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コーナリング中もリアを活用 スタビリティを高めて狙ったラインを外さない

  • 2026.1.30

サスペンションや荷重の制御にリアブレーキを活用

ブレーキは、言うまでもなく制動力を生むための装置だが、スポーツライディングにおけるリアブレーキは、車体姿勢の調整や後輪荷重の増大などを目的に使われることのほうがむしろ多い。

前のページで解説した減速時でも、リアをプラスすることで制動力も増すが、それよりも前のめり姿勢を弱めるテクニックという意味合いが強い。車体がバンクしている状態でも、リアブレーキは車体姿勢や後輪荷重を整えるために使われることがほとんどだ。

原田さんは、「レースでは、オーバースピードで進入したときやラインを外したときにも使うけど……」と前置きしつつ、以下のようにアドバイスする。「フロントブレーキで鋭く減速できない人が、リアブレーキを覚えてもあまり意味がないのと同じで、旋回や立ち上がりでも、下半身でマシンをホールドする正しいフォームができていて、直線区間で加速力を最大限に発揮できるようなライン取りを理解できていなければ、どんなにリアブレーキの使い方を学んだとしても、スムーズかつ安全にサーキットを楽しむことはできません」

つまりここでもリアブレーキは、ある一定レベルのスキルを持つライダーが、さらに走りを進化させたいときに、初めて武器となるのだ。

ただし初中級者だからこそ、ミスによりオーバースピードでコーナーに進入してしまうこともある。このとき、フロントブレーキを握れば車体は起きてアウトにはらむか、それを無理に押さえ込めばフロントからのスリップダウンにつながりやすいが、リアブレーキならマシンを寝かせたまま制動力を加えられる。

進入で確実に車速を落とすことが鉄則だが、それでもミスしてしまったときのために覚えておきたい操縦であり、そのためにもサーキットでリアを使えるようになる訓練は、少しやっておいて損はないだろう。

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【右コーナーではステップへの足の置き方を工夫】ハングオフでの右コーナー旋回時に、土踏まずでステップをべったり踏み、リアブレーキペダルの上につま先を載せると、イン側の足を開くことが難しくなる。そこで、写真のように足裏の外側だけをステップに置いて小指の付け根あたりでペダルを踏むなど、高度な操作が必要になる
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【ブレーキをかける際はステップを踏み換える】大前提としてスポーツライディングでは、母趾球あたりでステップを踏んだ状態を基本フォームとし、ステップワークに対する力と速さを高めておく。ただし、この状態だと当然ながらペダルにつま先が届かないので、リアブレーキ操作時は必要に応じてステップを踏み換えて対処する

バンキング

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【リアを沈める操作で後輪グリップを確保】コーナーの進入で大まかな減速を終え、車体を寝かせてイン側にアプローチしていく段階で、リアブレーキを軽く引きずることで、後輪への荷重を確保。ライダー心理としては、エンジンブレーキと同じく車体の後ろをそっと支えてもらっているような安心感が得られる。このリアブレーキ操作を電子制御化したのが、MotoGPライダーの操縦からヒントを得たドゥカティのレースeCBSが搭載するポストラン機能だ

旋回

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【大きくピッチングすること無くライン取りを調整できる】低速コーナーや切り返しでは、後輪の荷重が抜けやすい状態になったり、車体のピッチングが大きくなったりすることがある。このときにリアブレーキを使って後輪荷重をつくり、あるいはピッチングを抑制する。また、スポーツライディングではそうならないよう走ることが重要だが、オーバースピードやラインを外したときの速度調整も、フロントを使うと車体が起きるなどしてより危険なので、リアを使う

立ち上がり

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【スロットルオンの瞬間のギクシャク感を軽減する】スロットルを開けはじめる直前に、リアブレーキを軽く引きずると、弛んでいたドライブチェーンが張り、エンジンの駆動力が伝わりだす瞬間の挙動がスムーズになる。また低速コーナーでは、リアブレーキを踏んでからスロットルを開けることで、後輪が路面に押し付けられる力が増えるため、グリップをより発揮できて安心感も増す
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