1. トップ
  2. 恋愛
  3. 【ネタバレあり解説】みんな観て。ザ・現代日本が凝縮! ハリウッド映画『レンタル・ファミリー』

【ネタバレあり解説】みんな観て。ザ・現代日本が凝縮! ハリウッド映画『レンタル・ファミリー』

  • 2026.2.27

ちょっとした時間があるとき、未見の映画やドラマに手を出したいんだけど、分かんないから好きなのを繰り返し観ちゃう……という方。映画ライターよしひろまさみちが実際に観て偏愛する作品を、ネタバレ上等な私見&本音でおすすめしますよ〜。

よしひろさん、「きのう何観た?」 『レンタル・ファミリー』

story 過去に日本のお茶の間で人気だったアメリカ人俳優フィリップ(B・フレイザー)は、ある仕事をきっかけにレンタル・ファミリー会社を経営する多田(平岳大)と知り合う。仕事に恵まれていなかった彼は、多田の誘いに乗り、同僚の愛子(山本真理)と共にクライアントと接し始めるが……。
監督:HIKARI/出演:ブレンダン・フレイザー、平 岳大、山本真理、柄本明、ゴーマン・シャノン・眞陽 ほか/配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン/公開:現在、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー中
© 2025 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.

マジ上等ですわ

このところ、ネトフリのアンスクリプテッド作品が続きましたが、映画ライターらしく公開映画を外すわけにはいかんとよ。ようやく公開されました『レンタル・ファミリー』! これ、撮影のときからずっと「これを日本に住んでいる人達が観ないでどうする」って思っていたのよね。なぜなら、完全ハリウッド資本で作られた現代ジャパンのお話よ? 時代劇ならともかくとして、今の日本にあるいいところもよろしくないところもぜ〜んぶ盛り。
 
しかも、監督はHIKARIさん。日本生まれの日本育ちで、アメリカで映画のお勉強された俊英で、初長編監督作『37セカンズ』(19)からしてすんばらしかったの。その後、WOWOWとHBOの共同製作ドラマ『TOKYO VICE』や、Netflixシリーズ『BEEF/ビーフ』の監督を務め、一気にハリウッド進出。ハリウッドでの初長編映画となったのが『レンタル・ファミリー』なのよ〜。いや、すんげー活躍&出世。おまけに、主演は『ザ・ホエール』でアカデミー賞主演男優賞を受賞して、その後の主演作はなにかな〜、って注目されていたブレンダン・フレイザーよ。んもー、これがオスカー候補入りしなくてマジ残念だったけど、だからこそ日本にお住まいの皆さんには確実に届いてほしい&話題になってほしい作品なの。
 
 

ブレンダン、日本に溶け込み過ぎ問題。そして柄本さんSUGEE

細かいストーリーはあっちゃこっちゃにあるから省くとして、あたしらが観るべきポイントをいくつか。まずタイトル。これは、主人公フィリップが関わることになる人材派遣なんでも屋さんのこと。ほら、レンタルほにゃららみたいな人材派遣してる業者あるじゃない。あれよ。いわゆるなんでも屋さんってどこの国や地域でもあるんだけど、家族とか恋人などの大事な人の代わりを務めてくれなんていうのは日本くらいなもんらしいのよね。
 
劇中でもブレンダン演じるフィリップがレンタル・ファミリー社長・多田(平岳大さん)に「それじゃ人を騙すことになる。そういうのってカウンセリングを受けたほうがいいんじゃないの?」って聞くシーンがあるのね。日本在住歴が長いとはいえそりゃアメリカ〜ンなフィリップの考え。違うんだよね〜……。退職代行業があるくらい、対人関係、特に対話が苦手なジャパン。それが大事な人相手になればなるほど難しいっていうのを、多田は「はは。それ、日本人には向いてないんだよ」の一言に凝縮しちゃうの。お見事過ぎ。
 
 

それとか、多田の会社のベテラン社員の愛子(山本真理)が主に引き受けているのが、愛人代理。要は不倫とかがバレてもめまくっている男が、妻に謝罪するときに本物の愛人を呼ばずに代理を雇って謝らせる(そして不倫関係を続行する)という、そりゃー薄汚いことの片棒担ぎよ。愛子さんもよくこんなの黙って引き受けるわ……とは思うんだけど、多田曰く「弊社の人気メニュー」なんですってよ……。ひどいよねジャパン。ちなみにこの役回りとひどエピソードは、物語後半部でかなり活きてきますので、イヤだろうけど直視してね。
 
 

愛子さん、つらい仕事に疑問を感じ始めています……

そしてあたしがこの映画のなかで一番「うわー……これはありそうだし重要」って思ったのは……は! これはちょいとネタバレなので観てない人は要注意。
いやいやながらも多田の会社で依頼を受けることにしたフィリップが最初に取り組んだのが、まさかの結婚式の新郎役。いや、結婚式に参列する来賓とか家族の代理ってのはよくある話だけど、新郎って……? って思うじゃない? フィリップはトイレに立てこもるほど嫌な仕事だと思っているのに、クライアントの佳恵(森田望智)はめちゃ淡々と婚礼を進め「結婚後はカナダに行きます」っていうんだけど、これがめちゃ重めの理由。
 
佳恵には同性のパートナーがいて、彼女との新生活、そして同性婚が認められていないジャパンと同性愛に理解がない家族と決別するために、外国人であるフィリップを雇ったってわけ。しかもアメリカでもイギリスでもなく、カナダってのがリアル(アジア系・アジア人が多く、ジェンダーやセクシュアリティにも比較的寛容)。式のシーンの後でそれが明かされたときにガツーンとマジでくらったわ。
 
メインは柄本明さん演じる大俳優・喜久雄の後半部だけど(これまたすっごい。天草ロケ!)、こうやって観る人によってポイントが変わるようにいろいろなエピソードが仕込まれているから、みんなマジで観て。早めに。

元記事で読む
の記事をもっとみる