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母親が嫌いなまま成長した人の特徴とは。どんな生きづらさが出やすい?

  • 2026.4.6

母親のことが好きになれないまま大人になった方は、決して少なくありません。

親子関係は、その後の人間関係や自己肯定感に大きく影響すると言われています。母親との関係が悪いまま育った人にはどのような特徴が見られやすいのでしょうか。

母親を嫌いなまま育った人に見られやすい心のパターンや、大人になってから現れやすい生きづらさについて、臨床心理士で公認心理師、一般社団法人マミリア代表理事・鎌田怜那さん監修のもと解説します。

母親を嫌いなまま育った人に見られやすい「心のクセ」とは

母親を嫌いなまま育った人には、以下のような「心のクセ」が見られることがあります。これらは「性格の欠点」ではなく自分を守るための適応パターンです。

自分に対して厳しすぎる

母親から十分な承認を得られなかった人は、「もっと頑張らないと認めてもらえない」「このままの自分ではダメだ」という感覚を持ちやすくなります。

その結果、大人になっても自分に対して非常に厳しい基準を設け、少しの失敗も許せない、常に自分を責めてしまうといったパターンが形成されます。

完璧主義になりやすく、心身ともに疲弊しやすい傾向があります。

精神的に負荷がかかってくると、自分に向けていた“完璧主義”を他者にも向けるようになることがあります。それが夫・パートナーであったり、我が子、友人に向けられることがあり「私はこんなに頑張っているのに」「なんでそんなに甘えてるの!?」など、無性に苛立つこともあります。

また、他者からの褒め言葉を素直に受け取れない、良い出来事があっても「自分にはもったいない」と感じてしまうなど、自己肯定感の低さに悩む方も多いです。

人の顔色を過剰にうかがう

母親の機嫌が不安定だった、母親を怒らせないように気を遣い続けた経験を持つため、大人になっても他者の顔色を読むことに過敏になりがちです。

相手が何を考えているか、自分の言動で不快にさせていないかを常に気にしてしまいます。

親密な関係を築くことへの恐れ

「油断すると良くないことが起きる」「期待すると裏切られる」など、親密な人間関係に対して無意識の警戒心を持つことがあります。

そのため、友人やパートナーとの関係が深まりそうになったときに、自ら距離を置いたり、関係を壊すような行動を取ってしまったりすることがあります。

本当は親密な関係を求めているにもかかわらず、近づくことへの恐怖がそれを妨げているのです。

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感情を感じにくい、または感情の波が激しい

母親に感情を受け止めてもらえなかった、感情を表現すると否定されたり罰せられたりした経験が長期間続くと、感情を「感じないようにする」ことを身につけるパターンがあります。

その結果、大人になっても自分の感情がよくわからない、何を感じているのか言葉にできないといった状態になることがあります。これは「感情鈍麻」や「失感情症」とも呼ばれます。

逆に、長年抑え込んできた感情が突然溢れ出し、些細なことで激しく怒ったり、涙が止まらなくなったりするパターンもあります。

「自分が悪い」と思い込みやすい

大人になっても、何かトラブルがあると自動的に「自分のせいだ」と思ってしまう。相手が不機嫌だと「自分が何かしたのでは」と考えてしまう。

本来、責任が自分にない場合でも、無意識に自分を責めてしまうため、心の負担が大きくなりがちです。

助けを求めることが苦手

母親に助けを求めても応じてもらえなかったため、「人に頼っても無駄だ」「自分のことは自分で解決しなければ」と思ってしまい、大人になってからも助けを求められない、弱みを見せることに強い抵抗がある傾向が見られます。

周囲からは「しっかりした人」「自立している人」と見られることもありますが、本人は孤独感や疲弊を感じていることが多いです。

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次:母親とうまくいかなかった人が陥りやすい「つまづきポイント」

【場面別】大人になってこんな「生きづらさ」が出やすいかも!

母親との関係で形成された心のパターンは、大人になってからのさまざまな場面で「生きづらさ」として現れることがあります。

パートナーに過度に尽くしすぎる、距離を置いてしまう

パートナーとの関係で、母親との関係パターンを無意識に繰り返してしまうことがあります。

  • 相手に過度に尽くしすぎる
  • 逆に親密さを避けて距離を置いてしまう
  • 相手の顔色ばかりうかがって自分の意見が言えない
  • 依存的になりすぎる
  • 些細なことで関係を終わらせてしまう など

上司や先輩とうまくいかない

上司や先輩との関係で、母親との関係が投影されることがあります。

  • 権威的な立場の人に対して過剰に萎縮する
  • 評価を気にしすぎて疲弊する
  • 「認められたい」という欲求が強すぎて燃え尽きる
  • 逆に反発心が強く出て衝突してしまう など

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子育てでの生きづらさ

自分が親になったとき、母親との関係の影響がもっとも顕著に現れることがあります。

「自分は母親のようにはなりたくない」と強く思いながらも、気づくと同じような言動をしてしまい、自己嫌悪に陥る。あるいは、「良い母親でなければ」というプレッシャーに押しつぶされそうになる。

子どもへの接し方に自信が持てず、常に不安を抱えている方も少なくありません。

専門家に聞く! 母親との関係が悪いままでも問題ない?

母親を好きになれないあなたへ

長く痛みを抱えてきたあなたへ

長く痛みを抱えてこられましたね。

子どもは本来、母親を無条件に愛そうとする存在です。たとえ望んだ反応が得られなくても、母親を責めるのではなく「自分に原因がある」と考える——それはとても自然な心の働きです。

「好き」の裏側にある感情

成長するにつれて、他の大人との関わりを通して気づく瞬間が訪れます。

「どうしてお母さんは……?」そんな疑問や怒りが湧き始め、“好き”の裏返しとしての“好きじゃない”“嫌い”という感情が芽生えていきます。

「どうしてあの時、守ってくれなかったの?」「一生懸命だったのに、見てくれなかった」

こうした気持ちを抱えながら原因を探ることは、子どもにとってとても難しいことだったはずです。

自分を愛しにくい理由

自分を大切にすることや、認めること、愛することが難しい——その背景には、未消化の怒りや悲しみが影響していることがあります。「母親を好きになれない」という気持ちの奥には、大好きだったのに、好きでいたかったのに、どうして愛してくれなかったの? という、深い傷つきが隠れています。

言葉になる前の傷つき

乳幼児期の早い段階での傷は、自分でも理解できない感情として残ることがあります。

たとえば、以下の背景に、「言葉を話す前の自分」の体験が関係していることもあります。

  • 原因のわからない体調不良
  • 特定の人や状況への強い嫌悪感
  • 結婚や出産をきっかけに崩れる心身のバランス
心は「あの頃」に戻る

時間を戻すことはできません。しかし、心は一瞬で“あの頃”に戻ります。不調やざわつきを感じたときは、こう気づいてみてください。

「いま、あの頃の自分に戻っているのかもしれない」

そして問いかけてみてください。

「私は何が嫌なの?」

あの時の“自分”がしてほしかったことを、今のあなたがしてあげてください。あなた自身が“お母さん”となって、心の中で泣いている自分を抱きしめてあげてください。

あなたの感情は正当なもの
  • 無視された
  • 大切にされなかった
  • 認めてもらえなかった
  • 我慢ばかりだった
  • 否定された
  • 傷つけられた

これらの感情は、すべて正当なものです。怒りや失望、やるせなさを感じることは、決してあなたのせいではありません。

「気づけたこと」は大きな一歩

これらの感情に気づけたこと自体が、とても大切な一歩です。気づけたときは、自分を労い、小さくてもいいのでご褒美をあげてください。

母親を理解できる日もある

大人になった今、母親の立場や苦労を理解できる場面もあるかもしれません。

「求めたものはもらえなかったけれど、母も大変だったのかもしれない」そう思えることもあるでしょう。

ただし、それは“今の自分だからこそできる理解”です。当時のあなたには、知ることのできなかったものです。

言葉にするという選択

今は大きな問題がない関係でも、どこか安心できないと感じる場合——それは「あの頃の自分」がまだ許せていないサインかもしれません。

その気持ちを伝えることも、一つの選択です。

「覚えていない」「そんなつもりはなかった」そう返されることもあるでしょう。それでも、“あの頃の自分のための伝言”として伝えることには意味があります。

距離をとることも選択肢

関係を続けること自体が難しい場合もあります。それを認めることは、とても苦しいことです。

それでも母親を好きになれないことを、もう自分で責める必要はありません。

母親とあなたは別の存在です。満たされないことがあるのは自然なことです。

あなたの人生を選んでいい

あなたは、自分の人生を選び、幸せになっていい存在です。

どんな人生を送りたいですか? どんな自分でありたいですか?

もう、母親の許可は必要ありません。あなたが選んだ道を進んで大丈夫です。あなたには、“あなた自身”という母親がいます。

これからは、自分で自分を育てていくことができます。

介護や現実の問題と向き合うとき

母親の介護や死に直面すると、葛藤や罪悪感が強まることがあります。

「世話をするべき?」「でも怒りが消えない」そんな揺れる気持ちは、とても自然なものです。

対処としては、きょうだいと役割を分担する、福祉サービスを調べておくといった現実的な準備も助けになります。

そして、「私はできません」と伝えることも、決して“悪い娘”ではありません。

苦しみを次の世代へつなげないために

抱えてきた怒りや悲しみは、無意識のうちに次世代へ引き継がれることもあります。しかしその連鎖は、あなたの代で終わらせることができます。

最後に

あなたと、あなたが大切にしたい人たちが、穏やかに過ごせるように。まずは、自分を大切にする時間を持ってください。そして、この重い感情はひとりで抱えなくていいものです。

信頼できる誰かに話してみてください。必要であれば、専門家の力を借りることも選択肢です。

あなたはひとりではありません

ここから先は、もうひとりで抱えなくていいのです。

「親からの愛情不足で育った大人」の特徴とは。こんな問題行動や思考の偏り、ありませんか?

監修者プロフィール

鎌田怜那(かまだ・れいな)

一般社団法人マミリア代表理事。臨床心理士、公認心理師。
【所属学会・協会】
・日本臨床心理士会
・日本公認心理師協会
・日本心理臨床学会
・日本アタッチメント育児協会
公式サイト https://mamilia.jp/

<Text:外薗 拓 Edit:MELOS編集部>

 

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