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新築で“ガス衣類乾燥機”を導入「6kgの衣類を1時間で!」→入居1カ月後、30代夫婦を襲った“悲劇”【一級建築士は見た】

  • 2026.2.26
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

「雨の日も、夜中も、これ一台でふわふわに乾くんだ!」

新築時に念願のガス衣類乾燥機を導入したKさん(30代)夫妻(+子ども2人の4人家族)は、新しい生活を楽しみにしていました。

ガスの強い熱風で、6kgの衣類を1時間ほどで乾かし、タオルは天日干し以上にふっくら仕上がる。その性能に、共働きの2人は投資を決めました。

しかし、入居から1カ月。彼らの家のリビングや洗面所には、「部屋干しの洗濯物」が並んでいました。

「お気に入り」のサイズが変わってしまうことも?――縮みへの配慮

Kさんが直面したのは、お気に入りの服たちが「縮んでしまうこと」でした。

  • 綿100%の性質: 愛用していたTシャツやデニムが、一度の乾燥でサイズ感が変わり、体にフィットしすぎてしまう。
  • ニットへの影響: 大切にしていたニットが、以前より小さく感じられ、生地の質感も変わってしまった。

ガスの熱風は強い分、衣類への影響も大きくなることがあります。繊細な素材の衣類にとって、パワーがありすぎてしまう場合があるのです。

仕分けの手間という、新たな課題

「乾燥機に入れられる服」と「入れてはいけない服」。Kさん夫妻を待っていたのは、洗濯機から取り出す際に行う、丁寧な「仕分け作業」でした。

  • タグの確認: 毎回洗濯絵表示を確認し、乾燥機不可のものを分ける。
  • 型崩れ防止: ワイヤー入りの下着や装飾のついた服は、ネットに入れて部屋干しへ。
  • 手間の増加: 一枚ずつ仕分けているうちに、「すべて干した方が早いのではないか?」という疑問を感じることもあったといいます。

結局、デリケートな服やお気に入りのおしゃれ着を大切にしたいKさんにとって、乾燥機の出番はタオルやシーツ類などに限定されることになりました。

建築士が教える「ランドリールームの設計」

ここでのポイントは、「乾燥機があるから、部屋干しスペースはいらない」と判断しすぎてしまう設計です。

どれほど高性能な乾燥機を導入しても、現代の生活において「部屋干しがゼロ」になるケースは珍しいといえます。

  • 予備の物干し: 乾燥機に入れられない服のために、最低限の「天井吊り下げ式の物干し竿」などは必須といえるでしょう。
  • ハイブリッド乾燥: 「基本は部屋干し、仕上げに乾燥機でふっくらさせる」といった、両方の良いところを組み合わせる方法もあります。

道具は「使い分け」こそが本当の時短

Kさんは今、タオル類は乾燥機で、それ以外は部屋干しという「使い分け」に落ち着いています。当初の「家事の負担をゼロにする」というイメージとは少し異なりますが、タオルの快適さは手放せないといいます。

乾燥機を導入するなら、セットで「縮ませたくない服をどう干すか」の場所もしっかり確保しておくこと。

理想の性能だけに目を奪われず、ご自身のクローゼットの中身と相談しながら設計を進めることが、納得のいく家づくりへの近道になるかもしれません。


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
地方自治体で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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