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「いい人そう」が一番怖い…「あんな男の何がいいんです?」いい人の“裏の顔”にゾッ…執着じみた片思いの恐怖【作者に聞く】

  • 2026.4.6
明るくて人当たりも良く、すぐにバイト仲間とも馴染んだキャメ。しかしここから徐々に変貌していき、マヨを恐怖に陥れる…。 画像提供:ネギマヨ
明るくて人当たりも良く、すぐにバイト仲間とも馴染んだキャメ。しかしここから徐々に変貌していき、マヨを恐怖に陥れる…。 画像提供:ネギマヨ

「いい人っぽい」「感じがいい」と周囲に思われている人ほど、厄介な本性を隠していることがある。そんな“外面のよさ”が逆に恐ろしく見えてくるのが、ネギマヨさんによる作品「変態の憂鬱~写真を撮ってあげる」である。一目惚れを公言し、物腰も柔らかいバイト先の新人男性が、次第に不穏な言動を見せ始める展開に、じわじわと背筋が冷える。

実体験ベースで描かれる、身近に潜む“怖い人物”

「変態の憂鬱~きみの写真を撮ってあげる~」1話(01) 画像提供:ネギマヨ
「変態の憂鬱~きみの写真を撮ってあげる~」1話(01) 画像提供:ネギマヨ
「変態の憂鬱~きみの写真を撮ってあげる~」1話(02) 画像提供:ネギマヨ
「変態の憂鬱~きみの写真を撮ってあげる~」1話(02) 画像提供:ネギマヨ
「変態の憂鬱~きみの写真を撮ってあげる~」1話(03) 画像提供:ネギマヨ
「変態の憂鬱~きみの写真を撮ってあげる~」1話(03) 画像提供:ネギマヨ

Instagram(@negimayo3)とブログ「ここはネギマヨ荘」で、自身や身近な人の体験をベースにした漫画を発信している2人組クリエイター・ネギマヨ(@negimayo3)さん。ネギさんが作画、マヨさんが原作と塗りを担当し、家庭内トラブルやストーカー被害、身近に潜む“強烈な人”を描いた作品で注目を集めている。

「変態の憂鬱~写真を撮ってあげる」は、2023年に連載形式で公開されたエピソードで、マヨさんが10代の頃に体験した出来事がベースになっている作品。バイト先に現れた新人男性「キャメ」の一方的な好意と、徐々に露呈していく異様な執着が描かれている。

“感じのいい新人”が見せた、じわじわ怖い本性

一見すると礼儀正しく、愛されキャラのように職場に溶け込んでいったキャメ。仲のよい同僚女性に気がある素振りを見せていたため、マヨさんは相手の許可を取ったうえで連絡先を教えることにする。ところがそこから空気が変わる。勝手に呼び捨てにしてきたり、マヨさんが気になっている相手を「あんな子どもっぽい男の何がいいんです?」と見下すように否定したりと、キャメの“裏の顔”が少しずつあらわになっていく。

感じのいい人ほど厄介…じわじわ見えてくる本性

一見すると明るくて人当たりもよく、職場でも好印象。だからこそ、キャメの不穏さはより際立つ。ネギさんは当時の印象を振り返り、「キャメは私の周りにはいないタイプのヤバい男でキモい!うざい!やばい!と、感情が忙しかったです」とコメント。見た目や振る舞いだけでは危うさが見抜けない怖さが、この作品には色濃く出ている。

一方のマヨさんも、連載後の反響が印象に残っているという。「Instagramで最後のイケ尾君のエピソードについてお怒りをもらいました。『あ、そこなんだ』と、なんかいい思い出になりました。でも実話なので、そこを盛っても仕方ないので……」と語っており、創作として“盛った怖さ”ではなく、実体験ベースだからこその生々しさが作品の芯にあることがうかがえる。

“褒めて落とす”ような支配欲の怖さ

このエピソードのおもしろさであり恐ろしさでもあるのが、単純な片思いでは片付かない、キャメのねじれた執着である。友人がターゲットになるのかと思いきや、そうではない意外な展開にも不気味さがある。

マヨさんは、「キャメはすごくモラハラ気質な性格なんだと思います」と振り返る。当時は「なんではっきりしないんだろう」と混乱していたというが、数年後に似たタイプの人と接したことで、ある種の“型”だったのだと気づいたそうだ。「先にかわいい子をほめて、それでも俺はお前が好き」といった形で距離を詰めてくる人がいることに気づき、「支配欲の強い人のあるあるムーブなんだな」と納得したという。

ネギさんも「どう考えても嫉妬なんてしないのに謎ですよね…。でも私も似たような経験があるのでこの話を聞いてしっくりきました」と話しており、読者にとっても“なんとなく嫌な違和感”として刺さるポイントになっていそうだ。

最後まで“いい人”を演じ切る怖さ

マヨさんは、今回のインタビューで補足できたことにも意味を感じていたようで、「この漫画は怖いシーンメインで描いたのでいろいろ説明を端折った部分があり、今回のインタビューで話せてよかったです」とコメントしている。

さらに、キャメの本当に恐ろしいところについては「最後まで職場の好感度を保ったまま私を悪人にし、私のごく近しい人しか本性を見せなかったところ」だと語る。つまり、問題行動そのもの以上に怖いのは、“周囲にはいい顔をし続けながら、特定の相手だけを追い詰める”構造だったということだ。もし当時、マヨさんに好きな人がいなければ「キャメと付き合う可能性もあったのでしょうが、付き合ったらモラハラ粘着地獄だったと思います」と振り返っており、想像するだけでもぞっとさせられる。

“本人すぎる”キャラ造形にも戦慄

作中のキャメのビジュアルについても、リアルさを裏付けるエピソードがあった。マヨさんはネギさんに対し、「小太りの天然パーマで顔が濃い目。昔はモテていた空気を残すレベルの育ちのよい顔」と指定したという。すると返ってきたキャラクターは、「ちょっと怖いくらい実物そっくり」だったそうだ。

ネギさんも「マヨの指定と私の描く絵がドンピシャすることがまれにあるんですよね。そうすると今度は身バレが心配になるんですが(笑)」と明かしており、笑えるようでいて、そこにもまた妙な生々しさが漂う。愛想のよさや“いい人感”に惑わされる怖さを描いた本作は、恋愛や人間関係に潜む危うさをじわりと突きつけてくる。

取材協力:ネギマヨ(@negimayo3)

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