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「実は作るの初めてなの」同棲した彼に振る舞った手料理→「美味しい」と感想を期待したはずが【短編小説】

  • 2026.3.5

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

彼との同棲

大好きな彼との同棲生活が始まり、引越しの片付けもようやく一段落。

迎えた初めての週末、私は彼のために腕を振るうことにしました。

メニューは家庭料理の定番、肉じゃが。

実は私、ずっと実家暮らしで料理は母任せ。

包丁を握るのも久しぶりでしたが、レシピサイトを片手に慣れない手つきで一生懸命作り上げました。

「はい、お待たせ。実は、こうして誰かのために作るのは初めてなの。お口に合うかな……」

少し照れながら差し出した一皿。

彼が「ありがとう」と箸を伸ばす様子を、私は期待と不安が入り混じった気持ちで見守ります。

「美味しい!」という満面の笑みを想像し、胸の高鳴りは最高潮に。

しかし、じゃがいもを一口食べた彼の口から出たのは、予想だにしない一言でした。

彼は審査員?

「あー、なるほどね」

……なるほど?呆然とする私をよそに、彼は腕を組み、顎をさすりながら言葉を続けます。

「うん、悪くない。ただ、全体的にパンチが足りないかな。次は隠し味にみりんを多めに入れて、醤油をひと回し足してみて。そうすればもっと深みが出ると思うよ」

まるでお決まりの台詞を吐く料理番組の審査員。

その上から目線の評価に、私の心の中ではモヤモヤとした感情が渦巻きます。

初めて作った料理に対して、まずは「美味しい」や「ありがとう」じゃないの?せっかくの努力を一瞬で採点された悲しさは、やがて静かな怒りへと変わっていきました。

「……的確なアドバイス、どうもありがとう」

私は努めてにこやかに、けれど視線だけは鋭く彼を見つめました。

「じゃあ、明日の夜は『審査員さん』の出番ね。最高の見本、期待してるから」

私の言葉に、彼はハッとした表情で固まり、気まずそうに視線を泳がせます。

これからの同棲生活。まずは彼に「作る側の苦労」という隠し味を、たっぷりと味わってもらうことに決めました。

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

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