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「旅行楽しかったね」付き合って1年記念のデート。だが、彼から送られてきた写真を見ると…【短編小説】

  • 2026.3.4

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

終わらない彼の撮影

付き合って一年の記念旅行。私たちは、SNSで話題の絶景スポットを訪れました。

目の前に広がる大パノラマに感動していると、隣で彼が「ねえ、ここで撮ってよ」とスマホを差し出してきました。

そこからは、景色を楽しむ余裕もないほどの撮影会が始まりました。彼は納得がいくまで、何度もポーズを変えて撮り直しを要求してきます。

「もう少し左から」「背景の空を三分割で入れて」と細かい指示が止まりません。

私は彼の「最高の一枚」のために、何十枚もシャッターを切りました。ようやく満足した彼は、画面を確認して「これならフォロワーが増えるわ」と自画自賛です。

せっかくの記念日なので、私も一枚撮ってほしいと控えめに頼みました。

彼は「いいよ」と軽く答え、スマホを構えます。ところが、レンズがこちらを向いた瞬間に「はい、チーズ」と声が響きました。

「OK。可愛く撮れたよ。あとで送るね」と彼は満足そうにスマホをポケットにしまいました。

届いた衝撃の一枚

旅行から帰宅後、彼からチャットの通知が届きます。

『旅行楽しかったね!写真送るわ』

『楽しかったね!また行こう!』

『〇〇の写真も最高に可愛く撮れてるから見て!』

期待半分で自分の写真を開いた私は、思わず息を呑みました。

そこに写っていたのは、眩しさに耐えかねて半目になった私のひどい顔です。髪は風で乱れ、口元は中途半端に開いています。

お世辞にも「可愛い」と言える状態ではありません。

彼は自分の映りにはあんなに執着するのに、私のことはまともに見てさえいなかったのだと痛感しました。

スマホの画面に映る自分に夢中な彼の横顔が、今はとても遠く感じられます。

カメラのレンズは正直です。彼が愛しているのは私ではなく、カメラに映る「自分自身」だけだという、悲しい現実でした。

 

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

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