1. トップ
  2. 恋愛
  3. 男性の「心臓病リスク」が加速し始める年齢が判明

男性の「心臓病リスク」が加速し始める年齢が判明

  • 2026.2.3
Credit: canva

「心臓病は中高年の病気」というイメージを持っている人は多いかもしれません。

しかし米ノースウェスタン大学(Northwestern University)の最新研究により、男性では想像以上に早い年齢から、心臓病リスクが女性との差を広げ始めていることが明らかになりました。

その分岐点は、40代でも50代でもなく、30代半ばだったのです。

研究の詳細は2026年1月28日付で学術誌『JAMA』に掲載されています。

目次

  • 男女の差が開き始める「35歳」という転換点
  • なぜ男性だけリスクが早く高まるのか

男女の差が開き始める「35歳」という転換点

研究者たちは、1980年代半ばに18〜30歳だった健康な成人5100人以上を登録し、2020年まで30年以上にわたって追跡しました。

このように若年成人期から同じ人を長期間追い続けたことで、心血管疾患リスクが「いつ」男女で分かれ始めるのかを正確に捉えることができました。

解析の結果、男女で心血管疾患リスクに差が現れ始める重要な年齢は35歳前後であることが分かりました。

30代前半までは、男性と女性のリスクはほぼ同じ水準にあります。

ところが35歳を境に、男性のリスクが女性よりも速いペースで上昇し、その差は中年期まで持続していきます。

この差を最も強く生み出していたのが、心臓発作の主な原因となる冠動脈疾患です。

男性は、冠動脈疾患の発症率が2%に達する時期が、女性より10年以上早いことが示されました。

一方で、脳卒中の発症率には大きな男女差はなく、心不全についての差はより高齢になってから現れていました。

なぜ男性だけリスクが早く高まるのか

チームは、なぜ男性の心臓病リスクがこれほど早く高まるのかを探るため、さまざまな要因を詳しく検討しました。

血圧、コレステロール、血糖値、喫煙、食事、身体活動量、体重といった、従来から知られている危険因子を統計的に調整したのです。

その結果、高血圧など一部の要因は男女差の「一部」を説明しましたが、差そのものを完全に消すことはできませんでした。

これは喫煙や生活習慣病の違いだけでは説明できない要因が存在することを意味しています。

研究者たちは、性ホルモンの違いや脂質代謝の差、さらには社会的役割や医療へのアクセスといった、より広い視点での検討が必要だと指摘しています。

特に注目されたのが、予防医療の受診率の違いです。

米国では18〜44歳の若年層において、女性は男性より定期健診を受ける割合が4倍以上高いことが知られています。

婦人科や産科の受診機会がある女性に比べ、男性は健康診断を受ける機会そのものが少ない傾向にあります。

研究者たちは、40歳以上を対象とする従来の心臓病スクリーニングでは、男性にとって重要な「35歳前後」という予防のチャンスを逃している可能性があると警鐘を鳴らしています。

心臓病は「もっと若い頃」から始まっている

今回の研究は、男性の心臓病リスクが本格的に加速し始める年齢が、想像以上に早いことを示しました。

心臓病は突然発症する病気ではなく、何十年もかけて静かに進行していく病気です。

そのため、30代は「まだ若いから大丈夫」な時期ではなく、むしろ将来の健康を左右する重要な分岐点と言えます。

研究者たちは、若い男性が予防医療を受ける機会を増やすことが、心臓病リスクを下げる大きな鍵になると強調しています。

心臓病は依然として男女ともに主要な死因であり、予防の重要性はすべての人に共通です。

今回の発見は、「心臓病対策は何歳から始めるべきか」という常識を、根本から見直す必要があることを私たちに突きつけています。

参考文献

Study Reveals a Turning Point When Men’s Heart Attack Risk Accelerates
https://www.sciencealert.com/study-reveals-a-turning-point-when-mens-heart-attack-risk-accelerates

Men’s heart attack risk climbs by mid-30s, years before women
https://news.northwestern.edu/stories/2026/01/mens-heart-attack-risk-climbs-by-mid-30s-years-before-women

元論文

Sex Differences in Age of Onset of Premature Cardiovascular Disease and Subtypes: The Coronary Artery Risk Development in Young Adults Study
https://doi.org/10.1161/JAHA.125.044922

ライター

千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。

編集者

ナゾロジー 編集部

元記事で読む
の記事をもっとみる