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ミニクーパーSを購入も「5年で200万円の授業料…」憧れの愛車を手放すことになった“想定外の出費”

  • 2026.2.28

 

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出典元:PIXTA(画像はイメージです)

ふと足を止めた交差点で、颯爽と通り過ぎる車に視線を奪われた経験をお持ちの方も少なくないと思います。

大学生のころから憧れていたミニクーパーSを、周囲の反対を押し切って購入した知人のAさん(女性)。しかし5年の所有で待っていたのが、想定外の出費と日常の違和感でした。

12万円のドラレコ修理や謎のパーツ破損を通じ、彼女が見つけた「自分らしい車との付き合い方」を紐解きます。

憧れの原点と「S」という選択肢に込めた譲れないこだわり

知人のAさんが以前に所有していた愛車は、国産の高級セダンであるクラウンでした。もともと車を走らせることが大好きだった彼女にとって、移動の手段としてだけではなく、運転する喜びそのものが日々の活力になっていたそうです。

そんな生粋の車好きである彼女の心を、大学生のころからずっと捉えて離さない存在がありました。それが、愛らしいフォルムとコックピットのような独特の内装を持つ「ミニクーパー」です。いつか必ず自分のものにしたいと、密かに夢見ていたと語ってくれました。

そしてクラウンから乗り換えるタイミングが訪れた際、ついに長年の夢を叶える決断を下します。ただ見た目が可愛いだけでは満足できなかった彼女が、一切の妥協をせず選んだグレードが、スポーツ性能を高めた「ミニクーパーS」でした。

実は購入を検討し始めた頃、友人や家族から「外車はお金がかかるからやめておいたほうが無難かもしれない」と何度も忠告を受けたそうです。それでも、長年の夢を叶えたいという情熱が、周囲の心配を上回り、「ミニクーパーS」の契約に至りました。

迎えた納車の日、ディーラーで対面した愛車への感動を、Aさんが今でも鮮明に覚えていると話してくれました。初めてハンドルを握り、アクセルを軽く踏み込んだときに響く力強いエンジン音。その刺激的な感覚に包まれ、今までにない満たされた時間がそこにありました。

走りの歓喜に混じる、日常のノイズと手のかかる愛おしさ

念願の愛車との生活がスタートし、最初の数ヶ月を最高に幸せな気持ちで過ごしていたそうです。とくに彼女の心を掴んで離さなかったのが、アクセルを踏み込んだ瞬間に得られる胸のすくような加速感だったと語ってくれました。少し遠回りをしてでもステアリングを握り続けたくなるほどの、ダイレクトな操作感が、毎日の移動を特別な時間に変えてくれたのだと想像できます。

ところが、週末のドライブだけでなく、毎日の通勤や買い物にも使い始めると、少しずつ国産車との違いに直面し始めたと言います。

最初に彼女が戸惑いを感じた現象が、輸入車に良く見られる、ブレーキダストによる汚れでした。休日のたびに丁寧にホイールを磨き上げても、わずか数日走るだけで汚れてしまうそうです。クラウンに乗っていた頃には考えられなかった汚れに驚きつつも、可愛い相棒ほど手間がかかるものだと、彼女が前向きに受け入れていたと語っていました。

しかし、この汚れの問題に続いて、運転中の些細な挙動も気になり始めたと言います。

アイドリングストップ機能によってエンジンが再始動する際、なぜかワイパーが一瞬ピタッと止まってしまう特有のクセがあることに気づいたそうです。気になってディーラーに相談しても、それが機械の故障というわけでもないという説明を受けました。

しかし、スムーズで快適な走りを大切にしたいAさんにとって、この独特な電子制御の挙動が、どうしてもノイズのように感じられたようです。車を愛おしく思う気持ちがあるからこそ、こうした小さな違和感がチクチクとしたストレスとして積み重なっていったのだと想像できます。一つひとつが走れなくなるようなトラブルでもないものの、日常的に乗る道具だからこそ、些細なノイズが気になっていく側面があるのかもしれません。

どこにもぶつけていないのに?国産車で想定しづらい謎のトラブル

日常の小さな違和感が積み重なっていたある日、Aさんがさらに驚くような出来事に遭遇します。

車を降りてフロント部分を眺めていると、ヘッドライトを囲むシルバーのリングパーツが、なぜか少し浮いていることに気づいたそうです。どこかにぶつけた記憶が全くないにもかかわらず、不思議に思って軽く触れてみると、パーツを固定している裏側の爪が完全に折れてしまっていました。

急いでディーラーで診てもらうと、走行中の振動や経年変化によって、この爪の部分が割れてしまうケースが稀にあると説明されたそうです。外側の装飾パーツですら、定期的な交換が必要な消耗品として捉えるという、輸入車に多く見られる設計思想に直面した出来事でした。

国産車の品質基準に慣れ親しんでいたAさんにとって、ただ走っているだけでパーツが破損するという経験は、大きなカルチャーショックだったと語ってくれました。

そして、このパーツ交換という出来事は、さらに大きな金銭的負担を引き起こす、ほんの序章に過ぎませんでした。

車の購入後に、約12万円をかけてディーラーで装着してもらったドライブレコーダーが、3年経たずに突然壊れてしまいました。慌てて修理の見積もりを依頼したところ、提示された金額は、再び約12万円という高額な内容でした。せっかく高い金額をかけて装着した機器がすぐに壊れ、修理にも同額の12万円がかかり、さらに修理後にはバッテリー低下の表示が出るなど、散々な出来事にAさんが深く肩を落としたと言います。

こうした想定外の出費が立て続けに起こり、タイヤのパンクなども含めると、5年間で費やした金額が合計で200万円規模にまで膨れ上がっていたそうです。事前にお金がかかると覚悟していたものの、その費用が走りの質を高めるためではなく、予想外の故障やパーツの破損に消えていく現実に、彼女の心が少しずつ削られていきました。

憧れの先に見つけた新しい価値観

いつ何が起きるかわからないという不安を抱えながら、憧れの車を維持し続けることの難しさを、Aさんが切実に語ってくれました。そして月日が流れ、彼女がある大きな決断を下すことになります。

通勤距離が長くなるという生活スタイルの変化をきっかけに、ついにミニを手放す日がやってきました。次に彼女が新たな相棒として選んだ車が、日産オーラでした。

この乗り換えによって、Aさんの日常が劇的な変化を遂げたと言います。モーター駆動によるシームレスで力強い加速に加え、車内を優しく包み込むような圧倒的な静粛性が、彼女の心を癒やしてくれました。ホイールが数日で真っ黒に汚れることもなく、普通に走っているだけでパーツが割れる心配に怯える必要もありません。ドライブレコーダーも安定して稼働し、何より余計なお金がかからず、毎日を穏やかに過ごせていると教えてくれました。

それでも、ミニクーパーSと共に過ごした日々が決して色褪せることなく、特別な記憶として彼女の中に残り続けているようです。

オーラの快適な移動空間に満たされつつも、ミニクーパーSが教えてくれた運転の楽しさを、Aさんがとても熱っぽく語ってくれました。ステアリングを握り、アクセルを踏み込んだ瞬間に車と自分が一体になるようなダイレクトな感覚。そして、ただ街中を駆け抜けるだけで胸が高鳴るような、唯一無二の高揚感。それらがどれほど素晴らしいものだったかと、彼女は清々しい表情で振り返ります。

休日の朝にただ走るためだけに出かけたくなるような、あのクルマでしか味わえない刺激的な体験が存在したからこそ、今の穏やかな生活の尊さをより深く実感できるのかもしれません。外車を所有した5年間があったからこそ、国産車で経験できないような苦労や喜びを知ることができ、今となってはすべてが大切な思い出になったと、Aさんが微笑んでいました。

「今の自分」にしっくりくるクルマ選びを

彼女の満ち足りた表情から、胸が高鳴るような憧れを全力で追い求める経験が、その後の日々へ深い味わいをもたらしてくれるのだと感じました。

ミニクーパーSと共に駆け抜けた刺激的な時間も、当時のAさんが自分らしく輝くために欠かせない選択だったのだと思えます。そして、ライフスタイルの変化に合わせて、日々の暮らしへ優しく寄り添う相棒を選び直していくプロセス自体が、自動車ライフをより豊かなものへと導いてくれるのかもしれません。

今の自分に最も心地よくフィットする一台がどのような姿をしているのか、読者の皆様もこの機会にゆっくりと想いを巡らせてみてはいかがでしょうか。



ライター:根岸 昌輝
自動車メーカーおよび自動車サブスク系ITベンチャーで、エンジニアリング、マーケティング、商品導入に携わった経験を持つ。
現在は自動車関連のライターとして活動し、新車、技術解説、モデル比較、業界動向分析など、業界経験に基づいた視点での解説を行っている。


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