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「なぜ、40代の肌に睡眠時間が大切なの?」年末年始は「肌を立て直す」チャンス!

  • 2025.12.29

実は夜こそが美容のゴールデンタイム。特に睡眠中は体を休めながら肌も修復する絶好の時間です。年末年始で時間がつくりやすい今こそ、肌づくりと睡眠の関係について学んでみませんか?【寝てる間の美容】について、専門家の先生に伺いました。

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お話をお聞きしたのは…銀座ケイスキンクリニック 慶田朋子先生

慶田先生

医学博士、皮膚科専門医。皮膚の働きや美肌に役立つスキンケア、生活習慣などを明確に分かりやすく解説。テレビや雑誌など多方面で活躍中。

睡眠中は、日中のダメージを回復する うるおいケアを

◇ 睡眠時間= 皮膚の再生・修復時間

日中は交感神経が優位になり、体も心も〝戦闘モード〟。大きな筋肉に血流が集まり、アドレナリンが分泌され、外敵から身を守る態勢をとるため、体も肌も常に緊張状態にあります。けれど夜になると、副交感神経が優位になり、心身はリラックス状態へ。この切り替えが、皮膚を含めた全身の修復と再生に欠かせません。

眠っている間は、まるで船がドックに入ってメンテナンスを受けているような状態で、細胞は日中に受けたダメージを回復させ、新しい組織をつくり出します。だからこそ、睡眠の質や長さが悪くなると修復は不十分に。疲れが取れにくい、病気の治りが遅いだけでなく、肌にもすぐサインが現れます。睡眠不足が続くと肌は荒れやすくなり、ターンオーバーが乱れ、真皮の再生も滞りがちに。長期的にはシワやくすみ、ハリの低下として表情に出てきます。寝ている間は体全体の修復時間として肌をしっかり休めることが大切です。

夜のスキンケアでまず大切なのは「洗うこと」。日中についた皮脂や汗、メークやほこりは必ずリセットしておきましょう。ただし洗浄には界面活性剤が必要で、肌本来のバリア成分まで落としてしまうため、その後の保湿は欠かせません。失われたバリアを補うように潤いを与え、朝まで乾かさないこと。これが夜ケアの基本であり、もっとも重要なポイントです。十分に保湿できていれば、体は自然に修復を進めます。朝の肌が突っ張るのは保湿不足、しっとりしていれば修復が順調に働いている証拠。つまり夜のケアは「保湿できているかどうか」がすべての土台になります。

さらに余裕があれば、有効成分を取り入れるのもおすすめです。レチノールはハリ不足に、ビタミンCやEは酸化ダメージ対策に、トラネキサム酸は炎症ケアに役立つとされています。夜はまさに「鎮静と再生」を意識して成分を選ぶ絶好のタイミングです。効果を欲張るより、目的に合わせて1〜2種類を取り入れるのが現実的です。

40代以降の女性はホルモンの影響も大きく受けます。エストロゲンは抗酸化作用でコラーゲンの分解を抑え、ターンオーバーを助けていますが、更年期になると分泌が減少。その結果、乾燥やゆらぎ、化粧品が合わないといった変化が起こりやすくなります。この世代は特に、夜の修復時間を意識した保湿ケアが必須です。

また「美肌菌」にも注目を。うるおい環境では善玉菌が働きバリアを守りますが、乾燥すると悪玉菌が優位になり、炎症や肌荒れにつながります。夜にしっかりうるおいを与え、美肌菌が育ちやすい環境を整えることが、健やかな肌を育てるカギです。

夜のスキンケアに必要なのは「落とす」「うるおす」「鎮静」の3つ。シンプルな積み重ねが、寝ている間の美肌づくりにつながり、翌朝の肌印象を大きく左右します。

イラスト/MASAMI 取材/尾﨑亜佐子 ※情報は2025年12月号掲載時のものです。

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