1. トップ
  2. ファッション
  3. 170周年のバーバリーが描く、雨上がりの夜のロンドン──艶やかに再解釈されたトレンチとチェック【2026-27年秋冬 ロンドン速報】

170周年のバーバリーが描く、雨上がりの夜のロンドン──艶やかに再解釈されたトレンチとチェック【2026-27年秋冬 ロンドン速報】

  • 2026.2.26

都会的なライフスタイルに着想

会場内に再現されたタワーブリッジのセット。
会場内に再現されたタワーブリッジのセット。

バーバリーは、チーフ・クリエイティブ・オフィサーのダニエル・リー就任以降、英国の田舎やアウトドアから着想を得たコレクションが続いてきたが、今季は大都市・ロンドンにフォーカス。リーは「昨年の暮れ、イベントが多い時期に“仕事にも着られて、そのまま夜に出かけられる服”について考えていました。映画のプレミアやチャリティ・ガラ、ナイトクラブ……ロンドンの夜の多様なライフスタイルに目を向けたかったんです」と語る。

タワーブリッジを模したセットには、リー自身の個人的な記憶も重なる。「ロンドンで一番好きなランドマークのひとつ」。移住したばかりの頃、ホームシックになるたびに歩いて訪れたというタワーブリッジは、「行くだけで、この街にいられる喜びを思い出させてくれる場所」だという。その記憶が、今季の演出へとつながった。

“女性らしい”トレンチコートの模索

ファーストルックはボリュームのあるラッフル襟のトレンチコート。「もともとメンズウェアとして生まれたトレンチを、いかに女性らしく表現するかが今季の挑戦でした」とリー。フリルや流動的なシルエットを取り入れ、昼から夜まで対応する新しいトレンチ像を模索した。

伝統的なアイテムの再解釈

カラーパレットはアイボリーを差し色に、ブラックやディープブルー、バーガンディーなどダークトーンで統一。オーバーコートやタキシード、シャツといったクラシックなアイテムを新たなバランスで再解釈し、レザーボンバーやフーディー、レインコートといった機能的アイテムもイブニング仕様にアレンジした。

メンズのイブニングウェアをウィメンズへと翻案するクロスオーバーも随所に見られた。ジェンダーを超えた現代的な着こなしが、自然な形で提示されている。

新しいチェックの"質感"

アイコニックなバーバリーチェックは、さまざまな質感で表現された。シアリングで柄を描いたコートやスカーフ、光の反射でチェックが浮かび上がるレザージャケットなど、素材の豊かさがコレクションに奥行きを与えた。

象徴的なルックのひとつが、ロンドンの古地図をプリントしたコートだ。ブランドのアーカイブ担当者が発掘した資料をもとに制作され、細かい格子柄はチェックとの親和性も高い。

雨や夜の煌めきも、グリッターのように散りばめられた。ビーズ刺繍やフリンジ、暗いトーンのコートの奥から覗く輝きをまとったドレスが、夜の高揚感を映し出した。

コートブランドとしてのプライド

今季、コートを核に据えるバーバリーの強みはいっそう明確だった。トレンチをはじめ、レザージャケット、シアリングコート、人工ファーのロングガウン、ショートブルゾン、ニットガウンなど、そのバリエーションの豊富さはもちろん、幅広いスタイルやシーンをカバーする懐の深さも、印象づけられた。

アイコンをブラッシュアップしながら、華やかで、エレガントで、そして英国らしく。創業170年のヘリテージは、過去の遺産としてではなく、現代を生きる人々のための言語として、確かに更新されていた。

タロット柄のトレンチを纏った宇多田ヒカルが来場

バーバリーのダニエル・リーと宇多田ヒカル。
バーバリーのダニエル・リーと宇多田ヒカル。

ロンドンを拠点とするシンガーソングライターの宇多田ヒカルをはじめ、日本からモデルの森星、俳優の赤楚衛二が来場し、ショーを見届けた。

※バーバリー2026-27年秋冬コレクションを全て見る。

Photos: Courtesy of Burberry Text: Mami Osugi

元記事で読む
の記事をもっとみる