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わずか12歳で“トップの座”を掴んだ『別格の美少女』 4年前、日本中をクギヅケにした“国民的女優”に「天才」「無敵の美しさ」

  • 2026.5.23

画面に登場するだけで、その場の空気を一瞬にして変えてしまう。役者としてのプライドを懸けた圧巻の演技は、時に観る者の心を大きく揺さぶるほどの力を持っています。今回は、そんな“桁違いの名演で魅せ続ける逸材”をテーマに、5名をセレクトしました。

本記事ではその第3弾として、川口春奈さんをご紹介します。ティーン向けファッション誌で脚光を浴びた初期のイメージを大きく塗り替え、日本中を感動の渦に巻き込んだ大ヒット作で圧巻の名演を見せた川口さん。彼女が役柄に注ぎ込んだ並々ならぬ誠実さと、その結果として辿り着いた唯一無二の表現力の凄みに迫ります―。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

ティーンのカリスマから国民的俳優へ

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「三井のリハウス」13代目「リハウスガール」発表 川口春奈(C)SANKEI

1995年2月10日、長崎県に生まれた川口春奈さん。彼女のキャリアのスタートは、2007年にティーン向けファッション誌『nicola(ニコラ)』の“第11回モデルオーディション”でわずか12歳でグランプリを獲得し、専属モデルとしてデビューしたことでした。圧倒的なカリスマモデルとして同世代から絶大な支持を集めた後、2009年にドラマ『東京DOGS』で俳優デビューを果たします。

川口さんの瑞々しい存在感とお芝居への適応力はすぐに注目を集め、2011年にドラマ『桜蘭高校ホスト部』で連続ドラマ初主演を果たし、翌2012年の映画版でも主演を務めるなど、着実にステップアップを重ねていきます。その後も多くの映画やドラマでヒロインに抜擢され、NHK大河ドラマ『麒麟がくる』(2020年)では織田信長の正妻となる帰蝶(濃姫)役を熱演し、お茶の間で愛される俳優としての地位を確立しました。

ドラマ『silent』で魅せた等身大な姿

日本中に大きな感動の渦を巻き起こし、社会現象となった作品が、川口さんが主演を務めた2022年放送のドラマ『silent』です。主人公・青羽紬(川口春奈)が、突如として別れを告げられたかつての恋人・佐倉想(目黒蓮)と再会し、現実を乗り越えながらも寄り添い合う切なくも温かいラブストーリー。“東京ドラマアウォード2023”では作品賞<連続ドラマ部門>優秀賞をはじめ、6つの部門で賞を獲得。SNS上でも「1話から傑作」「いつ観ても傑作」「文句無しに大傑作」といった絶賛の声が集まり、ドラマ史に残る名作となりました。

本作において川口さんは、耳が聞こえなくなった想と向き合い、戸惑いながらも真っ直ぐに想いを伝える紬という難役を好演。特に、想と再会して喜びをあらわにしたのも束の間、声が届かないことを知って切なさや悲しみがあふれ出す第1話で魅せた表情の変化は圧巻の一言。そんな川口さんは、「第114回ザテレビジョンドラマアカデミー賞」で主演女優賞を受賞した際のインタビューで、自身の芝居における心構えについてこのように語っています。

私は「こう見せよう」という計算ができないタイプで、本当に感じたままに演じるので、現場で初めて役として切なかったり悲しかったりという表情になるんです出典:『第114回ザテレビジョンドラマアカデミー賞 主演女優賞 受賞インタビュー』WEBザテレビジョン 2023年2月21日配信

事前にキャラクターの心情を深掘りするのではなく、現場に立って初めて生まれる感情をそのまま体現することで、圧倒的なリアリティが生まれた川口さんの名演。自分自身の心を嘘偽りなく役に投影できる高い演技力と、飾らない素直な性格があるからこそ成せる業と言えるでしょう。川口さんの演技に対し、SNS上では「心持ってかれる」「反則級」「天才」「無敵の美しさ」「演技力すげぇ…」といった感嘆の声が続出。本作の出演によって、作品に奥深さをもたらす実力派俳優であることを更に強く証明しました。

瑞々しいヒロインからミステリアスな女性まで多彩に演じ分けた代表作

川口さんのキャリアは、自身の成長とともにさまざまな人間模様を映し出す傑作によって紡がれています。

ドラマ『金田一少年の事件簿N(neo)』(2014年)

人気ミステリーシリーズにて、ヒロイン・4代目七瀬美雪役を好演。主人公の幼馴染として、ハツラツとした魅力と抜群の安定感で作品を支え、知名度をさらに広げる重要なきっかけとなりました。

大河ドラマ『麒麟がくる』(2020年)

NHK大河ドラマにて、織田信長の正妻となる帰蝶(濃姫)役を担当。急遽の代役抜擢という大きなプレッシャーがかかる過酷な状況ながら、芯が強く聡明な女性像を堂々と演じきり、役者としての評価を不動のものにしました。

ドラマ『着飾る恋には理由があって』(2021年)

インフルエンサーとしても活動する主人公・真柴くるみ役を熱演。SNS上での「着飾る」自分と、「ありのままの自分」との間で葛藤しながら成長していく等身大のヒロインを瑞々しく表現し、同世代から多くの共感を呼びました。

ドラマ『ハヤブサ消防団』(2023年)

池井戸潤さんの小説を原作としたミステリー。物語の鍵を握る謎めいた映像ディレクター・立木彩役を演じました。これまでの爽やかなイメージとは一線を画す、誰にも言えない秘密を抱えた陰のある役柄に挑戦し、新たな新境地を開拓しました。

10kg減量の覚悟と飽くなき挑戦

ドラマ『silent』での爆発的な社会現象を経て、トップ俳優の座を確固たるものにした川口さん。しかし彼女は、これまでの成功に甘んじることなく、さらに過酷な挑戦へと身を投じています。

2025年には、松村北斗さんと初共演したドラマ『アンサンブル』で現実主義の弁護士・小山瀬奈役を演じ、地上波日本テレビ系の連続ドラマにおいて初の主演を達成。同年11月には配信ドラマ『スキャンダルイブ』で柴咲コウさんと対峙する敏腕記者・平田奏役を演じ、緊迫感あふれる頭脳戦で新境地を見せました。

そして2026年10月2日公開予定の映画『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』にて、主演の遠藤和役を務めることが決定。21歳でステージIVの大腸がんを宣告され、24歳で息を引き取った女性の実話に基づく本作において、川口さんはなんと10kgの減量を敢行。過酷な運命に抗いながらも、我が子への愛を遺してこの世を去った女性の半生を、並々ならぬ覚悟で体現します。

計算を捨て、常に生身の感情で役にぶつかってきた川口春奈さん。その誠実なお芝居への姿勢は、今や自らの肉体をも追い込んで役を宿す強靭な覚悟へと進化を遂げました。これから先、どのような芝居を私たちに届けてくれるのか、期待は高まるばかりです。


ライター:天木拓海
映画・アニメ・ドラマなど、エンタメ作品を観ることを趣味としているライター。エンタメ関連のテーマを中心に、作品考察記事/コラム記事などを手掛ける。

※記事は執筆時点の情報です

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