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【QuizKnock 伊沢拓司さんが推薦!】クイズ漫画なのにスポ根!? 女子高生の熱すぎる青春コミック『Q研』【書評】

  • 2026.3.27
Q研 赤堀君/白泉社
Q研 赤堀君/白泉社

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クイズは、知識量だけでは勝てない。特に、早押しが主流の競技クイズは、0.1秒を争うスピード勝負。そこで勝つためには、問題文が読み終わらない段階で解答を見極める判断力やボタンを押す瞬発力、反射神経が必要となる。そして、何より必要なのは、絶対的な自信。「自分なら勝てる」という圧倒的な自分への信頼が勝負の決め手になる。

QuizKnock 伊沢拓司さんが推薦コメントを寄せた、《競技クイズ》に青春をかける女子高生たち

そんな競技クイズに青春をかける女子高生たちを描くのが『Q研』(赤堀君/白泉社)。QuizKnockの伊沢拓司さんが推薦コメントを寄せたこのコミックは、あまりにも熱く、あまりにもまぶしい。「クイズなんて個人競技でしょ?」「少し地味なんじゃない?」などと思っている人がいるならば、それは大きな間違いだ。クイズの世界はまるでスポ根。ページをめくれば、一問一問を正解するために情熱を燃やす少女たちの姿からたちまち目が離せなくなる。

物語は、高校の入学式から始まる。入試トップの成績を取り、生徒代表としてスピーチを任された三影雪は、極度のあがり症。挨拶で噛みまくり、高校生活初日から同級生たちの笑いの種にされてしまった。自己嫌悪に陥る雪が出会ったのは、着替えるのを忘れてパジャマ姿で登校し、入学式をサボって部活に直行しようとしていた紺野一花。それぞれクイズ研究会への入部を考えていた彼女たちは、ふたりでその部室を訪れることになるが、先輩たちからは「悪ぃ イケメンしか募集してねーんだわ」と、入部を断られてしまう。「クイズなんてガチでやるもんじゃねーのよ」という部長を目の前に、一花は、「じゃあ全員辞めてもらっていいっすか? 私『クイズ甲子園』行くんで 邪魔」と言い放つ。そして、入部をかけて、一花と雪は早押しクイズで部長と勝負することになるのだ。

「青春とかどーでもいい 私はクイズがしたいだけ」

そう豪語する一花の実力は確かだ。彼女には、クイズへの並々ならぬ熱意が、そして、「自分なら勝てる」という絶対的な自信がある。だから、クイズで勝負するとなれば、誤答のリスクを冒しても、答えが完全に絞られる前に少しでも早くボタンを押し、他を圧倒する。0.1秒を争い、ヒリつくような戦いは息をつかせず、読者である私たちまでドキドキが止まらない。

正反対のふたりの対比が面白い。周囲の目を全く気にしない一花と、あがり症の雪。

一方の雪は、ボタンを押すこともままならない。雪もクイズは大好きだが、中学からクイズ研究会に所属し、周囲の足を引っ張り、孤立した過去があるらしい。だが、雪は実は問われた全ての問題の答えを知っている。

雪にとって、知識は全部「友達」。歴史上の人物はもちろん、単語は全てキャラクターのようなもので、知るだけで楽しい。88星座も、世界の国も首都も、百人一首も118元素も全部知っている。覚えている。そんなとんでもない記憶量の持ち主が雪という存在なのだ。「スピードを捨て、記憶量に全振りした『無限』に近づけるクイズプレイヤー」――雪はもしかしたら、磨けば光る、とんでもない逸材なのかもしれない。

自分の意見をはっきりと持ち、周囲の目を全く気にしない一花と、自分に自信が持てず、あがり症の雪。正反対のふたりが互いに触発しあい、少しずつ変化していくさまを見守るにつれ、私たちの口角は自然と上がっていく。雪は早押しを克服することができるのか。仲間など要らないと思っている独りよがりな一花は、このクイズ研究会のなかでどう変わっていくのか。

ぶつかって、憧れて、悔しがって、なりたい自分を目指してもがく。一花は「青春なんてどーでもいい」と言っていたが、ここにあるのは、むき出しの青春そのものだ。そんな彼女たちの日々にふれるたび、私たちの胸も自然と高鳴る。膨大な練習によって、次第に鍛えられていく精神力、自信。「この仲間となら、どんな戦いでも勝てる」という確かな手応えが、クイズ研究会のなかで少しずつ育っていく。これがスポ根でなくて、何がスポ根と呼べるだろう。指先に情熱を乗せて、疾く、誰よりも疾く――。勝負のたびに息をのみ、その成長に胸がいっぱいになる。競技クイズのイメージを鮮やかに塗り替える、そんな熱い青春コミックを、あなたにも是非。

また、3/27より全国書店にて『Q研』1巻宣伝ポスターが掲出中だ。コミックスのクイズ監修:セブンワンダーズによる難問ポスター、ぜひこちらにも挑戦していただきたい。

文=アサトーミナミ

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