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「今こそ観て」公開から8年経てもなお“評価される完成度”…「気づいたら5回目突入」“リピーター”相次いだ『至高映画』

  • 2026.1.15

ドラマや映画の中には、登場人物が抱える“心の闇”や痛みが観る者の胸に、強烈なインパクトを残す作品があります。今回は、そんな中から"極端な人間ドラマ作品"を5本セレクトしました。本記事ではその第2弾として、映画『君が君で君だ』(ティ・ジョイ)をご紹介します。10年もの間、好きな人の“好きな人”として生きることを選んだ3人の男たち。その常識を超えた選択がもたらした、あまりにも純粋で危うい愛の行方とは――?

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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ドラマ『海のはじまり』完成披露試写イベントに出席した池松壮亮(C)SANKEI
  • 作品名(配給):映画『君が君で君だ』(ティ・ジョイ)
  • 公開日:2018年7月7日
  • 出演: 池松壮亮、キム・コッピ、満島真之介、大倉孝二 ほか

「好きな人の、大好きな人になりたい」――。そんな純粋すぎる、けれどあまりにも歪んだ想いから、自分の名前さえも捨て去った3人の男たちがいました。

彼らがなりきったのは、伝説のロックシンガー・尾崎豊(池松壮亮)、ハリウッドの名優・ブラッド・ピット(満島真之介)、そして幕末の志士・坂本龍馬(大倉孝二)。3人は、最愛の女性・ソン(キム・コッピ)の住むアパートの向かいの一室で、10年もの間、彼女を見守り続けてきました。触れ合うことも、想いを告白することもなく、ただひたすらに彼女の日常に寄り添うことだけが、彼らにとっての「愛」の形だったのです。

しかし、その奇妙な平穏は突如として崩れ去ります。ソンを追い詰める執拗な“借金の取り立て”です。愛する彼女を守るため、ついに男たちは禁断の部屋から一歩を踏み出し、立ち上がります!ところが、現実は甘くなく、無慈悲にも返り討ちに……。そこから物語は、誰も予想できない騒動へと発展するのでした――。

尾崎豊・ブラピ・龍馬になりきった男たちの純愛劇

映画『君が君で君だ』は、『アズミ・ハルコは行方不明』や『アイスと雨音』など、独自の感性で時代を切り取ってきた松居大悟監督が、長年温め続けてきた完全オリジナルのラブストーリーです。

本作の原型となったのは、松居監督が2011年に発表した舞台『極めてやわらかい道』。自身の「人を好きになると、その人になりたくなる」という衝動をベースに、監督自らが原作・脚本・監督をつとめ、映画化した作品です。

キャスティングには、日本映画界を代表する実力派が集結しています。現在放送中の大河ドラマ『豊臣兄弟!』で話題を集める池松壮亮さんは尾崎豊になりきって、劇中で名曲を熱唱。満島真之介さんは金髪のブラッド・ピットに、大倉孝二さんは和装の坂本龍馬に扮し、狂気と純粋さが同居する難役を体当たりで演じました。

さらに、借金に苦しむヒロインを韓国の名優キム・コッピさんが演じ、彼女を翻弄する彼氏役を高杉真宙さん、冷酷な借金取りコンビをYOUさんと向井理さんが演じるなど、豪華な顔ぶれが物語に強烈なインパクトを与えています。

本作は、アジア圏最大級の映画祭である第21回上海国際映画祭のガラ部門に正式出品されるなど、その独創的な世界観が国境を越えて高い評価を受けました。
単なる恋愛映画の枠を超え、愛の本質を真正面から問いかける異色の人間ドラマとして、今も多くの映画ファンに愛されている作品です。

「やってることが異常」――なのにSNSに溢れた称賛の声

本作の最大の見どころは、「好きな人の大好きな人になりきる」という、あまりにも極端で狂気じみた愛の形です。10年もの間、愛する女性・ソンを監視し、盗聴し、同じ時間に同じ生活を送り続ける3人の男たち。その姿は、一般的なストーカーという言葉では、もはや説明しきれません。

この独特の設定の根底には、「人を好きになると、その人になりたくなる」という、松居監督自身の恋愛観があります。中高生の頃、自分に自信が持てず、想いを伝えられなかった監督が抱えていた「伝えられる奴よりも、俺の方が好きだ」という感情が、そのまま物語の核になっています。「ギリギリというかアウト」「やってることが異常」と評されるほど、観る側の倫理観を真正面から揺さぶる作品です。

俳優陣の魂を削るような迫真の演技も、本作を唯一無二の作品にしています。なかでも池松壮亮さんが挑んだ、床に落ちた人毛を食べるシーンは、本作の狂気を象徴する場面として語り継がれています。その凄絶さが、愛する人と一つになりたいという究極の同化願望を、強烈に浮かび上がらせています。

また、高杉真宙さんは救いようのないダメ男、向井理さんとYOUさんはヒロイン・ソンを追い詰める冷酷な借金取りを熱演。チンピラ役の向井さんが見せる恐ろしい怒号や、容赦ない「現実の理不尽さ」が、主人公たちが閉じこもっていた純粋な妄想の世界を破壊し、その異常な愛の形をより鮮明に浮き彫りにしています。

なかでもヒロインの交際相手を演じた高杉さんには、「借金を肩代わりさせるクズ男役がすごい」「ただのダメ男じゃなくて切なかった」「普段の爽やかキャラとのギャップが最高」「この作品を観てファンになった」といった絶賛の声が多数寄せられました。

「演技と演出が見事」「常軌を逸してる」「とんでもない傑作」「気づけば彼らが愛おしく感じていた」「誰にも共感できないのに惹きこまれた」「1番好きな映画」「観る人それぞれの解釈が生まれる傑作」といった絶賛の声が相次いでいます。

また、現在放送中の大河ドラマ『豊臣兄弟!』で話題を集める池松壮亮さんの快演光る本作を「今こそ観て」という声も見られました。

さらに「全く飽きない」「4回目の鑑賞」「一体何回目だ?」「気づいたら5回目突入」など、本作ならではの中毒性に虜になる視聴者が相次ぎました。

好きな人の“好きな人”として生きるという、常識を遥かに超えた選択をした男たちの純粋さと狂気。その狭間で剥き出しになる感情の爆発は、観る人の心に深い爪痕を残します。愛とは何かを突きつける、まさに“極端な人間ドラマ”と呼ぶにふさわしい衝撃作です。


※記事は執筆時点の情報です