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『S&P500』と『オルカン』どちらを選ぶのが正解?→お金のプロがズバリ回答。新NISAで損しない「賢い選択」とは

  • 2026.3.16
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

投資の神様ウォーレン・バフェットや、インデックス投資の生みの親ジョン・ボーグル。偉大な先人たちが共通して説くのは、「一握りの勝ち組銘柄(針)を探す苦労を捨て、市場全体(干し草の山)を買いなさい」という極めてシンプルな知恵です。

資産形成の王道として定着したインデックス投資ですが、多くの投資家を悩ませるのが「米国株(S&P500)一本でいくか、全世界株式(オルカン)で分散を徹底するか」という究極の選択です。

本記事では、これら2大インデックスの特徴を整理し、米国経済の圧倒的な実績と将来性を踏まえた、長期積立投資における「納得感のある選び方」を解説します。

【本記事は、ロジャーパパ(米国株投資家・YouTuber)・著『100年変わらないお金持ちの真実 投資できちんと利益を出すための格言43』(KADOKAWA)より一部抜粋して掲載しています。】

干し草のなかの小さな針を探すのではなく、干し草の山ごと買いなさい――ジョン・ボーグル

この格言は、米国バンガード・グループの創設者であり「インデックス投資の父」と呼ばれるジョン・ボーグルの言葉です。

意味するところは、「干し草(株式市場)のなかの小さな針(優良銘柄)を探すのではなく、干し草の山ごと(株式市場全体)買いなさい」ということです。株式市場全体を買う投資商品は、もちろんインデックスファンドのことを意味します。

インデックスファンドを買えば市場全体を網羅するような数多くの銘柄に分散投資でき、必然的に優良銘柄も含まれることになるので、市場の成長とともに安定したリターンを得られるということです。

そこで、20年、30年の長期積立投資を前提とした、代表的なインデックスファンドを紹介します。

S&P500

S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が公表している、米国の代表的な株価指数のひとつです。ニューヨーク証券取引所やナスダック市場に上場している企業のうち、時価総額や流動性、業種などを考慮した代表的な約500社の時価総額を基準としたインデックスです。

つまり、「S&P500」に連動したインデックスファンドを購入すれば、米国の上位企業約500社に分散投資をしたことになります。 さらに、米国の上場企業は約5000社ありますが、その上位500社だけで米国経済の時価総額の約80%を占めています。ある意味、凄まじい格差といえます。 ですから、500社は全上場企業の10%程度の銘柄数ですが、「米国市場のほぼ全体に投資した」ということです。

全世界株式

「全世界株式」もインデックスファンドの代表格です。先進国から新興国まで世界中の株式に分散投資ができるため、リスク分散においては最強のインデックスファンドといえるでしょう。全世界株式がベンチマークするインデックスは主に以下の2種で、大きな違いは「小型株を含むかどうか」と「対象銘柄数」です。

・MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス 米国モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナルが算出・公表するインデックス。世界の大型・中型株を対象に約3000銘柄で構成される。 ――代表商品:「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」

・FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス 英国FTSEインターナショナルが算出・公表するインデックス。世界の大型・中型・小型株までを網羅し、世界約9000銘柄で構成されている。 ――代表商品:「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」「SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド」

「全世界株式」は「S&P500」と並んで人気があり、通称「オルカン」と呼ばれます。ただし、「オルカン」と呼ばれるのは「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」をベンチマークしている、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」というインデックスファンドのことです。メディアやSNSでは、「全世界株式」全体を「オルカン」と呼んでいる場合もあるので注意が必要です。

決してアメリカの負けに賭けてはいけない――ウォーレン・バフェット

「S&P500」と「全世界株式(オルカン)」の比較は、インデックス投資をコア投資に据えるうえで、よく起こる議論です。

また、日本国内のインデックスファンド(ETFを除く)のランキングでも、「S&P500」と「全世界株式(オルカン)」はトップ2です。単純に「どちらが優れているか?」を見極めるのは難しいといわざるを得ません。ただし、「S&P500」のほうが僅かにリターンが高いことは確かです。

そこで、リターンとリスクを踏まえてどちらが優れているのかを表したのが、シャープレシオです。リターンをリスクで割り算した数値で、リスク1単位あたりのリターンを表します。結果として、5年では僅かに「S&P500」が優れていますが、ほぼ同水準であることがわかります。

よって、どちらを選ぶべきかの争点は「米国の繁栄がいつまで続くか」にあります。

「オルカン」を推す人の多くは、「米国は債務が膨らみ過ぎだ。いずれ覇権を失うのでは?」「米ドルの国際的な信用は落ちている」「それなら米国への集中投資はリスクが高いので、長期的に見てオルカンのほうが安心だ」というわけです。

「S&P500」を推すわたしも「米国は永遠に覇権国であり続ける」とは思っていません。超長期的には米国が世界1位の経済大国から転落する日は訪れるのでしょう。
しかし、それはずっと先の話だと考えています。少なくとも10年、20年の話ではありません。そうであるのなら、いまの時点では、もっとも経済力と成長実績のある米国経済、ひいては「S&P500」に投資することが最善であるとわたしは考えます。

冒頭のウォーレン・バフェットの格言もまた、彼が繰り返し述べてきた米国経済への厚い信頼を表すものです。彼がそう語る最大の理由は、米国経済の歴史的な実績と将来性に対する揺るぎない確信です。
米国はこれまで数々の困難(世界大戦、金融危機、テロ、パンデミックなど)を乗り越え、その度に経済を立て直し、成長を続けてきました。また、「S&P500」は平均するとおおむね10年に一度のペースでマイナス30%以上の暴落に見舞われますが、その都度、暴落以前の水準を超える成長を遂げています。

「米国はインフレで経済成長は鈍化する」という声もありますが、インフレは世界的に進行していますから、まだまだ相対的に米国が有利な状況にあると見ていいでしょう。そうであれば、今後もしばらくのあいだ、世界経済を牽引するのは米国経済なのです。

今後も「オルカン」のリターンを生み出す大半の要因が米国になるのであれば、米国企業100%の「S&P500」に投資したほうが、無駄なく米国の成長を享受できるとわたしは考えます。

米国経済の強さを信じるか、世界の分散に委ねるか

「米国経済の覇権がいつまで続くか」この問いに対する答えが、投資先を分ける境界線となります。

全世界株式(オルカン)は、新興国を含む広範な分散により「どこが勝っても恩恵を受けられる」という安心感を与えてくれます。一方で、S&P500は、数々の危機を乗り越えてきた米国経済の強靭な歴史と、現在の世界経済の牽引力にダイレクトに投資し、効率的なリターンを追求します。

どちらも優れた投資先であることに変わりはありません。しかし、今後10年、20年というスパンで米国が依然として成長の主役であり続けると信じるならば、あえて分散を広げすぎず、米国市場の成長を100%享受する選択は非常に合理的かもしれません。

バフェットが説くように「アメリカの負けに賭けない」姿勢こそが、長期的な資産形成の強力なエンジンとなるでしょう。


ロジャーパパ(米国株投資家・YouTuber)・著『100年変わらないお金持ちの真実 投資できちんと利益を出すための格言43』(KADOKAWA)より