1. トップ
  2. ファッション
  3. ジャルジャル後藤淳平の「欧州旧車」愛がすごすぎた!服部昌孝も驚く“洗練されたセンス”の正体と、3台維持を貫く独自の美学

ジャルジャル後藤淳平の「欧州旧車」愛がすごすぎた!服部昌孝も驚く“洗練されたセンス”の正体と、3台維持を貫く独自の美学

  • 2025.12.20

スタイリスト服部昌孝のマシン沼。VOL.15 服部昌孝とジャルジャル後藤とマシン沼。

あいみょん、Awich、RADWIMPS、米津玄師などの人気アーティストや有名俳優のスタイリングを多数手がけ、ファッション業界にその名を轟(とどろ)かす男、服部昌孝。この連載企画「スタイリスト服部昌孝のマシン沼。」では、免許取得直後からどっぷりと“マシン沼”にハマってしまった彼が、乗り物に対して深い愛情を注ぐ方々に話を聞いていきます。

免許を取得してからもうすぐ4年。興味があることはとことん追求したくなる元々の性格も相まり、所有マシンは増える一方(下記所有リスト参照)。もちろん現在も更新中です。

第15回のゲストは後藤淳平さん。お笑い芸人で指折りの欧州車乗り!?

15回目のお相手は、お笑いコンビ「ジャルジャル」の後藤淳平さん。独特な世界観で笑いを誘うコントが代名詞の一方で、実は“あるモノ”の偏愛者としても有名。あるモノとはヨーロッパ産の車、つまり欧州車だ。後藤さんの偏りまくったセンスを前々からチェックしていた服部氏は、彼の内側にある洒脱さの正体にも興味津々で、念願だったAmi8も見ることができて大満足!

【服部昌孝の所有マシンリスト】

自動車
・マツダ・サバンナRX-7(1983年式)
・フォード・エクスプローラー(2011年式)
・スズキ・ジムニー(2022年式)
・ルノー・ルノー4(1973年式)
・トヨタ・マークⅡワゴン(1990年式)
・ダットサン・240Z(1971年式)
・米国トヨタ・タコマ(1995年式)
・マツダ・ロードスター(2023年式)
・ボルボ・240 GL Limited(1990年式)
・ニッサン・キャラバン(2023年式)

バイク
・スズキ・GSX400インパルス タイプS(1996年式)
・スズキ・GSX750S3カタナ(1984年式)
・ハーレーダビッドソンXLCR(1977年式)
・ホンダ・スペーシー125 ストライカー(198?年式)
・ハーレーダビッドソンXL1200Sカスタム(紫電モデル)

マシン沼の入り口はボルボの「240」。欧州車に傾倒する日々の始まり

服部昌孝(以下、服部) さっそくですけど、後藤さんは現在3台の車を所有しているそうですね。

後藤淳平(以下、後藤) シトロエン・Ami8、プジョー・106 S16、通称3rdレンジと呼ばれているランドローバー・レンジローバーの3台になります。

服部 めちゃくちゃいいバランス!

後藤 車を選ぶ際は振り分けをけっこう意識していて。今だと、趣味性やゆったりした乗り心地を叶えてくれるのがAmi8。キビキビ系で小回りが利くのが106、ファミリー向けとしても役立つのが3rdレンジ、といった感じですね。

服部 後藤さん的に3台キープがベストですか?

後藤 増やしたい気持ちはあるけど、現実的なところだと駐車場の問題があるじゃないですか。それと以前、自動車番組で松任谷正隆さんとドライブトークをさせていただく機会があったんです。そのときに「4台以上持つと車の奴隷になっちゃうから3台までがいいよ」とおっしゃっていて。

服部 今の俺はまさに奴隷状態です。車だけじゃなくてバイクも動かさなきゃなので。

後藤 だから、今の自分には3台がちょうどいいバランスかなと。

服部 それにしても後藤さんってかなりの欧州車好きですよね。シトロエンとプジョーはフランスで、ランドローバーはイギリス。過去に乗られていたというボルボやアルファロメオもスウェーデン、イタリアだし。

後藤 最初に買ったジープ以外は全部欧州車なんです。

服部 そこまでハマるきっかけって?

後藤 もともと車にほとんど興味がなかったんです。でも、ボルボ・240を買うにあたりいろいろ調べ始めたらめちゃくちゃ面白くて。そこを入口に未だに欧州車を掘り続けているので、きっかけとなると240ですね。

後藤さんが以前所有していたボルボのワゴン。240(左)から245(右)に乗り換える時期に撮影した1枚。

服部 自分も240に乗っています!いい車ですよね。ヨーロッパの車種全般を掘ってるんですか?

後藤 いえ、一応ドイツ以外にしています。ドイツ車は今の自分の身の丈に合わないんじゃないかっていうのと、そこまで広げると本当にキリがなくなってしまうと思うので。

服部 たしかにキリがない(笑)。

服部 過去に所有していた車の写真を事前に送ってもらいましたけど、全体的にブルー系が多いような?

後藤 乗りたい車を選んでいたらなぜかブルーの車が集まりました(笑)。2ndレンジとエグザンティア、Ami8で水色の車を3台同時に所有していた時期もあります。

後藤さんが乗っていたランドローバー・レンジローバー(2ndレンジ)。

後藤さんが乗っていたシトロエン・エグザンティア。

服部 お笑い芸人の中には車好きな人がたくさんいますけど、ここまでヨーロッパに振り切っている人も珍しい気がします。

後藤 僕が知っているところだと極楽とんぼの加藤さん、おぎやはぎのお2人がお詳しいですね。加藤さんは以前古い型のアルファロメオに乗られていて、僕が所有していたアルファロメオ・GT1300ジュニアは加藤さんから紹介してもらったお店で買ったんです。

後藤さんが乗っていたアルファロメオ・GT1300ジュニア。

服部 そうなんですね!がっつり「めちゃイケ」世代なのでその繋がりはなんか嬉しいな。

後藤 ただ、そう頻繁にお会いできるわけでもないので、車の話がしたくてウズウズするときは用事もないのに車屋に顔を出したりします。

服部 わかる!そういう車屋があると安心するし、幸せな気分になるんだよなぁ。

ジャルジャルファンには刺さらない?後藤淳平のオシャレな一面

服部 今日初めてお会いするんですけど、俺は後藤さんに対してオシャレな人だというイメージがあって。

後藤 えぇ!? ファッション的な発信なんてまったくしてないのになんでやろ。

服部 洗練された空気感とか、自分らしいモノ選びをしている匂いがするところとか。

後藤 単純に選ぶ範囲が狭いだけかと(笑)。

後藤さんの愛車Ami8をまじまじと見つめる2人。

服部 いやいや。俺が仲良くさせてもらっている古着屋が新木場にあるんですけど、後藤さんも行かれたことがありませんか?

後藤 あ!ベイアパートメントですか?妻と何回か行ったことがあります。

服部 ですよね。あそこは土日だけの限定営業だし、古着のためにわざわざ行くって相当だから、きっとオシャレな感覚の持ち主なんだろうなって。それでいて車選びのセンスも面白いし、どんなこだわりを持った人なのか気になっていたんです。

後藤 嬉しい。ありがとうございます。でも正直、ファッションや車に対して強烈なこだわりはそこまで持っていなくて。僕が興味を示すのってどちらかと言えばなんでもないモノに映りやすいというか、自分自身もしばらく経ってから魅力を感じるような存在に惹かれるんだと思います。

Ami8のシートにはシトロエンのロゴを彷彿させるデザインのラグが。「たまたまラグ屋さんで見つけて購入しました」。

服部 そのさらっとしているところにシティー感が漂うんだろうなぁ。個人的には後藤さんのオシャレな面をもっと知りたいと思っちゃうんですけど、ファンの方からそういう声は?

後藤 昔は気が向いたときに車の写真をSNSにアップしていたんですけど、僕のフォロワーにはまったく刺さらないみたいで(笑)。シトロエンの車なんて特におじさんっぽく映るだろうし。

服部 そうですか?でもまあ、たしかに「お笑い芸人でジャルジャルの後藤淳平が見たい」って思う人が多数か。シトロエンはルックスが独特だし、子どもが興味を持ったりは? Ami8に乗ってるお父さんとかめちゃくちゃオシャレじゃないですか。

1970年式のレトロな見た目がたまらない!

後藤 残念ながらそれもまったく。子どもの習い事先まで迎えに行くときに、「どの車で迎えに来てほしい?」と聞くんです。そうしたら「別になんでもいい」って……。全然リクエストしてくれないし、乗っていてテンションが上がる様子もないのが寂しくて。

服部 ははっ(笑)。珍しい車が自分の家にある日常って実は貴重な体験だし、後々になって思い出してくれるのかもしれませんね。

車への興味が急加速した2人の共通点

服部 後藤さんのAmi8と、自分のルノー・4(キャトル)をどうしても並べたいと思っていたんです。欧州車のコラムシフト同士だし。

2人の車はシフトレバーがダッシュボードから突き出ているのが特徴。このL字型の鉄棒を押し/引き/左右に傾けることで変速する。

後藤 めっちゃいいですね。この2台の並びはなかなか見られないかも。

服部 海外だとこういう古い車を割と見かけるじゃないですか。テンション上がりません?

後藤 上がります。ボロボロのシトロエンやランドローバーなどが普通に走っていたりするのを見るだけで楽しいです。

後藤さんのシトロエン・Ami8。正面からの“顔つき”がお気に入り。

服部 ですよね。それにしてもAmi8可愛いな~。

後藤 本当に可愛くて。フランスから日本にきて1発目の登録車なんですけど、向こうではかなり乗られていたようですごくボロボロ。でもそこがまたいいなと。

服部 旧車ならではのヤレ感が出てて最高です。

後藤 前に乗っていたGT1300ジュニアは全塗装していたのでいつもピッカピカだったんです、それがきれいすぎて、ちょっと雨が降っただけで気分が落ち込むし、だんだん重荷に感じてきて。その反動かもしれません。

服部氏のルノー・4。

後藤 服部さんのキャトルもめちゃくちゃいい感じですね。

服部 本当に可愛くてしょうがなくて(笑)。最近どのあたりの車種が気になるとかあります?

後藤 ルノーなら5(サンク)アルピーノが気になっています。それとシトロエン乗りとしてDSは押さえておきたいところなんですけど、DSだとサイズ的に少しデカめなのでどうかなと思っていて。

服部 どっちもいい車だな~。シトロエンならCXもありじゃないですか?

後藤 CXもいいですね。あとはなんだかんだでボルボはずっと追っていて、ちょっと変わり種の850、もしくは球数が少ないので市場に出てこないんですけど、内装にエルメス仕様の本革が使われた940、960とか。

服部 着ている服(後藤さんはこの日、エルメスのスエードアノラックジャケットを着用)もそうだし、さりげない上品さがすごく似合います。ちなみにバイクに興味は?バイクでヨーロッパばかりを掘る人はあまりいないので面白そうですけど。

お互いの車の内装を見比べてはしゃぐ2人。

後藤 今は乗っていないけど一応中免は持っていて、昔大阪に住んでいた頃は移動手段として使っていました。ヴィンテージのバイクもかっこいい大人の趣味として憧れます。

服部 お!ではぜひ!

後藤 でも、真冬にバイクにまたがる過酷さを味わっているので今は車だけで満足かも(笑)。それにAmi8は600ccの2気筒なので、バイクに乗っている感覚に少し似ているんですよ。

服部 たしかに音がほぼバイク(笑)。ちなみに、いわゆる高級車に興味って?

後藤 ポルシェにしろフェラーリにしろ、歴史に名を残す車に一度は乗ってみたいと思うので興味はあります。ただ「この人ポルシェ乗ってるんだ!」と、ぱっと見で印象を強く残すような車は敬遠しがちです。

服部 めっちゃ共感します。車って乗っている本人はポテンシャルで選んでいるのに、周りにはステータスの側面で受け取られることが多々ありますよね。

600ccしかないAmi8同様、ルノー4の排気量も軽自動車を少し上回る程度。「頑張って走っている感じがいい」と2人は声を揃える。

後藤 はい。考え方のベースは「自分が好きならOK」だけど、それだけじゃないところは少なからずあって。仮にポルシェに乗るとして、911以外の渋めなモデルを選んだところで知らない人が見たらそれはポルシェなわけですから。

服部 わかります。ちなみにファッション業界にはポルシェしかり、ゲレンデ、カイエン、ランクルあたりを考えなしにドヤ顔で乗っているのがマジでたくさんいます。

後藤 そうなんですか(笑)。

服部 価値の基準は人それぞれですけど、自分は車やファッションを見栄を張るためだけの道具にしたくないなと思っています。

旧車に乗っていて、今までに困ったハナシ

服部 旧車には何も代えがたい魅力がありますけど、その分我慢しなきゃいけないところや突然のトラブルがつきものですよね。

後藤 本当にいろんなことが起きるので、乗りながら耐性を身につけていくしかないと思って乗っています。

服部 後藤さんも自分も現場に遅れると非常にマズい仕事をしているわけですけど、回避策とかってどうしていますか?

後藤 前もった行動はもちろん、「今、急に車が動かなくなったらどう対処しよう」を常に頭の隅に置いておくようにしています。

服部 そうですよね。でもいざ車が止まるとめっちゃ焦りませんか?去年、キャトルとは別の車で高速を走っているときにいきなり調子が悪くなって止まっちゃって。しかもまだトンネルの途中だったからマジで焦りました。

後藤 それは怖い!僕は以前、1人で車に乗ってロケ撮影の現場に向かう途中で止まってしまいました。

服部 どうやって間に合わせたんですか?

後藤 レッカー到着まで1時間ぐらいかかると言われて、待っていると遅刻してしまうのでどうしようと思って。それで困って車屋さんに電話したところ、「うちのお客さんでその近辺にいる人に向かってもらいます」と助け舟を出してくれたんです。

服部 じゃあまったく知らない人がその場に来てくれたってことですか?

後藤 そうなんです。しばらく待っていたら原付に乗った男性が現れて、「自分がレッカーを対応するので、後藤さんはタクシーで現場に向かってください」と言ってくれて。本当に助かりました。

服部 すごい!めちゃくちゃいい人。旧車は止まる以外にもちょこちょこ不備が出ますよね。この間も、この連載の撮影のためにボルボ・240に乗って逗子まで行ったんです。そしたら着く直前にエアコンとパワーウインドウが効かなくなり、リアドアも開かなくなっちゃって。

後藤 一気に3か所の不調はなかなかですね(笑)。でも240の場合、助手席の足元にあるヒューズボックスを触ると案外なんとかなることが多かったりしますよ。

Ami8のコンディションは良好とのこと。乗り慣れた愛車が一番心地いい!

服部 え!? 自分でメンテできるもんですか?

後藤 車種であったり、お店や人ごとでやり方に違いがあるはずなので一概には言えませんが、自分が乗っていたボルボは調子が悪い箇所を車屋さんに聞きながら直したことが何度かあります。一時的な処理ですけど、工作の延長のようで楽しかったですね。

服部 へぇ~!今度調子が悪くなったらチャレンジしてみます!と、まぁ旧車あるあるを挙げだしたらキリがないですけど、後藤さんが今までで一番困ったことはなんですか?

後藤 いろいろありましたけど特に苦痛だったのは、車のクラクションが鳴りっぱなしになったこと。配線の不具合で、エンジンを切ってもダメで泣きそうになりました。

服部 それはヤバい(笑)。

後藤 道路を走りながら「プァーン!! プァーン!!」ってずっと(苦笑)。ハンドル位置によって音が止むポイントがあることに途中で気づいたんですけど、ちょっとでもハンドルを切るとまた「プァーン!!」ってなるんです。限界までハンドルを押さえ込みながら最悪な気分で家路に着きました。

服部 走ったら走ったで不具合が起きるけど、乗ってなくてもダメになるし、旧車との付き合いって日々勉強だなとつくづく思います。

後藤 僕もそう思います。好きなモノに対してどれだけ向き合えるかですよね。

服部 どれだけ続けられるかわからないけど、これからも旧車ライフを満喫していきたいな。今日はいろんな話ができて楽しかったです。ありがとうございました!

後藤 こちらこそありがとうございました!

Profile/後藤淳平(ごとう・じゅんぺい)

1984年生まれ、大阪府吹田市出身。NSC大阪校25期生。2003年に高校のラグビー部で出会った同級生の福徳秀介と結成したお笑いコンビ「ジャルジャル」でデビュー。キングオブコント2020優勝。YouTubeチャンネル「JARUJARU TOWER」では2018年から毎日かかさずに持ちネタを配信中。
オフィシャルHP:吉本興業
YouTubeチャンネル:「JARUJARU TOWER」
後藤淳平インスタグラム:@jarujaru_jjg

Profile服部昌孝(はっとり・まさたか)

1985年、静岡県浜松市生まれ。2012年に独立。人気アーティストや有名俳優のスタイリングをはじめ、エディトリアルディレクションやテレビCM、ミュージックビデオ制作など多岐に渡り活動を展開。2020年に制作プロダクション「株式会社服部プロ」を発足。2024年秋冬シーズンからモーターサイクルカルチャーを軸にしたブランド「SHIDEN(紫電)」のディレクターとして始動。
服部昌孝インスタグラム:@masataka_hattori
服部のマシン愛インスタグラム:@hattori__motor_machine
SHIDENインスタグラム:@shiden_beyond_the_speed

元記事で読む
の記事をもっとみる