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「NHKアニメの最高傑作」放送終了から22年、語り継がれる『至高の一作』

  • 2026.1.29

子どものころ、何気なく見ていたNHKアニメを覚えていますか?あの懐かしの作品はいま、令和の子どもたちにどう映るのでしょうか。今回は、“令和の子どもに見せたいNHKアニメ”を5本セレクトしました。

本記事ではその第5弾として、アニメ『火の鳥』(NHK総合)をご紹介します。『鉄腕アトム』『ブラック・ジャック』などで知られる手塚治虫先生が原作を手がけた、数々のトラウマエピソードが印象的な作品です。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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※Google Geminiにて作成(イメージ)
  • 作品名(放送局):アニメ『火の鳥』(NHK総合)
  • 放送期間:2004年4月4日~2004年6月27日

時空を超えて現れる超生命体・火の鳥(CV:竹下景子)を軸に、さまざまな時代を生きる人間たちの運命を描くオムニバス作品。古代では、戦乱の渦に放り込まれた少年・ナギ(CV:竹内順子)が、奪う側と奪われる側の残酷さのなかで命の価値を思い知らされます。

また、未来では事故によって感覚が変わってしまった青年が、人間と機械の境界に揺れながら他人とつながろうともがきます。人を救うと同時に、命の重さを突きつける火の鳥。限りがあるからこそ命は尊いというメッセージを伝えてくれる、壮大な物語です。

『火の鳥』が投げかける“不老不死”のテーマ

アニメ『火の鳥』は、ひとりの主人公を追いかける物語ではなく、時代ごとに異なる人間ドラマを束ねて“命そのもの”を描くところが見どころとなっています。古代から未来まで舞台が飛び、登場人物たちは永遠の命にあこがれ、火の鳥を追います。しかし、本作がすごいのは、不老不死=救いとしないところ。むしろ、永遠がもたらすものは、満たされる安心よりも、取り返しのつかない後悔のような重い現実です。

だからこそ、視聴後には終わりがあるからこそ命は美しいという実感が残ります。また、同じ問いを時代と立場を変えて繰り返す構成は、見る側の人生経験によって刺さり方が変わってくるのです。疲れているときには「ただ生きるだけで十分」と背中を押され、迷っているときは考えさせられる――そんなふうに、見るたびに感じ方が変わる深さが、本作の魅力となっています。

トラウマエピソードを通して描かれる“教え”

アニメ『火の鳥』は、『鉄腕アトム』『ブラック・ジャック』『ジャングル大帝』『リボンの騎士』などの名作を生み出した、マンガの神様と呼ばれる故・手塚治虫先生による漫画が原作となっています。1967年から亡くなる直前まで、手塚先生は本作を描き続けていました。そのため、『火の鳥』は彼のライフワーク作品として知られています。

本作についてSNSでは「NHKアニメの最高傑作」「トラウマな名作」との声があがりました。なぜ“トラウマ”と言われるのかというと、ショッキングなエピソードがいくつも存在するからです。たとえば、暴力をふるうような非情な父を斬ったことにより、永遠に続く無限ループに閉じ込められてしまうエピソード等が描かれています。

背筋が凍るような恐怖を感じる一方で、命について考えるきっかけがちりばめられたアニメ『火の鳥』。本作は、今よりもっと毎日を大事に生きたいと思えるような余韻を残してくれます。令和の子どもたちにも、ただ怖いだけでは終わらない“気づき”を与えてくれるはずです。


ライター:まわる まがり
主にアニメについての記事を書くライター。コラムやレビュー、映画の作品評を手がける。X(旧Twitter):@kaku_magari