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最新のペニス研究で「男性のGスポット」の意外な姿が発見された

  • 2026.3.30
最新のペニス研究で「男性のGスポット」の意外な姿が発見された
最新のペニス研究で「男性のGスポット」の意外な姿が発見された / Credit:Canva

スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラ大学(USC)で行われた研究によって、陰茎の感覚は亀頭の裏側にある小さな領域に偏っており、そこが「男性版Gスポット」のような場所を形成していることが示されました。

今回の研究は、昔から「そこが敏感だ」と語られてきた感覚を、気分や体験談ではなく、神経レベルで調べられました。

さらに研究では、その偏りは胎児の時期から作られていく可能性があると記されています。

私たちが“感じやすい場所”は、生まれる前からどのように配線されていくのでしょうか。

研究内容の詳細は2025年9月19日に『Andrology』にて発表されました。

目次

  • ペニスの敏感さを科学する
  • 「男性のGスポット」はどこにあるのか?
  • なぜ「男性のGスポット」は裏にあるのか?

ペニスの敏感さを科学する

最新のペニス研究で「男性のGスポット」の意外な姿が発見された
最新のペニス研究で「男性のGスポット」の意外な姿が発見された / Credit:Canva

性の話題は、つい「経験談」と「思い込み」だけで語られがちです。

そのため、性器の感覚について語る時もたいていは「ここらへんが敏感」と大雑把な話で終わりです。

しかし私たちの体は、目にしても、耳にしても、感じる場所には予想よりも遥かに “配線の濃淡”があります。

陰茎についても古くから先端の裏側の部分が重要であることが囁かれていました。

俗に言う「裏スジ」という領域を含む部分です。

問題は、それが「なんとなくそう感じる」という話にとどまりやすく、神経の構造としてどれほど特別なのかがはっきりしていなかったことです。

理由のひとつは、男性器の敏感さを科学的に調べるのは、単に感想を聞くだけでは難しいということです。

実際に神経がどのように張り巡らされ、センサーがどこに密集しているかを調べるには、顕微鏡を使った細かい組織学的な研究が必要だからです。

これまではそうした研究が十分ではなく、一般的な説明では単純に「亀頭が敏感である」と大づかみに扱われがちでした。

また敏感な部位には一般に神経が高密度に存在しますが、大人の体だけみても「どんなプロセスで神経が集まるのか」がわからない点でした。

大人の体はある意味で完成されており「特定の部分に神経が集まった」という結果は知ることができますが、その前段階の「いつごろ、なぜ、どうやって?」という問いに答えるのは難しいからです。

もしその偏りが本当にあるなら、それは大人になって急にできたのではなく、もっと早い段階、たとえば胎児のころの発育の時期から、神経がそこに向かって集中するような設計になっている可能性も考えられます。

そこで今回研究チームは、胎児期の標本から成人標本まで、男性器の神経の伸び方や集まり方を顕微鏡を使って詳細に観察して敏感と言われている部分の正体に迫ることにしました。

「男性版Gスポット」のような場所は顕微鏡レベルでも存在したのでしょうか?

「男性のGスポット」はどこにあるのか?

最新のペニス研究で「男性のGスポット」の意外な姿が発見された
最新のペニス研究で「男性のGスポット」の意外な姿が発見された / 左の図で表示されている部分が小帯デルタと呼ばれる領域で研究者たちからはしばしば「男性のGスポット」と呼ばれます。この領域は伝統的な「裏スジ」よりもやや広範囲の領域を含んでいます。/Credit:The sensory penis: A comprehensive immunohistological and ontogenetic exploration of human penile innervation

「男性版Gスポット」のような場所は存在するのか?

その答えを探るために、研究者たちはまず、胎児標本30例と成人献体14例の陰茎組織を極めて薄く切り出し、神経の位置をはっきりと浮かび上がらせる特殊な染色で観察しました。

イメージとしては「航空写真の区画を拡大しながら、道路や交差点を一本ずつ確認していく」ような作業です。

たいへんな作業ではありますが、これで「どこにどれだけ神経があるか」をかなり直接的に確かめられるやり方です。

こうして観察を進めていくと、まず胎児の段階で重要な傾向が見えてきました。

胎児の初期では、陰茎の神経は腹側(裏側)に強く集まって、いったん「伸びすぎる」ような状態が見られました。

いわば配線が過剰に引かれている状態です。

その後、発生が進むと今度は逆に、余分な神経が除去されていくと考えられています。

この過程は「神経の刈り込み」と呼ばれ、無駄な配線を減らして効率的なネットワークに作り直す働きがあると考えられています。

つまり陰茎の神経は、最初から完成された配置で生まれるのではなく、いったん増やしてから減らすことで、最適な配置に整えられていくのです。

そして成人の陰茎を調べると、この発生の流れがはっきりと形になっていました。

まず神経束そのものの多さを見ると、亀頭の背外側では中等度から低度にとどまっていたのに対し、「男性のGスポット」としばしば研究者たちが呼ぶ小帯デルタを含む腹側では密度がぐっと高くなり、互いネットワークを作っていました。

次に触覚や軽い振動を感じる「感覚小体」と呼ばれる構造も、他の部分ではまばらに点々と存在することが多かったのに対して、小帯デルタでは集団を作るように並んでいました。

たとえばあるケースでは、ごく狭い範囲に最大17個ものセンサーが集まっていることも確認されました。

こうした密集クラスターは表側の亀頭では見られませんでした。

つまり、小帯デルタの強みは、神経束が多いことと、感覚小体全体が密に集まっていることの両方にあります。

まず俗に裏筋と言われる部分はざっくりと、亀頭と包皮をつなぐ小帯と呼ばれる皮膚の線の周りを刺しています。一方で、今回の小帯デルタは、その小帯そのものだけを指しているわけではありません。小帯を真ん中にして、その左右や少し上まで広がる、裏側の一帯をまとめて指す言葉です。見た目のイメージで言えば、小帯が一本の線だとすると、小帯デルタはその線のまわりに広がる三角形のゾーンです。つまり、「裏筋」は中央の線で、「小帯デルタ」はその線をふくむ周辺のエリアだと考えるとわかりやすいです。

一方で、振動を感じるタイプのセンサーについては、先端の内部だけでなく、球部のような根元に近い部分にも存在していました。

振動などを感じるタイプのセンサーが先端の内部と根元に近い部分の両方にあることは、感覚が単純に「触れた場所だけ」で決まるのではなく、立体的な構造として組み合わさっていることを意味しています。

研究者たちは、この構造は医療にも関わる可能性があると指摘しています。

特に小帯デルタ周辺は神経が密集しているため、この領域を切開するような手術では、感覚に影響が出る可能性があると考えられています。

また、陰茎には筋肉や結合組織など、これまであまり注目されてこなかった構造も存在し、それらも感覚や機能に関わっているかもしれません。

しかし、そもそもなぜ裏側の一領域にこれほど神経が集中しているのでしょうか?

生物学的に集中させることにどんな意味があるのでしょうか?

なぜ「男性のGスポット」は裏にあるのか?

なぜ「男性のGスポット」は裏にあるのか?
なぜ「男性のGスポット」は裏にあるのか? / Credit:Canva

なぜ小帯デルタが「男性のGスポット」と呼ばれるほど神経が集中しているのでしょうか?

今回の論文と関連研究を重ねてみると、いくつか理由が見えてきます。

まず大きいのは、神経の合流点だということです。

今回の論文も、小帯デルタではこうした複数ルートの重なりが起きるため、神経束や受容体の密度が高まりやすい、という見方を強く打ち出しています。

ある意味で裏側の小帯デルタは“複数の線が交わるジャンクション”として特化しているわけです。

もうひとつ大事なのは、そこが機械的にも“情報が濃い場所”だからです。

小帯デルタは、亀頭と包皮が出会う裏側の境目にあり、皮膚が引かれたり戻ったり、こすれたり、細かな振動が伝わったりしやすい位置です。

言い換えると、体の動きがそのまま刺激に変わりやすい「動きが集まりやすい境目」のような場所です。

こうした場所に神経が多いと、より敏感になりやすいのかもしれません。

また進化の目で見ると「なぜここなのか?」という問いも見えてきます。

オスとメスの生殖器は、交尾のたびに直接ふれ合うので、動物では雌雄の生殖器どうしがセットで変わっていく「共進化」が起こりやすいと考えられています。

実際、レビュー論文では、機械的にうまく交尾できることそのものが選択圧になりうると整理されていますし、霊長類でもオスの生殖器の形と交尾行動が結びついて進化してきたと古くから論じられてきました。

つまり、「陰茎のどこに感覚センサーを厚く置くか」は、相手側の体、とくに膣との相互作用と関係している可能性があります。

たとえば、陰茎の「男性のGスポット」と女性側のGスポットをはじめとした膣口や膣壁で生じる刺激が、相互作用しやすいように進化した可能性も考えられます。

実際、過去に行われた研究でも、マウスなどの研究ではオスとメスの生殖器の形が対応して変化してきた可能性を示すデータも出ています。

ただ、現在のところヒトや他の霊長類で実際の接触分布を可視化した決定打はなく、この部分は現段階において推測に留まっています。

今後、霊長類ごとの交尾パターン、メス側の生殖器形態、そしてオスの腹側感覚地図を並べて比べる研究が進めば、「なぜそこなのか」という疑問にも答えが見えてくるでしょう。

元論文

The sensory penis: A comprehensive immunohistological and ontogenetic exploration of human penile innervation
https://doi.org/10.1111/andr.70118

ライター

川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。

編集者

ナゾロジー 編集部

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