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「もう古いからいいの!」と会社の備品を持ち帰るお局様。だが、警備員にバレて大目玉を食らう【短編小説】

  • 2025.12.25
「もう古いからいいの!」と会社の備品を持ち帰るお局様。だが、警備員にバレて大目玉を食らう【短編小説】

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

備品を持ち出すお局

どこの職場にも、「自分ルール」を押し通す困った人はいるものではないでしょうか。
私の勤める会社にも、勤続年数が長く、誰も逆らえない「お局様」とも呼べる先輩女性社員がいました。

彼女は仕事ができる人ではありましたが、一つだけ困った癖があったのです。
それは、会社の備品を勝手に持ち帰ってしまうこと。
ボールペンや付箋、トイレットペーパーに至るまで、「家のほうが使うから」と持ち帰る姿を、私は何度も目撃していました。

「それはまずいんじゃないですか?」とやんわり注意しても、「どうせ会社のお金なんだから、ケチケチしないの」と聞く耳を持ちません。
周りの社員も、波風を立てたくないので見て見ぬふりをしていました。

そんなある日のことです。
オフィスの大掃除をしていたとき、倉庫の奥から少し型が古いタブレット端末が数台出てきました。
今は使われていない予備機ですが、もちろん会社の資産です。

それを見た彼女の目が光りました。
「あら、これ私が使ってあげるわ。家で動画を見るのにちょうどいいじゃない」 そう言って、慣れた手つきで自分の通勤バッグに詰め込もうとしたのです。

さすがにそれは見過ごせません。
「先輩、それはまずいです! 備品の持ち出しは申請がいりますし、泥棒になっちゃいますよ」 私は慌てて止めましたが、彼女は鼻で笑ってこう言い放ちました。

「もう古いからいいの! 会社だって処分に困るでしょ? 私が有効活用してあげるんだから感謝してほしいくらいよ」

彼女は私の制止を振り切り、パンパンに膨らんだバッグを抱えて定時のチャイムと共に席を立ちました。「お疲れ様~」と上機嫌で帰ろうとする彼女。しかし、その日は運が悪かったのです。

バレた結果

実はその週から、ビルのセキュリティ強化週間で、出口でのチェックがいつもより厳しくなっていました。 エントランスで警備員さんに呼び止められる彼女の姿が見えました。

「すみません、バッグが随分重そうですが、中身を確認させていただいても?」
「えっ、い、嫌よ! 急いでるの!」 焦る彼女でしたが、ベテランの警備員さんは見逃しませんでした。
結局、観念してバッグを開けると、そこには会社の管理シールが貼られたままのタブレットが。

「これは許可証が必要な備品ですね。無断持ち出しは重大な違反ですよ」
警備員さんの低く響く声に、彼女は顔を真っ赤にして立ち尽くしていました。
周りには帰宅途中の社員も多く、その光景は注目の的になってしまったのです。

翌日、彼女は上司に呼び出され、長時間の大目玉を食らいました。
それ以来、彼女の「持ち帰り癖」はピタリと止まり、職場からは備品が消える不思議な現象もなくなったのです。
「古いからいい」なんて勝手な理屈は、世間では通用しないのだと改めて実感した出来事でした。

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

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