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「演じてはいるけれど、とてもナチュラル」『べらぼう』きよ役・藤間爽子さんの飾らない表情

  • 2026.2.4

[IN THE BACK] vol.7
Starring Sawako Fujima
“chanson de rêve”
 
ふとした瞬間の表情や仕草に宿る、その人自身の奥にある“何か”を引き出す、メイキャッパーUDAさんが手がける不定期連載。今回は俳優として、また「藤間 紫」として日本舞踊紫派藤間流家元・3代目を務める藤間爽子さんに登場していただきました。

ジャケット ¥308,000、中に着たニット ¥38,500、スカート ¥293,700(全てマメ クロゴウチ/マメ クロゴウチ オンラインストア)、イヤーカフ ¥132,000(カラットアー/イセタンサローネ トウキョウ)

ドレス ¥97,900、中に着たニット ¥40,700(共にマメ クロゴウチ/マメ クロゴウチ オンラインストア)、イヤリング ¥66,000、ブレスレット ¥55,000(共にカラットアー/イセタンサローネ トウキョウ)

BEHIND THE SCENES

うららかな太陽の日差しを感じながらも、冷たい風が吹き抜ける冴ゆる朝に始まった今回の撮影。虚実皮膜――現実と虚構の境界を曖昧にたゆたう藤間爽子の一瞬の表情を、すくい取る。

虚と実のあわいに、自然に立つ。

数回のミーティングを重ね、迎えた今回の撮影。藤間爽子さんは、その時間をとても贅沢だったと振り返る。
 
「撮影って、当日に衣装を着て、スタッフの方も全員初めましての状態で進んでいくことがほとんど。もちろん、お洋服やメイクを美しく見せることも大切だと思うのですが、今回は何よりも“人が主”というのを強く感じました。今回は私がどういう人間なのか、どういう表現をしてきたのかを踏まえた上で撮影の準備してくださっていたので、違和感なく自然とその場に入り込めた感覚がありました」
 
表現したのは、現実に生きる人物像というよりも、輪郭を曖昧にした存在としてのイメージ。
 
「どこか夢の中にいるような、現実から一歩引いた場所に佇んでいる感覚がすごく新鮮で楽しかったです」
 
触れられそうで触れられない存在。その設定もまた、藤間さんにとっては特別なものではなかった。
 
「歌舞伎や日本舞踊の世界って、もともと想像の中で成立している表現だと思うんです。虚と実のあいだに立つ感覚というか。だから、そういうものが日常の中にふわっと立ち上がるのは、むしろ自然なことだなと感じていました」
 
もっとも、その世界からふと現実に戻った瞬間、照れくささを覚えることもあるという。
 
「やっている最中は楽しいんですけど、少し時間が経つと“大丈夫だったかな”ってふと思う瞬間もあります(笑)。でも、それも含めて、私はそういう曖昧なところを楽しめる人間なんだと思います」
 
今回の撮影で引き出されたのは、新しい一面というよりも「これって私だな」と思える感覚だった。
 
「無理して何かを演じていたわけではなかったです。演じてはいるけれど、とてもナチュラルな自分。そう感じられたのは、きっと用意してくださった世界観が自分では無意識に感じていたものを、目に見える形にしてもらえたからだったと思います」
 
虚構と現実のあわいに立ち、自然に息づく表情。そこにあったのは、飾らない藤間爽子さん自身の輪郭だった。

ドレス ¥97,900、中に着たニット ¥40,700(共にマメ クロゴウチ/マメ クロゴウチ オンラインストア)、イヤリング ¥66,000、ブレスレット ¥55,000(共にカラットアー/イセタンサローネ トウキョウ)

Profile_藤間爽子(ふじま・さわこ)/俳優、日本舞踊家。1994年、東京都生まれ。日本舞踊紫派藤間流家元・三代目藤間紫としての顔も持ち、幼少期より舞踊の世界に身を置く。俳優業では映画、ドラマ、舞台で着実にキャリアを重ね、繊細さと芯の強さを併せ持つ存在感で注目を集める。伝統に裏打ちされたたおやかな所作と、現代的な感性が交差する表現が魅力。

direction & make-up:UDA[mekashi project]
photograph:MASAYA TANAKA[TRON]
styling:TEPPEI hair:HIDEKA[une/HOUNE]
model:SAWAKO FUJIMA edit:MIYU SUGIMORI
 
otona MUSE 2026年3月号より

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