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長年モラハラに苦しんできたのに。夫の「病気かも」に揺らぐ心。『見捨てられない呪い』に、カウンセラーが

  • 2026.3.25

筆者の話です。モラハラと暴力で私を苦しめていた夫が「血尿が出た」と弱々しく話してきました。離婚を考えていた私ですが、夫が病気かもしれないという不安から献身的に尽くし始めました。しかし、カウンセリングを受けて気づいた、夫との関係性。自分を取り戻すための選択とは?

画像: ftnews.jp
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突然の告白

ある日、夫が私に「ちょっと、話がある」と言ってきました。いつも高圧的な彼には珍しく、少し弱々しく見えました。
(お金の催促? それとも、ついに離婚を切り出されるの?)
最悪の事態を想定して身構える私に、夫は少し間を置いて言いました。

「朝、血尿が出た」
驚いて受診を勧めましたが、夫は「行きたくない、大したことない」と頑なに拒否。その姿を見て、私の中に複雑な感情が渦巻き始めました。

複雑な感情

実を言うと、夫との関係は決して良好ではありませんでした。夫はもともとモラハラ気質。「お前は何も分かっていない」と私を否定し、私の友人や実家を見下す。時には突き飛ばされるような暴力もありました。

「もう、この人とはやっていけない」何度も、そう思いました。
何度もそう思い、別居や離婚の文字が頭をよぎっていたはずなのに。「血尿が出た」と夫が弱々しく言った時、そうした考えが引っ込んでしまったのです。

(もし重い病気だったら? 今この人を捨てるなんて、ひどい人間だと思われるかも……)
私は自分の気持ちを押し殺し、以前よりも献身的に尽くすようになりました。彼の機嫌を損ねないよう、細心の注意を払って。

気づき

ある日、友人に相談した時、友人はこう言いました。

「ちょっと待って。暴力まで振るわれてたんでしょ? 病気なら、ちゃんと病院行けばいいじゃない。あなたが献身的になる理由なんてないでしょ?」

ハッとしました。なぜ私は、自分を傷つけてきた相手の不調を、自分の責任のように背負い込んでいたのか。
この違和感を解消するため、私はカウンセラーのもとを訪ねました。
私の話を聞いたカウンセラーは、静かにこう言いました。

「あなたは、旦那さんの血尿という弱みを見て、『今、離婚や別居を考えるのはひどい』と思った。でも、それは間違いです」

「旦那さんが病気であろうとなかろうと、受けてきた苦痛の事実は変わりません。病気を理由に、自分を犠牲にする必要はないんですよ。それは『共依存』の傾向かもしれませんね」

共依存——相手に過度に尽くし、自分を犠牲にしてしまう関係。思い返せば、私は常に夫の顔色を伺い、自分の感情を押し殺して「役に立つ妻」を演じることで、心の平穏を保とうとしていたのです。

「まず、自分の気持ちを大切にすること。そして、旦那さんとの間に、明確な境界線を引いてください。旦那さんの病気は旦那さんの問題。病院に行くかどうかも、旦那さんが決めること。あなたは、自分の人生を生きていいんですよ」

自分を取り戻す選択

その日から、私は少しずつ自分を取り戻す練習を始めました。
夫の受診については本人に任せ、私は距離を置くことに。夫が不機嫌でも顔色を伺うのをやめ、趣味の習い事や友人との時間を増やしました。モラハラ発言があってもスルーしてその場を離れる。

私の中に「明確な境界線」を引いたのです。

数週間後、夫は自分で病院に行きました。結果は、軽い膀胱炎でした。
「やっぱり大したことなかっただろ?」
得意げに言う夫に、私は何も言いませんでした。

ただ、私が機嫌を取らなくなったことで、夫も自分の感情を自分でコントロールせざるを得なくなったのか、以前のような攻撃的な発言は減っていきました。

カウンセリングを終える頃、カウンセラーはこう言ってくれました。
「今のあなたなら、この先どんな選択をしても大丈夫。自分を大切にできるはずですから」

私は、まだ離婚や別居という結論は出していません。しかし、共依存に陥った自分を見つめて分かったことがあります。

自分を犠牲にして、相手に尽くす必要はない、ということ。

自分を大切にすることが、最も大切なこと。それが、私がこの経験を通じて伝えたいことです。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2026年2月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:藍沢佑菜
管理栄養士の資格を持つ、2人の自閉症男子のママ。自身の育児環境の変化をきっかけに、ライター活動をスタート。食と健康を軸に、ライフスタイル全般のコラムを得意とし、実体験に基づいたリアルな記事を執筆中。専門的な情報を「わかりやすく、すぐに日常に取り入れられる形」で伝えることが信条。読者の「知りたい」に寄り添い、暮らしを整えるヒントを発信しつづけている。

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