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もふもふビーバーと空飛ぶサメが出てきて、最後は泣ける…?『私がビーバーになる時』のカオスな魅力を語る座談会!

  • 2026.3.12

“もしも動物の世界に入れたら?”というユニークな“もしもの世界”を描いたディズニー&ピクサー最新作『私がビーバーになる時』が3月13日(金)に公開となる。先んじて公開された北米では週末映画ランキングでNo.1を獲得し、週末興行収入は北米で4600万ドル、全世界興行収入は8,800万ドルの超特大ヒットスタートとなった。映画・ドラマの批評集計サイト「Rotten Tomatoes」では、批評家スコア97%フレッシュ(3月6日時点)を獲得。『リメンバー・ミー』(17)以来、アニメーション史上最高のオープニングとピクサー史上最高評価を記録し、全世界で“わたビバ”旋風が巻き起こっている。

【写真を見る】襲い掛かる鳥、空飛ぶサメ…まさかのピクサーでZ級映画オマージュ!?

かわいらしい動物もの…かと思いきや、型破りな動物の世界を舞台に、荒唐無稽でハチャメチャな笑える展開の嵐!だけど最後には、世界も賞賛した“まさかの感動”で涙があふれるという、ディズニー&ピクサーだからできる作品に仕上がっている本作。そんなジャンルが入り混じった本作独特の魅力に迫るべく、MOVIE WALKER PRESSでは、感想や見どころを語る座談会を実施!ジャンル映画に詳しいお笑い芸人・ジャガモンド斉藤、大のピクサー好きだと話す映画ソムリエの東紗友美、編集部の別所と高橋の4人がひと足先に本作を鑑賞し、推しポイントを語り合ってもらった。

『私がビーバーになる時』の魅力を語り合う!見どころは?
『私がビーバーになる時』の魅力を語り合う!見どころは?

動物が大好きな大学生メイベルは、高速道路建設計画で消えてしまう思い出の森を守るため、極秘テクノロジーで人間の意識をビーバー型のロボットに“転送”させる装置を使い、見た目はビーバー、中身は人間のままで動物の世界へ飛び込む。動物たちと交流したメイベルは夢の世界に喜びを爆発させるが、そこは人間の常識が通じない“とんでもない”世界だった。メイベルは戸惑いながらも、動物界のルールを学んでいき、動物たちと森を守る作戦を仕掛ける。元の体に戻るタイムリミットが迫るなか、メイベルが仕掛ける人間の世界をも揺るがす大逆転プランとは?

「動物たちの世界を、彼ら目線と人間目線の両方からのぞき込む形で描いている」(東)

――まずは映画をご覧になった感想を教えてください。

ジャガモンド斉藤(以下、斉藤)「ディズニー&ピクサー映画は、冒頭はいつもきれいで柔らかな雰囲気から入っていくじゃないですか。でも今回はまるで『ミッション:インポッシブル』のようなカメラが配線を追うシーンで始まり、いきなりSF風の実験風景が出てきたりと、ド頭から“いつものピクサーじゃない感”が漂ってました。メイベルとおばあちゃんの交流などいつものピクサーのような温かさがあると思いきや、突然モンスターパニック的になったりといい意味でジャンルがどんどんシフトしていくおもしろさを感じました」

ディズニー&ピクサーの最新作『私がビーバーになる時』 [c]2026 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
ディズニー&ピクサーの最新作『私がビーバーになる時』 [c]2026 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

東紗友美(以下、東)「私は純粋にめちゃくちゃかわいい映画として楽しみました。動物たちの瞳が、動物同士のシーンは白目が大きく、人間目線のシーンだとつぶらな黒目と2バージョンの見た目があるのがとってもかわいくて。動物たちの世界を、彼ら目線と人間目線の両方でのぞき込む形で描いているのもよかったです」

斉藤「どっちのビジュ推しか徹底的に討論したい所ですね(笑)」

別所「私は動物好きで、動物が出てくるディズニー映画がめちゃくちゃ大好物なんです。なので、予告でビーバーになったメイベルが“キャー”って叫びながらぷっくりしたひげ袋を持ち上げるカットを観た時からテンション上がりっぱなしで(笑)。本編でも要所の動きやしぐさに、動物好きが萌える要素がたくさん取り込まれていました。そういう意味でめちゃくちゃかわいくて楽しめたのがありつつ、映画ファンとして楽しめるオマージュ要素も盛り込まれていて、その組み合わせが最高でした」

夢のような世界に大興奮のメイベル [c]2026 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
夢のような世界に大興奮のメイベル [c]2026 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

高橋「個人的にはピクサーは『トイ・ストーリー』から“もしもの世界を見せる”ということをやっている印象があったのですが、今回はそこに人間が入っていく話なので、一線を超えた作品だと思いました。それもメイベルは機械の力で動物の声が聞こえるようになるという設定なので、自然と生き物たちと会話ができるディズニープリンセスとは、また差別化している感じがよかったですね」

「Z級映画やモンスターパニック要素…誰がこれを考えたのか名乗り出てもらいたい」(斉藤)

――主人公メイベルをはじめとした、予測不能な行動でハチャメチャな展開が本作の魅力でした。とりわけて印象に残ったシーンはありましたか?

斉藤「ハチャメチャと言えばやっぱり、ひと足先に試写会で作品を観た映画ファンを中心に、すでにSNSをざわつかせていますが…あのサメが出てくる以降の展開ですね!Z級映画やモンスターパニック要素、『遊星からの物体X』風のボディスナッチャー要素、『ターミネーター』のT-800感まであって(笑)。作り手の皆さんの『こういう映画が好き!』というパッションをビンビンに感じました。誰がこれを考えたのか名乗り出てもらいたいですね。じっくり語り合いたいです(笑)」

東「後半もすごかったですが、メイベルの行動そのものが最初からハチャメチャでしたね。どうなるかわからないのに、躊躇なく意識転送マシーンでビーバーになったり、ビーバー型ロボットのバッテリーが切れかかってもまったく気にしなかったり。なにごとも迷わず突っ走って行くんで、もう『ヤバいやつが出て来た!』という感じでした(笑)。でも裏返すと、それくらい大切なもの、守りたいものがあるということなんですね。命を失うかもしれないのに物怖じせずに進んじゃう、新しいタイプのキャラクターでした」

別所「私はビーバーになったメイベルたちがジェリー市長の車に乗り込む、一連のアクションシーンがヤバイと思いました。動物の姿だと人間に言葉が通じないから、スマホの音声機能で市長に指示を出すというのもおもしろかったです。現代的なアイテムや技術の生かし方もいままでのピクサー作品になかったなと感じました」

高速道路建設を目論むジェリー市長は、車内でえらい目に…!? [c]2026 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
高速道路建設を目論むジェリー市長は、車内でえらい目に…!? [c]2026 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

東「車のシーンは、もはや『ワイルド・スピード』みたいでしたよね(笑)」

高橋「あと、映画全体で謎に爆発がリアルでした(笑)。ポップな爆発じゃなくて、描写がどれもリアルでサウンドデザインもすごく立体感があって。そもそも冒頭で高速道路開発のために池を爆破する時も、どう考えてもダイナマイトの量が多すぎでしたし」

斉藤「マイケル・ベイが仕込んだのかな、みたいな地形変わっちゃうレベルの火薬量でしたね(笑)」

「映画の公式Instagramにひたすら“トカゲ”を連打してるトムの映像が…」(別所)

――人間、生き物共に多彩なキャラクターが登場しますが、推しキャラクターやお気に入りのセリフはありましたか?

斉藤「僕はメイベルに動物たちの世界のことを教えてくれる、おじさん王様ビーバーのキング・ジョージがお気に入りですね。メイベルが落ち込んでいる時に、君が悲しいことは僕も悲しいとハグしたり、ハチャメチャな要素が多いなかで一番共感できるキャラクターでした。心を落ち着かせ耳をすませば自然を感じられると、メイベルを導くオビ=ワン・ケノービみたいなおばあちゃんもよかったですね。考えてみるとこの映画は、主人公がなにかに気づくというよりも、人生の先輩に言葉をもらうお話なんですね。多感な女の子がそれをスポンジのように吸収していくという」

メイベルとキング・ジョージの関係がたまらない [c]2026 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
メイベルとキング・ジョージの関係がたまらない [c]2026 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

東「私はビーバー箱推しで行きたいんですけど、やっぱりメイベルとキング・ジョージですね。2人でいる時のやり取りは、ずっと聞いていたいくらい本当に愛おしいんです。特に好きなのが、ジョージが森を案内しながらメイベルに動物界のルールを教えるところ。なにも知らない彼女を叱るんじゃなく、仲良くなって仲間になろうとパーティに誘おうとするところが、温かみにあふれていて、一気に動物たちを好きになりました」

別所「私はトカゲのトムですね。シンプルな顔立ちなのに表情がすごくいいところがめちゃくちゃ好きです。映画の公式のInstagramにひたすら“トカゲ”を連打しているトムの映像が上がってまして、海外でミーム化してめちゃくちゃバズっているんですよね」

高橋「皆さん動物のキャラクターを選んでますが、個人的にはなんだかんだメイベルが一番よかったです。やり過ぎ!なところもありますが、ずっと物語の中心にいて映画を動かしてくれて、楽しませてくれたのはメイベルだったなと」

東「でも、あそこまでブレずに気持ちを持ち続けられるところは羨ましくもありますね。ブレない主人公はいっぱいいますが、メイベルは『そこは死ぬでしょ!』なポイントも全部恐れず向かっていくのがめっちゃかっこいいなと。もう最後のほうは好きというより、リスペクトする気持ちのほうが強くなりました。日本版声優の芳根京子さんも最高でしたね。普段の芳根さんと全然違う印象ですが、かわいらしい雰囲気にぴったりでとてもいいキャスティングだと思います」

斉藤「ピクサーの日本版声優は、いつもキャラクターにぴったりのキャスティングですよね。いい意味で顔が浮かばず最後まで見てしまうという。キング・ジョージ役の小手伸也さん、クマのエレン役の3時のヒロインのかなでさんもそう。でも今回の吹替えでなによりびっくりしたのはジェリー市長役の渡部篤郎さん。セリフのニュアンスにメイベルと対立してきた関係性をにじませたり、バランスもすごいよかったです」

東「ジェリー市長のモーニングルーティンみたいなシーンがあるのですが、Xの映画公式『わたビバ 再現チャレンジ』では渡部さんご本人がやってましたね(笑)。本編でも結構長い尺で起きてから出かけるまでをしっかり描いていて、たぶん若い子たちにも『おお!』って刺さるんじゃないかな。お母さんをすごく大切にしている様子が描かれたり、メイベルの敵ではあるけど、憎めないキャラクターなんですよね」

別所「声優さんだとサメのダイアン役の森公美子さんがすごい好きですね。お上品な口調で、『危ないわよー』といいながら怖いことするところがよかったです(笑)」

高橋「ほかにも虫の女王の吹替えも最高でした。原語版はメリル・ストリーブが演じていて、それを大地真央さんが吹替えているというすごいキャスティングですよね。公開されたら字幕版も絶対に観に行きます(笑)」

斉藤「そういえば学校で飼育されている亀などの動物以外、犬とか猫とか人間にとって身近な動物は出てこなかったですね。基本的に野生動物だけなので、人間と動物の違いが強調されたうえで共存を探るお話なのもよかったです」

クセがありすぎる動物の王が集った“動物大評議会” [c]2026 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
クセがありすぎる動物の王が集った“動物大評議会” [c]2026 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

別所「冒頭でビーバーが自然のダムを造ることで湿地帯が生まれ多様な生物の生息地となる説明が入るのですが、映画を観るまでビーバーのことは全然知らなかったので、自然界ですごく重要な存在なんだと初めて知りました。内容は結構ハチャメチャだけど勉強にもなる映画だなって(笑)」

東「近しい話では日本でも野生動物の被害を最近よく聞きますよね。鹿が増えたのもニホンオオカミがいなくなったのが原因という説もありますが、1つ種がいなくなるだけでも生態系に大きく影響するそうですね。ほかにも動物たちの共同体で、お腹がすいたら獲物を狩って食べてもいい、『食べたい時は食べる』というルールがすごいなと思いました。共存するために弱肉強食のルールがこのかわいらしいルックのなかにもあって、それを守ることで森が成り立っているときちんと描いたところに大人っぽさを感じました」

「心がギュっとする感覚になれたのもピクサーの力だなと思います」(東)

――最後にこれから映画を観る人たちに向けて推しポイントをお願いします。

斉藤「昔はピクサーの作品を観ていたけれど、もう卒業したと思ってる大人の映画ファンはけっこういると思います。そういう人たち、特にジャンル映画ファンはもれなく観に行って欲しいですね。詳しくはネタバレなので言えないんですけど (笑)。往年の作品のオマージュもたくさん盛り込まれていました。それと開発を進める人間から森を守るため動物たちが立ち上がる流れのなかで、人類の歴史で繰り返されてきた戦争と平和みたいなところにもメスを入れていて、『もののけ姫』にも通じるえぐみを持った作品でもあるんです。可愛いルックの楽しさ、そしていろんな料理が味わえるオードブルのようにジャンルを移動していく楽しさもぜひ味わってほしいですね」

先んじて公開された北米では大ヒットを記録中 [c]2026 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
先んじて公開された北米では大ヒットを記録中 [c]2026 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

東「ハチャメチャな点もそうですが、綺麗な自然の風景と森に入った感覚が、やっぱり一押しだなと思ってて。圧倒的にきれいな自然のビジュアルに癒されるし、心がギュっとする感覚になれたのもピクサーの力だなと思います。動物たちと仲良くなった感覚にもなれるので、週末はキャンプを楽しんでいる人達にも、映画館で最高の自然が満喫できますよと推したいですね」

別所「私は『インサイド・ヘッド2』『星つなぎのエリオ』と泣ける映画が続いたあとに、まったく違う方向に振り切ったピクサー映画が出てきたぞ、ということを伝えたいですね。ピクサーの動物ものということで、かわいい系なのかなと思って観ると、だいぶ違う視点から新しい物語が見えると思うのでぜひ多くの人に観てほしいです」

高橋「私的には予告から思い描いた映画とかなり違っていたので、逆にとりあえず先に予告を観てから行ったほうがおもしろいんじゃないかなと思います。個人的に映画は予備知識なしに観るのが一番だと思っていますが、この映画に限っては情報を入れてもそれを大きく超えてくるので、逆にそこを楽しんでほしいなと」

『私がビーバーになる時』は3月13日(金)公開! [c]2026 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
『私がビーバーになる時』は3月13日(金)公開! [c]2026 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

別所「そういえばピクサー映画は次の作品のキャラクターを映画のなかに仕込むじゃないですか。トカゲのトムも『星つなぎのエリオ』に出ていましたし」

東「ピクサー映画に必ず出てくるイースターエッグ(隠し要素)、『A113』の数字もどこかにあったのかな…?いつもは探しながら観れるのですが、今回は展開に圧倒されていて探す余裕がなかったですね…(笑)」

別所「そこも気にしながらもう一度観なきゃですね!」

取材・文/神武団四郎

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