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「とんでもないドラマを作ったな…」日本ドラマ史上 “前例のない試み”に挑んだNHK…“数々の快挙”を遂げた至高作

  • 2026.2.15

じっくり時間をかけて丁寧に作られ、放送されるたびに質の高さが話題になるNHKドラマ。公共放送ならではのこだわりがぎゅっと詰まった物語は、観る人の心を強くつかみ、放送終了後も長く愛され続けています。今回は、そんな“快挙を遂げたNHKドラマ”5選をセレクトしました。

本記事では第5弾として、2021年放送のドラマ『きれいのくに』(NHK総合)をご紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

“快挙を遂げたNHKドラマ”『きれいのくに』

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「怖い絵展」記者発表 音声ガイド・ナビゲーターの吉田羊(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):ドラマ『きれいのくに』(NHK総合)
  • 放送期間:2021年4月12日~5月31日

あらすじ

美容師の恵理(吉田羊)と税理士の宏之(平原テツ)は、40代の再婚同士の夫婦として、旅行や食事を楽しむ優雅な生活を満喫していました。平穏な日常のなかで、わずかな容姿の衰えや夫婦のスキンシップ問題、子どもを持つことを諦めたことへの小さな思いを抱えながらも、不満はないはずでした。しかし、宏之の前に謎の女(蓮佛美沙子)が現れたことで、彼らは不可解で信じがたい出来事に巻き込まれていきます。

一方で、同じ高校に通う誠也(青木柚)凛(見上愛)れいら(岡本夏美)貴志(山脇辰哉)中山(秋元龍太朗)の5人は、放課後を共に過ごす仲の良い幼馴染です。彼らが住むのは、街を歩く大人のほとんどが同じ男(稲垣吾郎)女(加藤ローサ)の顔をしているという不思議な国でした。容姿や異性を意識し、時には年上の男性との不適切な交流に足を踏み入れるなど、揺れ動く青春を送る彼らでしたが、ある日、映画館で凛と恵理が運命的な出会いを果たします―。

ドラマ『きれいのくに』の見どころ※ネタバレあり

2021年にNHKで放送されたドラマ『きれいのくに』は、美への執着やルッキズムをテーマに、大人たちが皆同じ顔を持つという不条理な設定から始まる衝撃的な物語です。虚構と現実が混ざり合うシュールな映像体験は、視聴者の価値観を鋭く抉り、最後まで息をつかせない独特の緊張感をもたらしました。SNSでは「近年で衝撃だったドラマトップ5に入る」「全く予測できない衝撃ドラマ」「展開がぜんぜん読めない」「さすがNHK」「とんでもないドラマを作ったな…」「とにかく凄い」「めちゃくちゃ面白い」といったコメントが寄せられており、予測不能なストーリーが熱狂的な支持を得ています。

そんな本作の異彩を放つ世界観を支えているのは、極限まで役に没入した俳優陣の凄まじい熱演に他なりません。特に、複雑な感情の機微を演じ切った吉田羊さんと、それにシンクロする蓮佛美沙子さんの演技が、本作の持つ“不気味なリアリティ”を上の次元へと押し上げました。SNSでは「演技が上手すぎてびっくり」といった声が相次いでおり、実力派俳優たちが織りなす圧巻の演技の応酬が、視聴者の心に深い爪痕を残しています。

「全員同じ顔」日本ドラマ初のAIによる顔合成技術を駆使した衝撃作

ドラマ『きれいのくに』は、そのあまりに独創的な世界観で視聴者に大きな衝撃を与えた一作です。本作の最大の特徴は、主要人物をはじめとするさまざまな登場人物の顔を“AI(人工知能)によって入れ替える”という異例のVFX制作。男性はみな稲垣吾郎さん、女性はみな加藤ローサさんの顔になるという設定を、日本のドラマでは初めてとなるAIによる顔合成技術を用いて実現しました。俳優が1人で何役も演じ分けるアナログな芝居と、“顔素材”をAIが学習していく最新VFX技術を融合させたこの手法は、同じ顔をした人々があふれる不気味で美しい異世界の表現を可能にしたのです。

この革新的な映像表現と演出は高く評価され、第75回 映像技術賞(VFX)を受賞したほか、演出を手掛けた西村武五郎さんが東京ドラマアウォード2021にて演出賞を受賞するという快挙を成し遂げています。デジタルの力と作り手の真摯な向き合い方が生み出したこの衝撃作は、作品が持つ切実なメッセージをより力強く、視聴者に問いかけました。

ドラマ『きれいのくに』を観たことがない方、また本記事を読んで興味を持っていただけた方は、“大人が同じ顔をした不気味な世界で美への執着と狂気を描く衝撃作”をぜひご覧ください!


ライター:天木拓海
映画・アニメ・ドラマなど、エンタメ作品を観ることを趣味としているライター。エンタメ関連のテーマを中心に、作品考察記事/コラム記事などを手掛ける。

※記事は執筆時点の情報です