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「安全な家=ダサい」はもう古い。インテリアの達人が直伝、介護や育児をしながら“生活感を消す”逆転術

  • 2026.3.10
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。二級建築士・インテリアコーディネーターの桐野由衣です。

すっきりとしたおしゃれな部屋で暮らしたいのになぜか生活感が出てしまう、そんな悩みを感じている人は多いのではないでしょうか。特に小さい子どもや介護が必要なご年配の方がいるご家庭だと、家庭内で事故が起きないよう注意する必要もあるため、おしゃれな家づくりを諦めかけているというケースをよく聞きます。

しかし、ちょっとした工夫によって、安全でおしゃれな家づくりは可能です。本記事では、家づくりにおける子どもやシニアの安全対策の考え方と、生活感が出にくいインテリアのコツを解説します。

意外と多い家庭内事故を防ぐには

一見安全に見える家の中ですが、子どもやご年配の方にとっては意外なところでケガにつながる事故の要因が隠れています。階段から転落する、玄関の上がり框でつまずき転倒する、ドアを閉める時指を挟むなど、実は家の中は思わぬ事故が起きやすい環境です。

こうした家庭内事故を防ぐには、子どもやご年配の方の行動の特性を把握しておくことが大切です。

子どもの場合、大人よりも視点が低く運動能力が未発達なため、テーブルの角で頭をぶつけたり、ソファから転落したりと大人では問題ない箇所でケガをすることがあります。ご年配の方の場合は、加齢によって足腰が弱く視力も落ちるので、数センチの段差につまずいたり、入浴中に浴槽から洗い場に移動中滑って転んだりします。

「子どもやご年配の方には家の中がどう見えているか」という視点が重要です。

安全×おしゃれは成立する!具体例を紹介

安全でおしゃれな家づくりのために、まずどのような問題や不安を解決したいのか整理しましょう。特に二世帯住宅の場合は、2世代3世代が同居するため、安全を確保したい家族の過ごしやすさを優先することが重要です。

解決したい問題や不安が把握できたら個別に対策を取っていきますが、問題の多くを解決できる方法のひとつが家族の生活動線を考えることです。室内やトイレ・お風呂に行くまでの通路など、子どもやご年配の方がよく通る場所に段差はないか、迂回しなければ通れない間取りになっていないかチェックし、家具を配置する時は部屋の中央ではなく壁面に沿ってレイアウトすると、衝突によるケガを回避しやすく、本人も見守る家族も安心です。

また、明るさも確認しておきたいポイントです。ご年配の方は年を重ねるほど「明るいとまぶしく、暗いと見えない」という視力になっていくため、おしゃれさを優先した間接照明だと見えにくい場合が多いです。明るさを調整できる照明器具を設置するなど、お年寄りが周囲を視認しやすい明るさはキープしましょう。

私が担当したお客様の実例をいくつかご紹介します。

  • 玄関の上がり框をL型に設置し、子どもやご年配の方が座って靴を脱ぎ履きできるよう配慮
  • ご年配の方の個室からトイレまでの通路にフットライトを設置し、夜間でも足元がしっかり見える明るさに
  • リビングの一角に畳敷きの小上がりを設け、赤ちゃんがお昼寝したりご年配の方が腰かけて休んだりできる空間に
  • 家全体の壁紙をホワイトではなく薄いグレーに統一し、光の反射によるまぶしさを抑えながらモダンなインテリアに

おしゃれに見えるポイント「生活感を消す」コツ

小さい子どもやご年配の方がいる場合の家づくりは安全対策が最優先ではあるものの、おしゃれさも楽しみたい、そんな場合に意識していただきたいのは「生活感を消す」ことです。

基本的に、「室内にモノが多い」「カラーバランスが取れていない」場合に人は生活感を感じやすくなります。

モノが多いと雑然とした雰囲気になって落ち着きませんので、たとえば子どものおもちゃはバスケットに入れるなど、見える量を物理的に減らす収納を意識しましょう。また、床の木目と家具の木目の色のトーンを合わせるだけでも、統一感が高まっておしゃれな雰囲気に見えやすくなります。

意外と使っていない「あの場所」を活用しよう

「おしゃれな家にしたい」というお客様は多いのですが、収納計画やインテリアを考えるうえでよく見落とされているのが壁面です。内装や家具や照明やカーテンはじっくり吟味している反面、リビングの壁面はぽっかり空いたままというケースが目立ちます。

オープン棚を設置して見せる収納を楽しむ、有孔ボードをつけてつる性の観葉植物を飾るなど、縦の面が生かせる演出を楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

安全とおしゃれは両立できないという印象が強いかもしれませんが、大掛かりなリフォームをしなくても、日常のちょっとした工夫で「何かダサい」を回避しながら子育てや介護が安心してできる家づくりは可能です。子どもやご年配の方の様子に合わせて、簡単に実践できそうな方法から試してみてくださいね。


ライター:桐野由衣
住宅設備メーカーや住宅コンサルタント会社、大手リノベーション設計会社にて新築分譲マンションの設計変更、戸建住宅・オフィス・医療施設等の設計およびインテリアコーディネートに携わる。
建築関連分野の記事執筆・校正校閲・監修業務、企業研修講師、インテリアコーディネーター資格対策テキスト監修、工務店の施工事例集ディレクションなどの実績も多数。


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