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娘は『水色』がいいのに。母「ランドセルは赤!」剣幕に娘は困り顔、店員はドン引き → 思わず私は

  • 2026.3.26

ランドセル選びは、一生に一度の大イベント。どうしても頭に浮かぶのは「赤」や「黒」といった定番カラーですが、子どもにとっては自分の「好き」が一番大事な瞬間。今回は、筆者の友人ゆりえさん(仮名)が娘のランドセル選びで、母親と意見が交差したエピソードを紹介します。

「これがいい!」娘のまっすぐな選択

小学校入学を控えた娘のランドセルを選びに、私の母、娘、私で一緒にお店へ出かけた日のこと。店内には色とりどりのランドセルが並び、革の香りがふんわりと漂っていました。

入店してすぐ、娘は迷いなく一直線に駆けていき、「これがいい! 水色!」と淡いランドセルを抱きしめました。その表情は、とてもまっすぐな「好き」。私はその様子を見て、「いいと思うよ」と自然に頷いていました。

「赤か水色か」ランドセルと小さな主張

けれど、その直後のことです。母がぽつりと「ランドセルは赤でしょう」と言いました。「でも、娘が水色って言ってるし……」と私が返すと、母は「赤なら6年間きちんと使えるし、飽きないのよ」と続けました。

どちらの言い分も間違っているわけではありません。長く使うものだからこそ慎重になる気持ち、いわば経験からくる「正しさ」です。それでも、目の前にいる娘の今の気持ちは確かで、その場でしか生まれない、まっすぐな選択でした。

ランドセルを抱えて、娘が教えてくれたこと

私はその場にしゃがみ、娘と目線を合わせて「本当にこれがいい?」と聞きました。娘は少しだけ迷うような表情を見せたあと、「これで学校行きたい」と小さく、でもはっきりと答えました。その一言で、これは気まぐれではなく、この子なりに選んだ決断だと感じました。

私は母に向き直り、「6年間使うからこそ、自分で選んだと思えることが大事だと思う」と伝えました。母はすぐには答えず、娘の顔、手に抱えたランドセル、そして私の顔を順に見つめていました。

娘の笑顔が決めた、ランドセル選びの結末

やがて母は、「……そんなに気に入ってるなら、それにしなさい」と静かに言いました。その一言で空気がほどけ、娘の顔がぱっと明るくなり、嬉しそうにランドセルを抱き直しました。母も小さく笑って「嬉しそうな顔されたら、何も言えないわね」とつぶやきました。

こうしてランドセルは水色に決定。鏡の前で何度も振り返る娘は、どこか誇らしげでした。母の言葉も長く使うものだからこその思いでしたが、最終的には娘の笑顔がすべてを物語っていました。ランドセル選びは、親子の価値観がそっと交わるひとときなのかもしれません。

【体験者:30代・主婦、回答時期:2025年3月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:Miki.N
医療事務として7年間勤務。患者さんに日々向き合う中で、今度は言葉で人々を元気づけたいと出版社に転職。悩んでいた時に、ある記事に救われたことをきっかけに、「誰かの心に響く文章を書きたい」とライターの道へ進む。専門分野は、インタビューや旅、食、ファッション。

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