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『国産車500万』が査定“ほぼゼロ”に?一方で“5年タダ乗り”を実現する人も…中古車プロが明かす“残酷な現実”

  • 2026.3.4
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出典元:PIXTA(画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。輸入車ディーラー営業、カーディティーリングスタッフ、自動車部品メーカーの海外営業を経て、現在は中古車買取店のオーナーを務めております、岡本です。

「車は買った瞬間に価値が下がる消耗品だ」

そう信じて疑わない人は、この数年で起きた「中古車バブル」と「グローバル市場の逆転現象」をまだ知らないでしょう。

同じ500万円を支払って手に入れた新車。片方は5年後に「値段がつきません」と突き放され、もう片方は「買った時より高く買わせてください」と買取店から頼まれる。

この「リセール格差」は、単なる運の良し悪しではなく、購入時にある指標を見ていたかどうかで決まります。

今回は、明暗を分けた2人の実例から、「車代」に困らなくなるための戦略を解き明かします。

【体験談】明暗を分けた500万円の選択

同じ予算で車を購入した知人2人のエピソードを見ていきましょう。

ケース1:国内人気にこだわったAさんの結果

Aさんは5年前、当時国内で「高級感があり、静粛性も高い」と絶賛されていた最新の国産セダンを約500万円で購入しました。

  • 選択の理由:「日本で人気もあり、評価も高いから間違いない」
  • 5年後の結末:国内でのセダン需要がさらに冷え込み、下取り査定はなんと数十万円。事故の修復歴があったり、過走行気味であり、「ほぼ0円に近い」という現実を突きつけられました。

ケース2:グローバル需要を逆手に取ったBさんの出口

一方のBさんは、当時「国内では少しサイズが大きく、燃費もそこまで良くない」と一部で不人気だったSUVを、同じく500万円で購入しました。

  • 選択の理由:「この車種は、アフリカや東南アジアで絶大な信頼がある。5年落ちでも輸出が効くはずだ」
  • 5年後の結末:海外での需要が爆発。さらに円安も手伝い、査定額はなんと550万円。5年間タダで乗れたどころか、お釣りまで返ってきたのです。

なぜ「国内人気」が罠になるのか?

多くの人が陥る罠は、「今、日本で流行っている車」を選んでしまうことです。 しかし、日本の中古車市場はもはや国内だけで完結していません。査定額を左右している真の市場は、「海外輸出」なのです。

特に重要なのが、相手国の「関税と輸出ルール」という物理的な壁です。

査定額を左右する「年式の壁」

国や地域によるものの、「製造から〇年以内の車しか輸入してはいけない」というルールが存在する場合があります。

  • 1年落ちの壁:新車登録から1年以内限定で優遇される国
  • 3年落ち・5年落ちの壁:特定の関税率が大きく変わる境界線

Bさんが勝った理由は、国内の流行ではなく、「5年経っても海外の輸入規制に引っかからず、かつ現地で修理しやすい(需要がある)車種」を選んだことにあります。逆にAさんのセダンは、海外での需要が薄く、国内市場に見放された瞬間に価値がゼロになったのです。

「車代」に困らないための情報収集術

流行に流されず、「数年後のグローバルな需給」を見抜くためには、以下の3つの指標をチェックしましょう。

1.「輸出」の動きを見る:
海外の中古車サイトなどを使ってどの国にどの車種が流れているかを確認する。

2.相手国の情勢を知る:
たとえば「パキスタンで輸入規制が緩和された」といったニュースによって、特定の車種の査定額が数十万円変わった事例もある。

3.「壊れにくさ」の国際基準:
日本の「豪華装備」は海外では故障リスクと見なされることも。タフなエンジン、共通部品の多さなど、質実剛健なモデルほどリセールは安定します。

諸刃の剣:リセール投資に潜む「3つのリスク」

ただし、この戦略は「必勝法」ではありません。グローバル市場を相手にする以上、以下の予測不能なリスクが常に付きまといます。

1.為替相場の急変動(円高リスク)
現在の中古車高騰は「円安」がブーストさせています。仮に売却時に1ドル120円、110円と円高が進めば、海外バイヤーの買い付け意欲は減退し、査定額は一気に暴落します。

2.相手国の「輸入規制」の突然変更
「昨日まで輸出できたのに、今日から禁止」という事態が頻発します。たとえば、ロシアへの輸出制限や、環境規制によるディーゼル車禁止など、政治的な判断ひとつで資産価値が落ちてしまう可能性があります。

3.カントリーリスクと経済状況
輸出先が経済危機に陥れば、どれほど人気の車種でも買い手がいなくなります。特定の国に依存しすぎる車種選びには注意しましょう。

車選びは「資産運用」である

車を単なる「移動手段」として買う時代は終わったといえるかもしれません。 資産価値を守る人は、常に「出口戦略」から逆算して車種を選んでいることが多いです。

「5年後にいくらで売れるか」という視点を持つだけで、あなたの生涯コストは数千万円単位で変わるはずです。

次にディーラーへ行く前に、一度「グローバル市場の目線」をチェックしてみませんか?


筆者:岡本 修
自動車業界の川上から川下までを網羅するカーライフアドバイザー。輸入車ディーラーの営業職としてキャリアをスタートし、接客の最前線を経験。その後、カーディティーリング会社にて車両美装の技術を習得し、自動車部品メーカーの海外営業としてグローバルな流通機構にも携わる。現在はこれら「販売・施工・製造・輸出入」の多角的な経歴を活かし、中古車買取店のオーナーとして独立。業界の裏表を知り尽くしたプロの視点から、中古車の本質や市場動向、メンテナンスの重要性など、ユーザーに寄り添った信頼性の高い情報発信を行っている。


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