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「夫としてはよさそう」打算で選んだ結婚は幸せになれるのか?「自分の世界を見つけな」夫の一言が招いた予想外の“恋”【作者に聞く】

  • 2026.3.28
夫に休日ランチの約束を反故にされ、さらに投げかけられた「自分の世界を見つけなって」という言葉。この一言がハルの新しい世界への一歩を後押ししたのだが…。 画像提供:(C)ただっち/KADOKAWA
夫に休日ランチの約束を反故にされ、さらに投げかけられた「自分の世界を見つけなって」という言葉。この一言がハルの新しい世界への一歩を後押ししたのだが…。 画像提供:(C)ただっち/KADOKAWA

「行き遅れたくないから」と、どこか打算的な理由で今の夫と結婚したハル。東京から大阪へ転勤し、知人もいない土地で孤独な日々を送る中、夫から「自分の時間を作れ」と言われ、パートに出ることになる。そこで出会った大学院生の後藤は、夫とは真逆の価値観を持つ人物だった。家政婦のような結婚生活から少し離れたとき、ハルは自分の選択を見つめ直し始める。そんな揺れる心を描いた、ただっち(@tadatsuchi5555)さんの『夫がいても誰かを好きになっていいですか?』を紹介するとともに、作品に込めた思いを聞いた。

結婚3年目、積み重なっていくすれ違い

プロローグ01 画像提供:(C)ただっち/KADOKAWA
プロローグ01 画像提供:(C)ただっち/KADOKAWA
プロローグ02 画像提供:(C)ただっち/KADOKAWA
プロローグ02 画像提供:(C)ただっち/KADOKAWA
プロローグ03 画像提供:(C)ただっち/KADOKAWA
プロローグ03 画像提供:(C)ただっち/KADOKAWA

結婚して3年。夫の転勤をきっかけに大阪へ移り住んだ2人の関係には、少しずつひずみが生じていた。夫婦は1年以上レスの状態が続き、結婚2周年の記念日もすれ違ったまま修復できていない。休日に外へ出たいハルと、疲れて休みたい夫。

そんな小さなズレが言い合いに発展し、「オレありきで遊ぶことを考えてるのやめなよ。ハルも自分の世界を見つけなって」と突き放される。その一言をきっかけに、ハルは新しい環境へ踏み出そうとパートに出る決断をする。

「気遣う側」であり続けることへの違和感

久しぶりに働き始めたハルは、その出来事を夫に話すが、「久しぶりに働いて浮かれる気持ちもわかるけど、オレはハルと違って一日中働いてるんだよ。ちょっとは気遣ってほしいな」と言われてしまう。

「たくさん稼いでるほうに気を遣わなきゃいけないのか」。その言葉に、ハルの中で抑えていた不満が静かに膨らんでいく。気づけば、自分が“家政婦のような立場”に置かれている現実に違和感を覚えるようになっていた。

出会ってしまった“真逆の存在”と揺れる心

夫婦関係にほころびが見え始めたころ、ハルはパート先で大学院生の後藤と距離を縮めていく。ぶっきらぼうだが優しく、夫とは正反対の価値観を持つ彼の存在は、ハルの心に変化をもたらしていく。そして、自分が後藤に惹かれていることに気づきながらも、既婚者であることを打ち明けられないまま、関係は曖昧な状態で続いていく。

人間の弱さと矛盾を描いた“不倫”というテーマ

本作は、編集部から「不倫をテーマにした漫画を描いてみませんか」と声をかけられたことがきっかけで生まれたという。タイトルを最初に提示されたとき、「正直かなりドキッとした」と振り返るただっちさん。その言葉を自分なりに噛み砕きながら物語を構築していった。もともと「人は一人だけをずっと愛し続けるのは難しいのではないか」という疑問があり、不倫を肯定するのではなく、「人間の弱さや心が揺らぐ瞬間を素直に描きたかった」と語る。

「夫以外の誰かを好きになってしまうこと自体は、とても人間臭い感情」。理性で抑える人もいれば、一歩踏み出してしまう人もいる。その矛盾の中で人は何を考え、どんな言い訳をするのか――その“人間らしさ”こそがおもしろさにつながると考えたという。

ときめきと罪悪感、その両方を丁寧に描く

制作においては、罪悪感を抱きながらも「きゅぅうん」としてしまう瞬間のときめきと、その直後に訪れる「ダメだ」という感情の揺れを丁寧に描くことにこだわったという。また、不倫相手への気持ちが強くなるほど、夫の欠点が目につき嫌いになっていく過程も重視した。「恋に落ちている間は、不倫相手は美化モード、夫は欠点探しモード」。身勝手でありながら、それもまた人間らしさだと語る。

読む人によって変わる“正しさ”と感情の揺れ

読者の反応は「絶対あり得ない」「わからなくもない」「すごくわかる」と大きく分かれるという。同じ作品でも、読む人の立場や経験、そのときの気持ちによって受け取り方が変わる。その感情の揺れこそが、この作品の醍醐味だ。「どこにイラついたのか、どんな気持ちになったのかを意識しながら読んでほしい」とただっちさん。さらに、レビューを通してほかの読者の視点を知ることも、作品を楽しむ一つの要素だと語った。

取材協力:ただっち(@tadatsuchi5555)

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