1. トップ
  2. 「1回の嘔吐で“1日休業で収入ゼロ”」のケースも…。現役運転手が“悲鳴”…1月からは“新ルール”のタクシー会社も

「1回の嘔吐で“1日休業で収入ゼロ”」のケースも…。現役運転手が“悲鳴”…1月からは“新ルール”のタクシー会社も

  • 2026.1.17
undefined
出典元:PIXTA(画像はイメージです)

夜遅くの帰宅や体調がすぐれないとき、タクシーの存在に助けられたと感じたことがある人も多いのではないでしょうか。

そんな身近な移動手段について、「車内を汚した場合、費用を請求します」というタクシー会社の案内が注目されています。国際自動車株式会社(kmタクシー)は、車内が汚損された場合の対応について公式に発表しました。

この対応は、利用者に突然負担を求めるものではなく、国の認可を受けたルールに基づくものです。

なぜこのような対応が取られるようになったのか、また、どのようなケースが請求の対象になるのか、その背景を整理すると、タクシーを利用する際に知っておきたいポイントが見えてきます。

「一律2万円を申し受けます」kmタクシーの新ルール

kmタクシーは、2026年1月15日、公式サイトで「すべてのお客さまに快適な車内環境を、車内汚損時のご請求について」との文書を発表しました。

その内容は、タクシー車内が汚損された際、「クリーニング費用及び休車損害金として一律20,000円(税込)を申し受けます」と、費用を請求することを明確化したものです。

対象となるのは、「乗客の故意、または過失による嘔吐等で車内を汚損し、清掃・整備のため営業継続が困難となった場合」で、1月16日から運用が開始されています。

請求される金額の中には、車内のクリーニング費用のほか、清掃中にその車両が営業できないことによる休業補償などが含まれます。

重要なのは、この請求が「会社の独断」ではない点です。根拠となっているのは、一般乗用旅客自動車運送事業運送約款の第10条(旅客の責任)。国土交通省の認可を受けた約款に基づく、正当なルールです。

1回の嘔吐で“1日休業で収入ゼロ”になることも。現役運転手が語る現実

嘔吐による車内汚損は決して軽いトラブルではありません。以前取材をした、4年半のキャリアを持つ現役タクシー運転手・Aさんは、「お客さんに1番やめてほしいのは、車内での嘔吐です」と明言しています。

清掃も自分でおこなわなければならず、営業を中止せざるを得ないため、その日の売上がゼロになることもある、とAさんは語ります。

また、Aさんの場合は勤務するタクシー会社からの補償は基本的にないのだそう。乗客と清掃費について交渉するのも運転手次第とのこと。“収入ゼロと自腹清掃の二重苦”が、ドライバーに重くのしかかっているとのことです。

こちらの記事も読む

現役タクシー運転手「絶対にやめて」カスハラよりも厳しいと暴露…“乗客のNG行為”に「あまりにも割にあいません」
現役タクシー運転手「絶対にやめて」カスハラよりも厳しいと暴露…“乗客のNG行為”に「あまりにも割にあいません」

「吐く前に言って」たった一言で防げるトラブル

こうしたトラブルを防ぐために、現役のタクシードライバーから「お願い」があるといいます。

先述のAさんも、「もし気分が悪くなったら、我慢せずに『袋をもらえますか』『少し停めてください』と正直に伝えてもらえるだけで、本当に助かるんです」と切実に訴えていました。

kmタクシーの公式発表でも、「ご乗車中に体調の不調を覚えられた際は、乗務員へお申し出ください。また、エチケット袋の提供や、安全な場所への一時停車など、可能な限りのご支援を行います」と、乗客へのお願いを記載しています。

我慢することが、結果的に大きなトラブルにつながる場合もあります。「早めに伝える」が一番の予防策です。

全国共通の“業界ルール”に近い実態

車内を汚損した際の費用請求は、kmタクシーに限った話ではありません。東京都内のタクシー会社では、日の丸交通や東京無線協同組合が公式サイトで、一律2万円を請求することを明記しています。

また、東京都以外でも大和自動車やつばめタクシーなどが同様の方針を公表しています。

金額や条件に多少の違いはあるものの、「清掃が必要なレベルの汚損は請求対象」という考え方は業界全体で共有されています。

安心してタクシーに乗るために知っておきたいこと

タクシー車内を汚してしまった場合の費用請求は、決して他人事ではありません。誰でも体調を崩したり、予期せぬ状況に陥ることはあります。

だからこそ大切なのは、「言い出しにくい」と我慢するのではなく、少しでも異変を感じたら早めに伝えることです。その一言が、運転手とのトラブルを防ぎ、自分自身を守ることにもつながります。

いざというときに慌てないためにも、タクシー利用時のルールとして覚えておきたいポイントです。


参考:
すべてのお客さまに快適な車内環境を、車内汚損時のご請求について(国際自動車株式会社)
嘔吐等による営業損害の請求について(日の丸交通株式会社)
嘔吐等による営業損害の請求について(東京無線タクシー)
迷惑行為等に関する賠償金について(株式会社大和自動車)
嘔吐等による営業損害の請求について(つばめタクシー)