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「今の家賃と同じ8万円なら…」ボーナス払いに頼った40代男性、念願の新築を4年で手放した“地獄の入り口”

  • 2026.3.11
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。宅地建物取引士で10年以上の現場経験を持つ、不動産ライターのT.Sです。マイホームを購入する際、月々の支払いを今の家賃と同額に抑えたいと考える方は多いのではないでしょうか。

今回は月々の負担を減らすためにボーナス払いを多めに設定し、家計が破綻してしまった男性のエピソードを紹介します。

「家賃と同じ支払額」を叶えるボーナス払いの罠

中堅メーカーに勤務し年収550万円を得ていた40代の男性Aさんは、ある程度の頭金を入れ、郊外に4,500万円の新築戸建てを購入しました。ローンの借入にあたり、彼は「月々の支払いは今の家賃と同じ8万円に抑えたい」と不動産会社に要望します。

担当者の提案で年2回のボーナス月に20万円を加算し、合計28万円を引き落とすボーナス併用払いを設定しました。Aさんは「例年ボーナスが1回50万円以上出ているから余裕だ」と考え、契約に踏み切ります。妻と小学生の子どもとともに、念願のマイホーム生活がスタートしたのです。

業績悪化でボーナス半減。雪だるま式に膨らむ借金

しかし購入から3年後、業界の不況によりAさんの会社の業績が悪化しました。夏のボーナスが例年の半分以下となる、20万円台に激減してしまったのです。ボーナスが減っても銀行の引き落としは待ってくれず、住宅ローンの支払いでボーナスがなくなりました。

固定資産税(不動産を所有していると毎年かかる税金)や車検代など、ボーナスから払うつもりだった特別支出が全く払えない事態に陥ります。妻にパートを増やしてもらうものの、焼け石に水という状態でした。

妻にこれ以上心配をかけられないという思いから、Aさんは生活費の穴埋めとして銀行のカードローンに手を出してしまいます。年利約14%の利息が重くのしかかり、返済のために別の枠で借りる自転車操業へと追い込まれました。

競売の危機と任意売却。適正なローン計画の基本

カードローンの利用からわずか1年半ほどで借金は200万円を超え、ついに住宅ローンの引き落としができず滞納してしまいます。銀行から督促状が届き始め、競売(裁判所の手続きにより強制的に売却されること)にかけられると悟ったAさんは、不動産会社へ任意売却(競売になる前に市場価格で売ること)の相談に行きました。

結局家は手放すことになり、残ったローンと借金を返済しながら現在は家族で賃貸アパートに暮らしています。Aさんは一人で抱え込まず、早めに妻へ相談すべきだったと深く後悔しているそうです。

ボーナスは確約された収入ではないため、住宅ローンは毎月の給料だけで無理なく返せる額で組むことが基本といえます。どうしてもボーナス払いを使う場合は、加算額を手取り支給額の3分の1以下に抑えるようおすすめします。特別支出や貯蓄に回せる余裕を残しておくことが、家計を守るための安全ラインになるでしょう。



ライター:T.S(宅地建物取引士)
大学卒業後、大手不動産会社に入社。10年以上にわたり、都心のタワーマンションから郊外の築古戸建てまで、数多くの現場経験を積む。現在は不動産ライターとして「業界の不都合な真実」や、消費者が陥りやすいマネーの罠について、実体験に基づく記事を執筆している。


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