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クルマの銀行ローン利用者“9割”が『お金の不安』一択→300人の声から紐解く、クルマ購入時の不安

  • 2026.3.4

 

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出典元:PIXTA(画像はイメージです)

第2回となる今回は、車選びで迷うもう一つの理由「購入時の不安」にフォーカスします。

300人へのアンケートから、不安は大きく4タイプに分類できることがわかりました。買い方ごとに異なる不安の偏りや、意外な満足度のねじれなど、後悔しないための心理地図を紐解いていきます。

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支払い方法が増えた今、不安も増えた

車の買い方は現金やローンだけでなく、残クレやリースなど本当に多様化しました。それぞれにメリットがあり、自分に合った方法を選べるのはありがたい一方で、いざ決断しようとすると結局どれが一番いいのかと足踏みしてしまう方も多いのではないでしょうか。 実際、どれが一番お得なのか、あとで損をしないかなど、考えれば考えるほど悩みは深まるばかりかもしれません。

実は、こうした迷いの根底にあるのは、それぞれの買い方が抱える見えない不安が原因の可能性があります。買い方が多様化した分だけ、購入者が感じる不安の種類も複雑になっています。だからこそ、比較検討が難しい今、まずはご自身が何に対して不安を感じているのかを整理することが、納得のいく選択への近道になります。

不安は4タイプ!全体の約8割はお金と予想外コストに集中

それでは、具体的にどのような不安があるのでしょうか。クルマの購入経験がある全国の18歳以上の男女300人を対象にアンケートを実施しました。

今回のアンケートから見えてきた購入時の懸念点は、大きく分けてお金、予想外コスト、出口、手続きの4つのタイプに分類できます。ご自身がどの不安を一番強く感じるか、少し想像してみてください。

実際に車を購入した300人がどの不安を抱えていたのかを集計してみると、全体の約8割が2つの大きな不安に集中していることがわかりました。

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図:車購入時に最も懸念したこと(SA)n=300

最も多かったのはお金の不安で、全体の65.0%(195人)を占めています。

月々の支払いが家計を圧迫しないか、利息を含めた総支払い額が増えすぎないかという懸念に加え、昨今の金利や物価上昇といった外部環境への不安もここに含まれます。

次に多かったのが、予想外コストの不安で16.3%(49人)です。

事故を起こしてしまったり、突然の故障が起きたりしたときに、想定外の出費が発生しないかという懸念になります。

実際に寄せられたコメントを見ても、毎月の支払い額を無理のない範囲に収めたい、金利を低くして総支払い額を抑えたい、といった声が多く見受けられました。やはり、それだけ無理なく払えるか、そして突発的な出費で計画が狂わないかが、購入時に最も神経を使うポイントになっているようです。

では、残り1割強を占める出口の不安(9.7%)や手続きの不安(5.3%)は取るに足らないものなのでしょうか。実はこれらは、選ぶ買い方によって急浮上してくる隠れた不安だと言えそうです。

買い方別に見ると不安の偏りが違う

ここからは、買い方ごとに不安のタイプがどう違うのかを紐解いていきます。

第1回の記事でそれぞれの支払い方法を選んだ理由を解説しましたが、購入時に何を懸念していたのかという視点でコメントを分析すると、とても興味深い偏りが見えてきます。

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図:支払い方法別、車購入時に最も懸念したこと(SA)

まず銀行ローンを選んだ方は、お金への不安が92.2%とほぼ一択に集中していました。

コメントを見ると、単に金利を節約したいというだけでなく、子どもの教育資金のために手元の現金を残しつつ総支払い額も抑えたい、といった将来設計にシビアな声が目立ちます。

対照的に現金一括を選んだ方は、お金への不安が半数(50.3%)にとどまり、予想外コストへの不安が27.2%と目立って多い点が特徴的です。一見お金に余裕がありそうに見えますが、手持ち資金を一度に使うからこそ、これ以上の突発的な修理費には耐えられない、という警戒感が強く働く傾向があるようです。

ここまでは上位の2大不安が中心ですが、他の買い方を選ぶと先ほどの隠れた不安が顔を出します。

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図:支払い方法別、車購入時に最も懸念したこと(SA)

店舗でそのまま組めるディーラーローンの場合は、お金の不安(79.2%)に加えて、全体では5.3%しかいなかった「手続きへの不安」が12.5%にまで上がります。審査が通るか心配だったり、平日に銀行へ行く有給が取れなかったりと、面倒な手続きをプロに代行してもらいたいという心理がこの数字に表れていると考えられます。

また、あらかじめ数年後の買取保証額を差し引いてローンを組む残クレでは、お金の不安(81.8%)に次いで、出口の不安が13.6%と高くなっています。

車を乗り換える際や手放す際についての懸念であり、万が一ぶつけて傷をつけてしまったら返却時に追加精算が発生するのでは、という将来への心配が常に付きまとうようです。

車を完全に自分のものとして扱い切れない特有のプレッシャーが、この数字に表れているのでしょう。

購入前の不安は解消された?満足度に見るねじれ

ここまで買い方による不安の偏りを見てきましたが、購入後の満足度に目を向け、もう一段深く考察をしていきます。購入前に抱えていた不安は、その買い方を選ぶことで無事に解消されたのでしょうか。

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図:支払い方法別の購入後の満足度(n=290)※その他購入方法はn数不足により割愛

支払い方法別の満足度(とても満足と満足の合計)を見てみると、現金一括は85.8%、銀行ローンは78.5%と高い水準にあります。 この2つの買い方を選んだ方は、購入時に「お金」や「予想外コスト」の不安を強く抱えていました。しかし結果的に、金利を抑えられたことや、手持ち資金の範囲内でやりくりできたことで、根幹にあった不安を見事にクリアし、高い満足度につながっていると言えます。

ところが、ディーラーローンは不満(やや不満ととても不満の合計)が20.9%と突出して高い傾向がありました。ディーラーローンを選んだ方は、「手続きの不安」を解消するために、店舗でそのまま組める手軽さを優先した背景があります。しかしアンケートを読み解くと、後になって総支払い額の多さや金利の高さに気づき、もったいなかったと後悔する声が散見されました。つまり、目の前の手続きの不安を手軽さで解決したものの、結果として一番大きな「お金の不安」を後から呼び起こしてしまったという、心理的なねじれが生じています。

さらに、残クレは満足が45.4%、どちらともいえないという中立が45.5%で拮抗しています。評価が真っ二つに割れている理由は、不安のトレードオフが起きているからでしょう。残クレを選んだことで、月々の支払いを抑えたいという「お金の不安」は一時的に解消されました。しかし一方で、先ほど触れたような傷へのプレッシャーや追加精算という「出口の不安」が車に乗っている間ずっと同居し続けることになります。一つの不安を消しても別の不安が残るため、スッキリと満足とは言い切れない方が多いのだと言えそうです。

自分が不安なものから逆算すると迷いが減る

アンケート結果から、買い方によって不安の傾向や満足度が大きく異なることがわかりました。どの買い方が正解かは、家計の状況や車への価値観によって人それぞれ異なります。

大切なのは、第1回でお伝えしたご自身が重視したいポイントに加えて、今回整理した4つの不安のうち、どれを一番避けたいかから逆算して考えてみることです。お金の不安を極力減らしたいのか、それとも後々の出口の不安や手続きの面倒さを避けたいのか、ご自身の気持ちに正直になることで車選びの迷いはぐっと減るはずです。

次回は、今回のアンケートに寄せられた不満や後悔のコメントから地雷を抽出して、車購入で失敗を避けるためのポイントを整理していきます。連載第3回もぜひあわせてご覧ください。



ライター:根岸 昌輝
自動車メーカーおよび自動車サブスク系ITベンチャーで、エンジニアリング、マーケティング、商品導入に携わった経験を持つ。
現在は自動車関連のライターとして活動し、新車、技術解説、モデル比較、業界動向分析など、業界経験に基づいた視点での解説を行っている。


※本記事は媒体独自に募集したアンケートを元に構成しています
・調査方法:インターネットサービスによる任意回答(記述式)
・調査期間:2026/2/16〜2026/2/18
・調査対象:全国/18歳以上/性別不問/車の購入経験がある方
・有効回答数:300


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