです!」

その様子を見た新実も笑顔でうなずき、2人は穏やかな雰囲気のまま仕事を進めていきました。

ーー自分の正論は他の人にとって当たり前じゃないかもしれない、一度立ち止まって相手の『靴』を履いてみることーー

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その大切さを『他者の靴を履く』という、一冊の本が教えてくれたのでした。

相手の靴を履いて考えてみよう!

人は、自分の常識を「世間の常識」だと思い込んでしまうことがあります。しかし、その常識は相手にとっても当たり前とは限りません。

視聴者からは「小夏さんは相手の靴を履かなくていいんですか」「伝え方をもう少し柔らかくしたらよかったのかも?」といった声がありました。

仕事に限らず、人間関係では相手の立場や背景を理解しようとする姿勢が大切。一度立ち止まり「相手の靴を履く」ことで、すれ違いを減らしより良い関係を築いていけるのではないでしょうか。

※本記事の内容はフィクションです。

紹介作品

コンテンツ提供協力

ショートドラマで彩る、本との出会い。文庫本を開くような軽やかさで、次の一冊と気軽に出会える場所を。あなたの心に効く傑作が見つかりますように。

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