1. トップ
  2. 不動産会社は「説明義務あり」、建築会社は「説明義務なし」平屋購入者が知らない"思わぬ落とし穴"

不動産会社は「説明義務あり」、建築会社は「説明義務なし」平屋購入者が知らない"思わぬ落とし穴"

  • 2026.3.31
undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、元注文住宅営業マンのホリカワです。

階段がなく、生活動線がシンプルで、老後も暮らしやすい――そんな魅力から、「平屋」は近年の注文住宅で根強い人気を誇っています。

しかし、「安全・安心」のイメージで選ばれる平屋が、ある条件下では「危険な住宅」に一変するリスクを見過ごしている人は少なくありません。

その条件とは「水害」です。平屋を検討している方には、ぜひ家づくりを進める前に知っておいてほしいことがあります。

平屋が持つ「命取りになるかもしれない弱点」とは

近年では毎年のように、日本各地で記録的な大雨や河川氾濫が相次いでいます。もはや、このリスクを「他人事」と考えるのは危険でしょう。

水害が発生した際、2階建て住宅なら、床上浸水が始まっても浸水想定が2階に達しない水深であれば、上層階へ避難できます。一方で平屋は、浸水が始まると避難が困難になるリスクがあります

濁流が押し寄せるなかで屋外へ避難するのは極めて難しく、かといって屋根に上るのも容易ではありません。

水害リスクの確認は不動産会社や建築会社任せにできない

さらに深刻なのは、この問題の解決が施主(家を建てる人)の自助に委ねられているケースが多い、という点です。

リスクを知るのが、「土地購入の直前」では遅すぎる

現在は、土地や建物の売買契約の前に実施される「重要事項説明」という手続きのなかで、水害ハザードマップを使った浸水リスクの説明が不動産会社に義務づけられています。

「水害ハザードマップ」とは、浸水が想定される区域や、避難場所などの情報を地図上に示したものです。行政が作成し、無料で公開しています。

参考:不動産取引時において、水害ハザードマップにおける対象物件の所在地の説明を義務化(国土交通省)

ただし、ここに大きな注意点があります。この説明がおこなわれるのは、多くの場合、不動産の売買契約直前――つまり、ほぼ買うことを決めた段階なのです。

夢の間取りを思い描き、いよいよ契約というタイミングでリスクを告げられても、そこから計画を白紙に戻すのは、精神的にも時間的にも容易ではないでしょう。

だからこそ、水害ハザードマップは土地探しの最初の段階から、自分でも確認しておく必要があるのです。

建築会社には、ハザードマップを説明する義務がない

では、建築会社は水害ハザードマップを参照しながら説明してくれるのでしょうか?

残念ながら、答えは「必ずしもそうとは限らない」です。建築会社には、水害ハザードマップに関する法的な説明義務が課されていません。

そのため、対応は会社によって異なります。設計の打ち合わせでは間取りや仕様の話が中心になり、水害リスクが話題に上らないまま進むケースもあるのです。

設計段階での水害リスクへの備えも、施主自身が主体的に建築会社に働きかけるほかありません。

平屋で安全に暮らすために、最初にすべきこと

土地探しの初期段階から自ら積極的に確認したいのが、水害を含むさまざまな自然災害のハザードマップです。

国土交通省と国土地理院が運営する「ハザードマップポータルサイト」で、各自治体の洪水・土砂災害・津波などのリスク地図を探すことができます。

参考:ハザードマップポータルサイト(国土交通省・国土地理院)

浸水想定区域のなかでも、浸水深が深いとされるエリアでの平屋の建築は、慎重に検討してください。建築にあたっては、対策が取れるかどうか建築会社に確認することをおすすめします。

「上に逃げる選択肢が限られる」という自覚を持って計画を進める

平屋には「1フロアで生活が完結する」という魅力がありますが、その魅力は安全な土地の上に建ててこそ成立します。

2階に避難できない平屋だからこそ、「どう建てるか」より先に「どこに建てるか」を慎重に検討する必要があるでしょう。

平屋は、水害時に「上に逃げる」選択肢が限られる――それを理解したうえで、土地とハザードマップに向き合ってほしいと思います。

リスクを確認したうえで選んだ土地に建つ平屋なら、「老後も安心」という言葉が、本当の意味で成立する住まいになるはずです。


ライター:ホリカワ ダット
注文住宅の建築会社に営業職として従事したあと、SEOライターとして独立。500組以上の家づくり相談に携わった経験をもとに、「マイホーム取得を少しでもラクに」をテーマに、住宅ジャンルの記事を幅広く執筆中。インテリアコーディネーター/1級カラーコーディネーター(商品色彩)資格保有。


【エピソード募集】日常のちょっとした体験、TRILLでシェアしませんか?【2分で完了・匿名】

の記事をもっとみる