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麻路さき&彩輝なお、30周年迎えた『エリザベート』に感謝 ガラ・コンサートならではの魅力を楽しむ

  • 2026.2.23
(左から)彩輝なお、麻路さき クランクイン! 写真:高野広美 width=
(左から)彩輝なお、麻路さき クランクイン! 写真:高野広美

宝塚歌劇団による1996年の日本初演以来、多くのファンに愛され続ける不朽の名作ミュージカル『エリザベート』。その日本上演30周年を記念した『エリザベート TAKARAZUKA30th スペシャル・ガラ・コンサート』が上演中だ。今回クランクイン!では、1996年星組公演で主演を務めた麻路さきと、2005年月組公演で主演した彩輝なおにインタビュー。30年という歴史を紡いだ『エリザベート』の思い出やその魅力を語ってもらった。

【写真】麻路さき&彩輝なお、30年前に星組で紡いだ絆は今も健在! 仲良しツーショット

◆「トートを演じるのは本当に嫌だった」(麻路)

1992年のウィーン初演以来、世界各国で上演が続けられているミュージカル『エリザベート』は、死を象徴する黄泉の帝王トートとヨーロッパ宮廷随一の美貌を謳われたオーストリア皇后エリザベートとの愛の物語。美しい旋律で彩られた楽曲で綴られ、日本では小池修一郎の潤色・演出により宝塚歌劇団で10バージョン上演されるなど、毎回チケット争奪戦が起きるほどの人気を誇る。

そんな本作で麻路は、初演の雪組に続き同年上演された星組で、彩輝は麻路を本役とする新人公演と月組トップ就任後の退団公演にてそれぞれトートを演じた。

――『エリザベート』30周年を記念するガラ・コンサートとなりますが、出演のお話を聞かれた時はどのようなお気持ちでしたでしょうか。

麻路:30年という歴史を重ねて、今回参加できるというのはものすごくびっくりです。私は宝塚を卒業して、芸能界の一線からは離れていましたし、30年普通の生活をしていればいろんなことがありますよね。もう30年経ったなんて本当に月日が流れるのは早いなって思います。

彩輝:マリコさん(麻路)が主演を務めた星組公演から30年。その時、私も星組におりまして、新人公演でトートを演じさせていただき、本役のマリコさんからトートのお手本としても、男役としてもたくさんのことを学ばせていただきました。そしてそこから10年経って、5組全組を周った2005年の月組公演でトート役をやらせていただいたのが退団公演でした。そこで男役の集大成としてトートを務めさせていただきました。そこからまた20年と、エリザベートの区切りと共に自分がいる感じは否めないんですけど(笑)、すごくご縁があるなぁと感じています。

麻路:在団中に関わってなかったら出してもらえないものね。

彩輝:そうですよね。体力的にできるかな?とかいろいろ考えるようになりましたが、先ほどマリコさんが30年も暮らしていたらいろいろあるとおっしゃっていましたが、そのいろいろなものが、当時の感覚に味となってプラスされていくんだろうなって思うと、今回またどういう風に演じられるのかとすごく楽しみでした。

――30年前に星組さんで『エリザベートをやります』となった時は、どんな印象でしたか?

麻路:「それは絶対嫌です」と。私、白城あやかちゃん、稔幸ちゃんと3人でヨーロッパにお仕事に行かせていただいた時に、たまたまこの作品をウィーンで観ていたんです。素晴らしい作品でしたし、雪組がやるらしいとも聞いていたので、そりゃ雪組では一路真輝さんが歌ったらぴったりだろうと。それで「雪組の次は星組で」と聞いた瞬間に「それは冗談じゃない!」って。本当に嫌でしたね。

――実際に演じてみての印象はいかがでしたか?

麻路:作品は本当に素晴らしいし、役的にもトートってどうとでも作れる役じゃないですか。歴史上の人物たちばかりの中で、実在しない存在としてすごく自由にやれるっていう面白さはものすごくありました。

でも、トップになってからこんなにプレッシャーに苛まれる日々を送るとは思っていなかったですね。私たちの時は大劇場と東京で公演の間が空くんですよ。稽古が始まってから千秋楽を迎えるまでに約半年かかるんですよね。その半年は、宝塚人生の中でもすごく濃い半年だったかもしれないです。

――現時点で星組のトートは麻路さんだけですもんね。

麻路:え! そうなの? 気が付かなかった。でも、これってもう巡り合わせなんですよね。全く『エリザベート』に出なかったっていう子もいれば、組替えしてまた出ましたっていう子もいるし。こればかりは本当に運ですよね。ガラ・コンサートにも毎回出させていただけて、本当にラッキーだなと思います。

――彩輝さんは月組から星組に組替え後、新人公演でトート役を演じられました。

彩輝:最後の新人公演でした。もう30年も前なので、トート役に決まった時の気持ちは覚えてないんですよね(笑)。

麻路:あの頃って、新人公演の主演はそんなに変わらず何度も同じ子がやる感じだったよね。

彩輝:上級生の皆様は、子どもを育てるような雰囲気でしたね。私ができなかったというのもありますが、みなさんが親のように温かく見守ってくださっていました。

麻路:バウホール公演も若手の勉強の場だったし、おおらかにじっくりと育てる感じがあったよね。別にお客様が入らなくても全然怒られなかったし、大失敗してもまた次もチャンスがあった。

彩輝:私は何度主役をやらせていただいても、何度も失敗しました。銀橋に出る前に手を前に出したらマイクを飛ばしちゃったり(笑)。

◆「退団公演でのトート役に葛藤もあった」(彩輝)


――そんな新人公演を経て、彩輝さんは2005年に月組で退団公演としてまたトート閣下を演じられました。

彩輝:本当に『エリザベート』という作品は大好きですしとても大切だけども、男役の最後がこの役でいいのかというのは、ちょっと自分の中に葛藤がありました。男役の終止符、集大成には、もっと“THE 宝塚”といいますか、宝塚の男役らしさのあるほうがよかったのかなとかいろいろ考えましたけど、最後まで課題を与えていただけたと思いますし、よかったのだと思います。

――お二人は大阪で3月4日と15日に上演される「アニヴァーサリー30周年ver.」では、トート役を一緒に引き継いで演じられるんですよね。

麻路:ガラ・コンサートならではですよね。一緒にトートを演じるズンコちゃん(姿月あさと)もよく知ってる仲だし、とても楽しみです。

過去のガラ・コンサートではトート役が最大7人で共演したのですが、もちろん舞台に取り組む姿勢は昔と変わらず一生懸命やろうというのはあるんですけど、みんな現役の頃から年月が経っているから、自分たちが今ここに立っていることを楽しんじゃおう!という感覚なんですよね。だから楽屋はうるさいですよ(笑)。

彩輝:笑い疲れるぐらいですよね。

麻路:学年差もあるんですけど、やっぱりみんな知った仲間の感覚があるんですよね。

――彩輝さんはガラ・コンサートの思い出はいかがですか?

彩輝:毎回すごく楽しいです。でも1度大失敗したことがあって(笑)。その日が何人のトートバージョンかによって歌う尺が変わるんですね。それで、まだ前の人が歌うところだと思っていて、出だしを歌わなかったことがあったんです。「あ!」と思ってなんとか間に合って続きは歌ったんですけど、私の周りは平気な顔をしながらもザワつきました。今回はちゃんと気をつけたいと思います(笑)。

◆麻路&彩輝が考えるガラ・コンサートの魅力とは?


――麻路さんがソロでトート役を務める「アニヴァーサリー‛96星組ver.」では、エリザベートは白羽ゆりさんが演じられますが、そのほかはフランツが稔幸さん、ルキーニは湖月わたるさん、ルドルフがえまおゆうさんと、当時星組だった皆さんがそろわれます。

麻路:わたちゃん(湖月)は当時エルマー役で出ていましたし、ほかにも月影瞳ちゃんや同期の出雲綾も一緒なので、勝手知ったるメンバーばかりで心強いです。

――彩輝さんがソロでトート役を務める「アニヴァーサリー‛05月組ver.」では、エリザベート役が月影瞳さんです。

彩輝:1996年に新人公演でコンビを組んだ顔合わせが再びですね。同期ですし、信頼関係はばっちりなので、お互い自由にやって大丈夫だと思います。

――フランツが初風緑さん、ルキーニが霧矢大夢さん、ルドルフが大空ゆうひさんと2005年メンバーも再集結されます。

彩輝:本当にうれしいですね。越乃リュウちゃんもいるし安心感たっぷりですし、みんなすごく支えてくださったなっていう記憶があるんですよね。というのは、当時みんな学年が上がってきたというのもあって同期生が組にいなかったんですよね。みんなで支え合っていかないと!という感じで、同期生みたいに親密になれた思い出があります。当時は妹(彩那音)も月組におりまして、みんな妹たちみたいでしたね。

――さまざまなOG公演がありますが、このガラ・コンサートの魅力はどんなところにあると思われますか?

麻路:作り直さず、本公演のそのままやるところですかね。メンバーが多少変わるだけで、あの頃の空気をまた楽しんでいただけるのが魅力だと思います。

彩輝:これが1番ベストな形ってことですよね。

麻路:オケのメンバーだってもう顔なじみだもんね。私、今回の公演が決まった瞬間にすぐ、仲良しのオケのメンバーから「よろしく」って連絡をもらいました。

彩輝:私も今『ピアフ』でも一緒のメンバーがいるんですけど、「ガラコン出るよね?」という話をしました。

麻路:オケのみなさんも、絶対にテンポ感は変えちゃいけないと言いながらも、慣れている方は「いや、この人はここで絶対これだけ伸ばすよ」とわかってらっしゃる方が多いんですよ。仲良くなってお互いを知った状態で、5年空いて久々にまたやろうとなっても、すぐに戻れるというのが楽しいですね。

――では最後に、今回のガラ・コンサートを楽しみにされているファンの皆様にメッセージをお願いします。

麻路:皆様のおかげで30年という長い年月、この『エリザベート』という作品が続いていて、毎回これだけのメンバーを集めて企画していただけるというのは本当にありがたいことだなと思います。まさか30年経ってまたトートができるとは思っていなかったので、OG公演にもたくさん出させていただいていますけど、本当に集大成と思ってもいいぐらいに頑張りたいです。力を入れすぎるわけじゃなく思いっきり楽しんで、いろいろなことに感謝しながらやりたいなと思っております。お客様もあれから30年経っていますので、道中気をつけて劇場にお越しください(笑)。

彩輝:この作品がここまでの名作になったことはすごいことですし、作品の素晴らしさもありますが、お客様にこの30年間愛していただいたおかげだと思っています。こうしてまたご縁をいただいて、出演させていただくことにもとても感謝しています。出演者の皆さんと時空を超えたような組み合わせで共演できることもとても幸せなことだと思います。この作品には独特な緊張感と集中力があるのですが、私も自分と向き合って、これまで感じてきたものをトート役に注ぎ込み、より魅力的になるように作り上げていきますので、どうか皆様いろいろなバージョンをご覧いただいて『エリザベート』の世界観を体感していただけるとうれしいです。

(取材・文:田中ハルマ 写真:高野広美)

阪急阪神不動産presents『エリザベートTAKARAZUKA30th スペシャル・ガラ・コンサート』は、2月28日~3月15日大阪・梅田芸術劇場メインホール、3月23日~25日愛知・御園座にて上演。

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