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「右側逆走から歩道進入」悪気ない爆走自転車に弁護士が警鐘…反則金は1万円超、その内訳は

  • 2026.4.11
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

自転車での移動は身近で便利な一方、交通ルールをどこか曖昧にしてしまってはいないでしょうか。

たとえば、目的地が道路の右側にあるとき。そのまま車道の右側を走り、勢いで歩道に乗り上げてしまう...そんな動きに心当たりがある人もいるかもしれません。

しかしこの行為、「車道の右側通行」と「歩道への進入」にあたる可能性があり、場合によっては複数の違反が同時に成立することも。違反が重なれば、反則金が合算されるケースも考えられます。

見過ごしがちな日常の動きが、思わぬリスクにつながることもある自転車のルール。事故やトラブルを防ぐために押さえておきたいポイントを、弁護士の寺林智栄さんに聞きました。

自転車の「逆走」と「歩道走行」が危険視される理由とは?

---自転車で車道の右側を走り、そのまま歩道へ乗り上げる走行を見かけますが、これらはどのような違反になるのでしょうか?

寺林智栄さん:

「自転車で車道の右側を通行し、そのまま歩道に乗り上げて歩行者の間を縫うように走行した場合、複数の交通違反が問題となります。

まず、自転車は道路交通法上『軽車両』に分類されるため、車両と同様に車道の左側通行が原則です。したがって、車道の右側を走る行為は『通行区分違反(右側通行)』に該当します。逆走は正面衝突事故の危険が高く、警察の重点取り締まり対象とされている典型的な違反です。

次に、そのまま歩道に乗り上げて歩行者の間を縫うように走行する行為についてです。自転車は原則として歩道通行は禁止されており、『自転車通行可』の標識がある場合や、運転者が13歳未満・70歳以上・身体の不自由な場合、または車道通行が危険な場合に限って例外的に歩道を通行できます。しかし、歩道を通行できる場合であっても、歩道は歩行者が優先であり、自転車は徐行し、歩行者の通行を妨げてはなりません。歩行者の間を縫うように走る行為は、徐行義務違反や通行方法違反に該当する可能性が高いといえます。」

違反を重ねると反則金も加算される?実務上の考え方

---自転車の交通違反で、複数の違反行為をしてしまった場合、反則金はどのように計算されるのでしょうか?

寺林智栄さん:

「自転車の交通違反について青切符の対象となる反則金は、原則として違反ごとに独立して評価され、併科(合算)されるという考え方がとられます。つまり、同じ一連の走行の中であっても、別々の危険行為が認められれば『どちらか一方だけ』ではなく、それぞれの違反に対応する反則金が課されるのが基本です。

今回のケースでは、まず車道の右側を通行する行為が『右側通行(通行区分違反)』に該当し、反則金は6000円とされています。さらに、そのまま歩道に乗り上げ、歩行者の間を縫うように走行した場合は『歩道での通行方法違反』と評価され、こちらも6000円が想定されています。これらは性質の異なる危険行為であり、互いに包含関係にはないため、実務上はそれぞれ別個の違反として扱われる可能性が高いと考えられます。

その結果、両方が認定された場合には、①右側通行:6000円②歩道通行方法違反:6000円がそれぞれ課され、合計1万2000円程度となるのが一般的な目安です。

もっとも、具体的な取締りでは危険性の程度や状況に応じて、どの違反を重点的に適用するかが判断されることもあります。ただ、逆走から歩道走行へと続く行為は事故リスクが高く、複数違反として扱われやすいため、結果として1万円を超える反則金になるケースが十分あり得ると理解しておくのが実務的でしょう。」

歩道を通行できるのは「あくまで例外」。正しいルールの再確認

---歩道を自転車で走る際、私たちはどのような意識を持つべきなのでしょうか?

寺林智栄さん:

「歩道は本来、歩行者のための空間であり、自転車が通行できる場合でも厳しいルールが課されています。まず前提として、自転車が歩道を通行できるのは『自転車通行可』の標識がある場合や、13歳未満・70歳以上・身体の不自由な方が運転する場合、または車道通行が危険な場合などに限られます。つまり、歩道通行はあくまで例外であり、常に認められているわけではありません。

歩道を通行できる場合でも、最も重要なのは歩行者優先の原則です。自転車は歩道では『徐行』が義務付けられており、歩行者の通行を妨げてはなりません。徐行とは、すぐに停止できる速度で進むことを意味し、一般的には自転車を押して歩く程度に近い低速が求められます。歩行者が多い場所では、無理に走行を続けず、自転車を降りて押して歩くことが望ましいとされています。

違反と判断されやすい行為としては、歩行者の間を縫うような走行、ベルを鳴らして歩行者をどかせる行為、スピードを落とさずに通行する行為などが挙げられます。これらは徐行義務違反や通行方法違反として取り締まりの対象となる可能性があります。歩道では『自転車は通らせてもらっている立場』であるという意識を持つことが、トラブル防止の観点からも重要といえるでしょう。」

歩道は「歩行者優先」。自転車に乗るすべての人に求められる意識改革

今回の解説を通じて、自転車がいかに「車両」としての責任を負っているかが改めて明確になりました。車道の右側走行(逆走)や歩道での乱暴な走行は、単なるマナーの問題ではなく、明確な違反として取り締まりの対象となり、時には高額な反則金が課されるリスクがあります。

明日からできることは、まず「歩道は歩行者のもの」という基本に立ち返ることです。自転車で歩道を通行する際は徐行を徹底し、歩行者が多い場所では迷わず自転車を降りて押して歩く。こうした一人ひとりの意識が、事故を減らし、誰もが安心して通行できる環境を作ります。


監修者:寺林智栄

2007年弁護士登録。札幌弁護士会。てらばやし法律事務所。2013年頃よりネット上で法律記事の執筆・監修を開始。Yahoo!トピックスで複数回1位獲得。読む方にとってわかりやすい解説を心がけています。


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