1. トップ
  2. 駅徒歩20分、築35年中古戸建て→ライバル登場で「半年間内見ゼロ」の異常事態に…結末やいかに

駅徒歩20分、築35年中古戸建て→ライバル登場で「半年間内見ゼロ」の異常事態に…結末やいかに

  • 2026.3.2
undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。不動産ライターのS.Kです。

家の売却において、価格設定は成約の行方を左右する重要な要素といえます。少しでも高く売りたいのが人情ですが、相場を無視した値付けが命取りになることも少なくありません。

今回は私の営業マン時代に経験した、強気な価格設定により「塩漬け(長期間売れ残ること)」になりかけた物件のエピソードを紹介します。半年間も買い手がつかなかった不人気物件を救ったのは、最新のネット集客ではなく街の古い不動産屋でした。

「あと200万円で新築」の壁!半年間も内見ゼロの異常事態

私が不動産営業マンだった頃、郊外にある築35年の中古戸建ての売却を担当しました。駅徒歩20分という立地でしたが、売主様の希望で同条件の中古相場より500万円高い価格で売り出すことになったのです。しかし同時期に、駅徒歩15分の場所で新築の建売住宅が販売開始されました。その価格差は、わずか200万円です。

買主からすれば「あと少し出せば新築が買える」という状態です。大手ポータルサイトに掲載しチラシもまきましたが、半年間も内見すら入らない異常事態に陥りました。ネット上ではいつまでも売れ残っている物件として晒され続け、私は大幅な値下げを提案しようと覚悟を決めたのです。

ネット全盛期にアナログの底力!地元業者による客付け

値下げ提案の準備を進めていた矢先、地元の不動産会社から突然「買いたい人がいる」と連絡が入りました。半信半疑で対応しましたが、トントン拍子で話が進み、なんとほぼ満額で成約しました。

ネットでの反響は皆無だったにもかかわらず、その会社がどこから買主を見つけてきたのかは謎のままです。おそらく独自のネットワークや、ネットを使わない層へのアプローチがあったのでしょう。

詳しい経緯はわからないままですが「とにかく売れてしまった」という薄氷の勝利です。こうして半年間の苦戦が嘘のように、売却活動は幕を閉じました。

運頼みの高値設定は危険!適正価格と「地元業者」の活用を

今回は地元業者の集客力に救われましたが、これはあくまで運が良かっただけの結果論に過ぎません。競合物件を無視した高値設定は、市場で売れ残りの烙印を押される最大の要因となります。

最終的に数百万円単位の値下げを強いられるリスクが高いため、最初から客観的な適正価格を設定するのが鉄則です。

また大手サイトだけに依存せず、地元の不動産会社にも情報を流してもらうことで、思わぬ買い手に出会える確率が高まります。売却の際は幅広く情報を拡散し、リスクを分散させる視点を持つことが大切といえるでしょう。



ライター:T.S(宅地建物取引士)
大学卒業後、大手不動産会社に入社。10年以上にわたり、都心のタワーマンションから郊外の築古戸建てまで、数多くの現場経験を積む。現在は不動産ライターとして「業界の不都合な真実」や、消費者が陥りやすいマネーの罠について、実体験に基づく記事を執筆している。


▶︎2分で完了!日常のモヤっとした出来事、TRILLでシェアしませんか?