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築40年団地をリノベも「トイレを流すと…」→入居3日後、30代男性を襲った“落とし穴”【不動産のプロは見た】

  • 2026.2.26
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。マンション管理士で不動産ライターのS.Kです。

近年、昭和レトロな雰囲気が残る「築古団地」をフルリノベーションして住むスタイルが人気ですが、そこには「見落としがちな深刻なリスク」が潜んでいることをご存じでしょうか。

今回は、表面的なおしゃれさに惹かれて購入を決めた結果、入居直後から配管トラブルに見舞われた30代男性のエピソードを紹介します。

入居3日目でトイレが逆流?憧れのリノベ団地で起きた悲劇

都内にある築40年の団地。Aさん(30代男性)は、おしゃれな内装に一目惚れし、物件の購入を決意しました。水回りの設備もすべて新品に交換されており、快適な新生活が始まるはずでした。

しかし入居して3日目の夜、トイレを流すと「ボコボコ」という不気味な音が響き、便器の水位がみるみる上がってきたのです。パニックになったAさんは慌ててラバーカップを使いましたが、状況は一向に改善しません。それどころか、部屋中には鼻をつく下水の臭いが充満してしまいました。

駆けつけた業者による調査の結果、原因は新品の便器ではなく、その先にある「排水管の奥(構造部分)」の詰まりだと判明しました。床下のコンクリートに埋め込まれた古い鉄管は、経年劣化でサビだらけになり、通り道が極端に狭くなっていたのです。

「スラブ下配管」の恐怖!個人のリノベでは変えられない構造的限界

なぜ、リノベーション済みの物件でこのようなトラブルが起きるのでしょうか。最大の原因は、築古物件特有の「スラブ下配管」という構造にあります。

現代のマンションでは床の上に配管を通すのが一般的ですが、古い団地では配管が床のコンクリート(スラブ)を貫通し、下の階の天井裏を通っているケースが多くあります。この構造の場合、リノベーション工事を行っても肝心の配管自体を新しく交換することは困難です。

Aさんの事例のように、表面のキッチンやトイレだけを最新式に交換しても、汚水を運ぶパイプ自体は手付かずのまま放置されているケースは少なくありません。とくに厄介なのが、万が一水漏れが起きた場合の責任の所在です。

共用部分の配管であれば、不具合は管理組合の責任になります。しかし床下の境界線はあいまいで、原因特定のために床を剥がす費用を誰が負担するかで、揉めることも珍しくありません。

「見た目」より「履歴」を見よ!購入前に必ず確認すべき書類

こうした事態を避けるために、物件選びで絶対に確認してほしいのが「長期修繕計画書」と「修繕履歴」です。内見時の見た目のきれいさに惑わされず、不動産会社を通じて「過去に排水管の更新工事が行われているか」を必ずチェックしてください。

もし「高圧洗浄」の履歴しかなく、抜本的な交換が行われていない築40年以上の物件は、将来的な配管トラブルのリスクが懸念されます。

また、管理組合の総会議事録を見せてもらい、配管に関するトラブルが起きていないか確認するのも有効です。「おしゃれな内装」は後からいくらでも作れますが「建物の構造」と「管理の状態」は個人の力では変えられません。

長く快適に住み続けるためにも、床や壁の裏側にある“血管”の状態にまで目を向け、賢い物件選びをしてください。



ライター:S.K(マンション管理士)
不動産管理会社で10年以上の現場実務に携わり、業界団体の評価制度策定委員会に所属していた経験がある。現在はライターとして、自身の豊富な経験・知見をもとに、一次情報を盛り込んだ不動産記事を多数執筆している。


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