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100歳俳優が「長寿の秘訣」を明かす、研究者「科学的にも正しい」

  • 2026.3.19
ディック・ヴァン・ダイク/ Credit: en.wikipedia

2025年12月、ある俳優が100歳の誕生日を迎えました。

その人物は、ミュージカル映画やテレビコメディで長年活躍してきたアメリカの名優、ディック・ヴァン・ダイク(Dick Van Dyke)氏です。

彼は映画『メリー・ポピンズ』や『チキ・チキ・バン・バン』などで世界中に知られ、90歳を超えてもダンスや演技を続けてきたことで有名です。

そんなヴァン・ダイク氏は、自身の長寿の理由についてこう語っています。

「私は怒らない。常に前向きでいるようにしている」

一見するとシンプルすぎるこの言葉ですが、実は科学研究もこの考えを支持しています。

ストレスや怒りを抑え、楽観的な心を保つことは、寿命に影響する可能性があるのです。

では、この100歳俳優はどのような人生を歩み、なぜ「怒らない生き方」が健康につながるのでしょうか。

目次

  • テレビやミュージカルで活躍したレジェンド俳優
  • 怒りとストレスは寿命を縮める可能性がある

テレビやミュージカルで活躍したレジェンド俳優

1959年のヴァン・ダイク氏/ Credit: en.wikipedia

ディック・ヴァン・ダイクは1925年12月13日、アメリカ・ミズーリ州に生まれました。

第二次世界大戦中には軍隊でラジオアナウンサーなどを務め、その後エンターテインメントの世界に進みます。

1960年代に彼を一躍有名にしたのがテレビコメディ番組『The Dick Van Dyke Show』です。

番組はアメリカで大ヒットし、彼はエミー賞を複数回受賞しました。

映画の世界でも活躍し、とくにミュージカル映画『メリー・ポピンズ』では煙突掃除人バート役を演じ、歌やダンスを披露して世界的な人気を獲得しました。

さらに『チキ・チキ・バン・バン』などでも主演を務め、ミュージカル俳優としての地位を確立します。

『メリー・ポピンズ』のヴァン・ダイク氏/ Credit: en.wikipedia

舞台でも成功しており、ブロードウェイミュージカル『バイ・バイ・バーディー』ではトニー賞を受賞しています。

驚くべきことに、彼は90歳を超えても現役で活動を続けています。

2018年公開の映画『メリー・ポピンズ リターンズ』にも出演し、90代で軽快なダンスを披露しました。

こうした長いキャリアを支えてきた秘訣として、ヴァン・ダイク自身が挙げているのが「怒らないこと」「前向きな心」です。

そしてこの考え方は、実は科学研究とも一致しています。

怒りとストレスは寿命を縮める可能性がある

心理学や医学の研究では、楽観的な性格や低いストレスレベルが長寿と関連することが示されています。

有名な研究の一つが、1930年代に始まった「修道女研究」です。

研究者たちは修道院に入ったばかりの若い女性678人に自伝を書かせ、その内容を分析しました。

約60年後に研究者が健康状態と照らし合わせたところ、若い頃の文章にポジティブな感情(感謝や喜びなど)が多く表れていた女性は、より否定的な文章を書いた女性よりも平均で約10年長生きしていたことが分かりました。

また英国の研究でも、楽観的な人は悲観的な人より寿命が11〜15%長い傾向があると報告されています。

さらに約16万人の女性を対象にした研究では、楽観的な人ほど90歳以上まで生きる可能性が高いことも示されています。

その理由の一つとして注目されているのが「怒り」が体に与える影響です。

怒りを感じると、体内ではアドレナリンやコルチゾールといったストレスホルモンが分泌されます。

これらは短期的には役立つ反応ですが、頻繁に起こると心臓や血管に負担を与えることがあります。

慢性的なストレスや怒りは、心臓病、脳卒中、2型糖尿病といった病気のリスクを高めることが知られています。

これらの病気は、早期死亡の大きな原因となっています。

さらにストレスは、細胞レベルでも老化に影響します。

細胞の染色体の端には「テロメア」という保護構造があります。

若い細胞ではテロメアは長く保たれていますが、加齢とともに短くなります。テロメアが大きく短縮すると細胞の修復能力が低下し、老化が進みます。

研究では、慢性的なストレスがテロメアの短縮を早める可能性があることも示されています。

つまり、強い怒りやストレスが多い生活は、細胞レベルでも老化を加速させる可能性があるのです。

一方で、瞑想などのストレス軽減法はテロメアの長さと関連していることが報告されています。

また楽観的な人は、運動や健康的な食生活といった良い生活習慣を持つ傾向もあります。

実際、ヴァン・ダイク自身も現在でも週に数回運動する習慣を続けているといいます。

「怒らない人生」は長生きのヒントかも

私たちは遺伝や環境など、健康に影響するすべての要因をコントロールすることはできません。

しかし怒りをうまく管理し、できるだけ前向きな心を保つことは、健康を支える重要な要素になり得ます。

呼吸をゆっくり整える、ヨガや瞑想を行う、日常の楽しい瞬間に意識を向ける。

こうしたシンプルな習慣が、ストレスを減らし、心臓への負担を軽くする可能性があります。

100歳になっても元気に活動するディック・ヴァン・ダイクの言葉は、単なる精神論ではないのかもしれません。

参考文献

Dick Van Dyke Credits His Longevity to One Habit, And Science Supports It
https://www.sciencealert.com/dick-van-dyke-credits-his-longevity-to-one-habit-and-science-supports-it

ライター

千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。

編集者

ナゾロジー 編集部

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