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【4月には来日公演も決定】「別れ」の感情を歌に込めた、ステラ・ドネリーの『ラヴ・アンド・フォーチュン』。

  • 2026.3.13

ステラ・ドネリー/シンガーソングライター

Stella Donnelly/ステラ・ドネリー1992年、オーストラリア・パース生まれ。大学時代に音楽を学ぶ。バンド活動をしつつ、2017年にソロ活動を開始。友人が性被害にあった経験をもとに書かれた「Boys Will Be Boys」が注目され、#MeToo運動のアンセムとなる。5年前からメルボルンで生活。4月7日大阪、8日名古屋、9日東京でライブを開催。

友情が壊れた時の複雑な感情を、歌に託して。

長年の親友との仲が突然壊れた時、ステラ・ドネリーはうまく整理できない感情を、一章ずつ小説を書くように、3枚目のアルバム制作に向けて曲にしたという。楽器によって引き出される感情が違う、と彼女は語り出す。

「ギターを手にすると相棒といるような感覚になり、アグレッシブで怒った曲などを書きやすい。でも、ピアノの前に座ると自分の真実を語らなければいけないという覚悟が生まれ、静かな感情や悲しみに自分を委ねてしまうところがある」

そのアルバム『ラヴ・アンド・フォーチュン』には、複雑な感情に寄り添うさまざまな曲が収録されている。

「友情でも恋愛関係でも"別れ"という出来事からすべての感情が襲ってくる。罪悪感や羞恥心、後悔、悲しみなど、いろいろなものを一気に経験する。それを自分の中でうまく消化する術が唯一音楽を書くことだったんだと思う。このアルバム制作は、とても自分の精神的な助けになった。いまはそれらの感情がクリアに晴れた状態になったから」

アルバムタイトルは同名の収録曲から付けられた。

「失った親友のことですごく傷つき、当時シェアハウスで暮らしていた私は、ひとり部屋にこもって自己啓発本を読むような生活をしていた。でもある日、ドアを開けて周りを見たら、もう愛も幸運も家族もあるし、自分のことを愛してくれている人たちにまだまだ囲まれているということに気付いたの。だから、また愛される自分になることを自分で許すような意味で、"愛"と"幸運"という好きな言葉を付けたの」

ステラは25歳でシンガーソングライターとしての人生をスタート。アメリカのレーベルと契約すると、曲が#MeToo運動と関連して注目され、2年ほど家に帰れない激忙の日々を過ごした。COVID-19でロックダウンになった頃、曲の締め切りやツアーに追われた日々を振り返り、音楽が自分自身を本当に幸せにしてくれているのか疑問に思い、曲作りやアートに囲まれた生活を優先するようにしたという。

自分なりの姿勢をしっかり持って過ごしたいというステラは、パティ・スミスを尊敬し、「アーティストとしてあるべき女性の姿というロールモデルがあったからこそ、いまの自分がある」と話す。「私たち白人は先住民の土地を奪ってオーストラリアに住んでいるから」と、自身のコンサートでは先住民の観客のチケットを無料にし、また、障害者向けの音楽のワークショップの講師も積極的に担当している。30代になってからの目標は、外部の声を気にせず、思い切り自分のクリエイティビティを爆発させることだそうだ。

この4月には3度目のジャパンツアーで来日する。どのように感情豊かなステージになるか、いまから楽しみだ。

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*「フィガロジャポン」2026年4月号より抜粋

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