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ダコタ・ジョンソンが語る、2026年に惹かれるファッション

  • 2026.2.2

「じゃあ……あんまり際どいことは言わないほうがいいでしょうか?」

会話が録音されていることに気づいた瞬間、ダコタ・ジョンソンはそう言って笑った。インタビュー中、彼女が何を言わんとしているのか判別しづらい場面も少なくない。ほとんどすべての答えは、ひと呼吸置いた沈黙のあと、その後クスクスとした笑いで締めくくられるからだ。やがて、36歳のジョンソンが、幼い頃から並外れて鋭い感覚の持ち主だったことがはっきりしてくる。

「幼い頃から、布が体に触れる感触にすごく敏感でした」と彼女は言う。「母の着こなしが大好きだったので、ジーンズを履きたかったのですが、デニムが肌に触れる感じが苦手で、必ず下にタイツを重ねていました」。足もとには『オズの魔法使』を思わせるメリージェーンを履き、花柄の刺繍が施されたメッシュベストを合わせて、当時はそれを“かなりイケてる”と思っていたという。母であるメラニー・グリフィスがサングラスをかけていれば、彼女も同じようにかけていた。「今思うと、かなり変わった子ですよね」

その感覚の繊細さは、大人になった今も変わらない。「ケイト(スタイリストののケイト・ヤング)にはタートルネックもモヘアもダメって言っているんです」と彼女は続けた。「口の中にくっつく感じがするから」

実際、ジョンソンがアレッサンドロ・ミケーレによるヴァレンティノ(VALENTINO)2026年春夏オートクチュールコレクションで着用したルックに惹かれたのも、肌に触れる布地が少なかったからであった。その日彼女は、袖口に羽根飾りをあしらった、ボクシーなショルダーのマトラッセシュラッグを、レオパード柄のボウタイブラウスの上に重ねていた。ブラウスはレースのマイクロショーツにタックイン。足もとは花柄刺繍のタイツに、メタルチップ付きのアンクルストラップが印象的な、ピンヒールのロックスタッズパンプスを合わせていた。

「パンツを履かないほうが、私にはしっくりくるんです」と彼女が言うと、周囲はまた笑いに包まれた。「それに、アレッサンドロは私の人生で、特別な存在のひとり。彼のクリエイティブな才能を追うのが好きですし、彼の思考と心が働くのを見るのが大好きなんです。この旅路をともにできることを、心から光栄に思っています」

テニス・クラブ・ド・パリで行われたヴァレンティノの2026年春夏オートクチュールショーを、ジョンソンはフロントロウで鑑賞した。隣にはリリー・アレンが座っていた。コレクションは、映画以前の立体視娯楽「カイザーパノラマ」を用いて披露された。観客が壁に設けられた小さな四角い覗き穴をのぞき込むと、モデルたちはひとりずつ光に照らし出された。

ショーは、ヴァレンティノ・レッドドレスで幕を開けた。この赤は、パントンにも登録されている、メゾン創設者ヴァレンティノ・ガラヴァーニ──1週間半前にローマで93歳で亡くなったばかり──が生み出した象徴的な色へのオマージュでもあった。

ラストを飾ったのは、くすみ感のあるゴールドの、プリーツが施されたボールガウン。「アレッサンドロと私は、本当にたくさんの瞬間を共有してきました」とジョンソンは言う。「そして、それを語ることは決してありません」

ここしばらく、ジョンソンが1シーズンの間に複数のショーに足を運ぶことはなかった。ヴァレンティノのグローバル・ブランドアンバサダーに就任したばかりの彼女にとって、その状況が近々変わる可能性は低いだろう。だが、彼女はそれで十分満足しているように見える。

「美しいアートが生まれる瞬間に立ち会えることに、いつも感謝しています」と彼女は言う。「でも、ファッションウィークでは人の多さや服に関する会話の多さに、気後れしてしまうことも多いんです」(彼女は以前、自身の服装について「私はただドレスを着ているだけ。そこからどんな物語を思い描くかは、見る人次第です」と語っている)。正直に言えば、私も同感だ。ファッションウィークでいちばんやりたくないことは、ファッションについて話すことなのだから。

とはいえ彼女にも、語りたいファッションがある。「今はランジェリーっぽいムードが気分。ジーンズの上にスリップドレスを重ねるのもいいし、タイツの上にショーツを合わせるのも好きです」。

Text: Daniel Rodgers Adaptation: Kie Uchino

From VOGUE.CO.UK

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